2015.10.14

メガバンクと信用金庫、メインバンクにするならどっち?

最近、私が読んでいる本に、お金が貯まるのは、どっち!?(菅井敏之著)というものがある。
端的に言えば、お金にまつわる25個の選択肢に対し、どちらを選択した方が豊かな人生を送れる可能性が高いかを著者が書いたものだ。
この選択肢のうち一つは、「メガバンクと信用金庫、口座を開くならどっち?」というものだが、私がこの1年書き続けたことは、11月1日に迫ったシティバンクとSMBC信託銀行との個人金融部門の事業統合後のメインバンクをどこにするかということだった。
詳しくは、シティバンク個人業務撤退後を見据えて新生銀行に口座開設(2014年11月3日)と、シティバンクの口座、売却後は三井住友銀行で継続保有の予定(2014年12月11日)のコラムをご覧いただきたいが、私の場合、現時点でシティバンクをメインバンクとしているのは、海外旅行の際の現地通貨引き出しと、海外投資のハブ口座として利便性が高いからだ。

一方、著者の菅井敏之氏は、豊かな未来(不動産投資家)へのワンステップとして信用金庫をメインバンクとし、文字通り、信用を勝ち得る努力をすることを勧めている。
ここで、株式投資(国内)をする人なら、証券口座と連動した銀行口座をメインバンクにするという選択肢は当然あり得ることだ。
どちらがいいとは言わないが、メインバンクを持つにあたり、なぜそうしたかを信念を持って説明できるようにすることが重要である点では私も彼も意見が一致していると言えるだろう。
実際のところ、彼は、お金を増やした成功者たちは、この設問以外にも、お金にまつわる選択肢に対して明快な答えを持っていると論じている。

ところで、私が今まで見向きもしなかった信用金庫なのだが、早期リタイア後の生活を考えるにあたって、いろいろな人に相談に乗ってもらったりしていると、仮に、マイクロ法人(合同会社など)を設立したとして、その法人口座を作るには、ゆうちょ銀行か、信用金庫が開設しやすいとのことだ。
数年前までは、まさか自分がそんなことを考える身になるとは想像もしていなかったので、そこまで気が回らなかったのだが、人生何が起こるかわからないものだ。
もっとも、2006年4月1日のコラム「カルロス刑務所システム株式会社設立について」は真にエープリルフールに過ぎなかったし、「法人成りは社会保険制度上でも得なのか?(2010年3月13日)」は社会保険労務士(不合格)の受験勉強の一環で書いただけなのだが・・・
菅井敏之氏の著書には、かなり辛辣なレビュー(書評)も見受けられるが、彼の真似ができるできないは別として、成功者として学ぶものはあるのではないだろうか。

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お金が貯まるのは、どっち!?(菅井敏之著)

あなたの給料は、どの銀行に振り込まれますか?
みずほ銀行、三菱東京UFJ銀行三井住友銀行などのいわゆるメガバンクですか?
それともゆうちょ銀行?
地元の借用金庫?
給料の振り込み口座のことを、銀行員たちは”きゅうふり口座”と略して言います。
たいていの場合、この”きゅうふり口座”は、その人のメインバンクのはずです。

では、なぜ、あなたはその銀行をメインバンクにしたのでしょうか?
どこにでもある○○銀行が便利そうだったから・・・、会社に○○銀行を指定されたから・・・、親が○○銀行を使っていたから・・・、など理由はさまざまでしょう。
それほど強い動機があるわけではなく、「なんとなく・・・」で決めている場合も多いはずです。

では、もしも選ぷ銀行によって、お金の増え方が大きく違うとしたらどうでしようか?
選ぶ銀行によって、お金持ちになることもあれば、いつまでたってもお金が貯まらないこともあるとしたら・・・。
それなら、決して「なんとなく・・・」では決めないはずです。

ひとつだけ結論を先に言ってしまいましょう。
なんとなく「メガバンク」を選んでいる人。
この人たちが、もっともお金を増やせない人です。
いくら頑張って働いても、生活がよくならない。
たとえ収入が増えても、生活が破綻してしまうことがある。
私は25年間におよぶメガバンク勤務の時代に、こういう人をたくさん見てきました。

■銀行はお金をおろす場所ではない

私は山形県の田舎町・朝日町で育ち、大学入学と同時に上京してきました。
大学を卒業すると三井銀行(現・三井住友銀行)に入行し、その後、横浜と東京の支店で支店長を勤めました。
大人気ドラマ『半沢直樹』さながらの、銀行員ならではの浮き沈みを経験し、悲しみと喜びを味わいました。
また、多くの方々の資産構築において、銀行がいかに重要な役割を果たしているかを目の当たりにしてきました。
48歳のとき、25年間の銀行員生活に終止符を打ち、現在は6棟78室のアパート経営で、年間7000万円ほどの不動産収入を得ています。
銀行員として人に「お金を貸す」側の立場もわかるし、不動産オーナーとして銀行から「お金を借りる」側の立場もわかる、というのが私の特徴です。

長年メガバンクに勤めてきた私が「メガバンクをメインバンクにしている人は、一生お金を増やせない」と言うと多くの人が驚きます。
「いったい、なんで!?」と。

なぜ、メガバンクではダメなのかを語る前に、そもそも銀行とほどんなところなのかを考えてみましょう。
銀行は、お金をおろすだけの場所ではありません。
銀行は、お金を借りる場所です。
「私は社長じゃないからお金なんて借りない」と感じる人もいるかもしれません。
では「住宅ローン」はどこから借りるのでしょうか?
「自動車ローン」は?
子どもの「学資ローン」は?
特に、住宅を購入する場合は、なんの疑いもなく住宅ローンを組もうとするはずです。
つまり、銀行からお金を借りるわけです。

もう少し先のことも見すえてみましょう。
今、会社員をしている人でも、将来は独立して事業を始めるかもしれません。
お店を始めるかもしれません。
そんなときは事業資金や開業資金を銀行から借りることになるでしょう。
将来、購入したマンションを賃貸に出すことがあるかもしれません。
さらにもうひとつマンションを買い、賃貸収入で2つのローンをまかなっていくプランを考えるかもしれません。
ローンの全額とは言わないまでも、かなりの割合を賃貸収入でまかなうことができれば、労せずして2つのマンションが手に入ります。
この場合だって、銀行の「住宅ローン」を利用するわけです。

成功者たちの共通点はただひとつ。
銀行からお金を借りて、それを上手に活用したことです。
こうすれば、たとえ今の年収が低くても、きちっとお金を増やすことはできるのです。

■なぜ、メガバンクではダメなのか?

メガパンクはそもそも、大企業の人や公務員のように安定している人しか相手にしないからです。
高収入で安定した将来が約束された人にしかお金を貸したくない、というのが彼らの本音です。

では、今、大企業に勤めている人は、メガバンクを選べばいいかというと、まったくそんなことはありません。
私は三井銀行(現・三井住友銀行)に25年間勤めましたが、独立して法人口座の開設を三井住友銀行に申し込んだとき、大変厳しい審査をされました。
自分が在籍していた銀行ですら、独立したとたんに厳しくなるのです。
もしも、独立して資金を借りようとしても、メガバンクはあなたを相手にしないでしょう。
元大企業に在籍していた、などということは、なんの役にも立たないのです。

では、どの銀行をメインバンクにすればいいのか?
スバリ、信用金庫です。
信用金庫は、地域の商店や中小企業に勤める会社員などを、おもなお客様にしています。
たとえば、500万円の預金があったとしても、メガバンクではまったく相手にされませんが、信用金庫なら「上客」として扱ってくれる。
1000万円なら、担当者がついてくれる場合もあります。
あなたの今後のライフプランに合わせて、いろいろな相談をすることもできる。
関係性をうまくつくれば、将来、あなたが必要なときにお金を貸してくれる可能性も高いのです。
そうするためには、信用金庫をメインバンクにして、給料をそこに振り込み、同時に積み立ても行うのです。(この部分のみ本編50ページより抜粋)
つまり、”きゅうふり口座”をメガバンクにするか、信用金庫にするかで、あなたの未来が劇的に変わるということなのです。

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2015.08.24

電子書籍は旅の友

私がiPadに電子書籍をダウンロードして海外旅行に持っていくようになったのは2013年12月のタイ・ミャンマー旅行のときからだろうか。
そのとき買ったのは、人気ブロガーのちきりんさんの「社会派ちきりんの世界を歩いて考えよう!」と、近藤駿介氏の「アベノミクスの『不都合な真実』」だったように思う。
それ以降、1週間以上の海外旅行に出るときはiPadが本棚の代わりとなり、引き続いて、私の自由人への道筋を付けてくれた小長井さんの「おこづかいで貯金ができる むだづかい撲滅計画」や、ちきりんさんの「マーケット感覚を身につけよう」を購入するようになった。
やはり、電子書籍は、長距離便の機内や、空港のラウンジでの時間潰しには非常に都合がいい。
私の場合は、長期で海外旅行をするときは、ビーチやプールで過ごす時間を設けることが多く、そこでは紙書籍が重宝するが、それでも電子書籍は長期の海外旅行には欠かせないアイテムとなっている。

ところで、去る8月20日付のちきりんの日記で「急成長する読書市場」というコラムがあった。
彼女は「みんなよく本を読む時代になった。これに加えてネット上の文章を読む人も急増してるので、『活字離れ』なんて大嘘な話で、実際にはみんな過去より今の方が圧倒的にたくさんの文章を読むようになってる。最初に紹介したグラフは2012年までのデータだから、電子書籍の影響はまだ出ていません。今後、電子書籍が本格的に普及すれば、みんなが読む本は更に増えるはず。当たり前っちゃ当たり前ですが、本を手に入れるのが簡単になれば、本を読もうとする人は増えるんです。」と述べている。
この入手が容易になるというのが肝要で、ネット書店の有利なところは、本を入手するまでに消費者が物理的に動くことがほとんどないことで、多忙なビジネスマンや、小さな子供や介護老親を抱えて、書店に足を運ぶ時間が取れない人たちの購買意欲を向上させることになると思う。
また、電子書籍化は持ち歩く荷物を減らしたい人や、海外在住者にとっては相当のメリットを感じさせることだろう。
逆にネット書店が不利なところは、他人の書評(レビュー)に消費者の購買意欲が左右されることで、主体的な書籍選びが困難になることだ。

ちなみに、私が2013年6月26日に「地球の歩き方の電子書籍充実化(Kindle)を望む」を書いてからわずか1年後には「地球の歩き方の電子書籍化スタート(2014年6月2日)」となり、最近検索したら相当数の「地球の歩き方ガイドブック」が電子化されていた。
旅行のガイドブックほど荷物として嵩張るものはないので、やはり相当数の需要があるのだろう。
私は過去のコラムで、「地球の歩き方も英語版のガイドブックであるLonely Planetのように、一冊丸ごと(entire guides)でも、あるいは、必要なところだけ(individual chapters)買うこともできるようにして欲しい。」と書いたら何とそれも実現していた。
素晴らしいことだと思う。
私の次回の長期海外旅行は、9月のクロアチア・イギリス・マレーシア旅行を予定しているのだが、それに合わせて何か電子書籍を買っておきたいと思っている。
いくら夜行便のビジネスクラスで行くとはいえ、フライト時間が相当長いからだ。
とりあえず、鉄道の達人倶楽部が出版した「わくわくがとまらない 日本の鉄道77」とか、太田英基氏の「日本がヤバイではなく、世界がオモシロイから僕らは動く。」 などがいいだろうか。
あるいは、1990年代に紙書籍で読破した沢木耕太郎氏の「深夜特急(1~6)合本版」を再度読むのも悪くない。

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2014.10.28

日本初のアゼルバイジャンに関するビジネス書が登場!

Azerbaijan51

私の友人で、越境会の会長とワールドインベスターズTV総合プロデューサーの肩書を持つ石田和靖さんが、「日本人の知らないアゼルバイジャン -今、知っておくべき最新51項」という本を出すそうだ。
このアゼルバイジャンという国は、カスピ海沿岸5カ国(five nations bordering the Caspian Sea)の一つで、最近は急速な経済発展を遂げ、石田さん曰く、将来的にはドバイを抜くのではないかと言われている国だ。
私がこの国を訪問したのは2013年11月、ちょうど1年前で、そのときの旅行記がこちらの「アゼルバイジャン・カスピ海経済視察ツアー」で、その後、私たちの経済視察ミッションや、ワールドインベスターズTVのことが現地メディアで紹介された。(2013年11月10日-ワールドインベスターズTVがアゼルバイジャンで紹介された日

そして、石田さんは今年に入ってからも足げしくアゼルバイジャンを訪問していて、それを踏まえて書きあげたものが今回発売される本というわけだ。
私もアゼルバイジャンに関しては懐かしい思い出があるので、手に取って読んでみようかと思う。
ちなみに、11月12日までにトレーダーズショップで先行予約すると、3種類の特典が付くそうだ。
できれば、来月の台湾旅行(11月7日~10日)の道中で読みたいのだが、残念ながら早くても11月12日以降でないと届かないようだ。

ところで、アゼルバイジャンのことが10月13日放映の「未来世紀ジパング」で「池上彰SP2 いま世界一沸騰する国『アゼルバイジャン』」として紹介されて以来、ツアーに同行した私の友人のブログなどへのアクセスが急増したそうだ。
例えば、谷口パートナーズ国際会計・税務事務所の小長井さんのコラム「アゼルバイジャン国際銀行-口座と金利(2012年10月)」「アゼルバイジャン国際銀行-20.6%の定期預金を組んでみる(2013年11月)」や、「ベトナム株・BRICsプラス11投資情報-米ドル預金で金利が20%も付くアゼルバイジャン国際銀行へ行ったのに口座開設しなかった理由(2013年11月10日)」といったものだ。
私の旅行記もそれなりのアクセスがあったぐらいなので、年利(単利)20%の米ドル預金というものがいかに関心を引いたか、ということなのだろう。

しかしながら、こういうときに付きものなのが詐欺まがいの口座開設代行業者で、英語の苦手な日本人を相手に悪事を働く輩が跳梁跋扈するようだ。
そもそも外国の金融機関に口座を開こうとするのに、公式ウェブサイトに直接アクセスしないで、誰かが日本語訳した情報で楽をしようというところに罠があることに気付くべきだと思う。
私たちがアゼルバイジャンに行った2013年11月時点ではアゼルバイジャン国際銀行(International Bank of Azerbaijan)の口座開設条件は、本人の現地訪問が必須の条件だった。
それから1年たって規則が変わったのだという情報があるならば、それを銀行にメール(Contacts)して確かめるだけの慎重さがあって然るべきだろう。
それを面倒だとか、苦手だとか言うのならば、最初から外国の金融機関に口座を開くことを諦めるべきだと思う。

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2014.06.02

地球の歩き方の電子書籍化スタート

地球の歩き方の電子書籍充実化(Kindle)を望む」というコラムを書いてから約1年、日本語の旅行ガイドブックの電子化がようやくスタートした。
地球の歩き方ガイドブック編集部の発表(release)によれば、「今回の発行は、『地球の歩き方 A06 フランス 2014-2015 』の電子版分冊シリーズ。 続刊にもご期待下さい! 」とのこと。
私としてはフランスでなく、スペインやタイが欲しいと思うが、続刊が出るということなので、日本人に人気のある渡航先のものは早々に発行されるだろう。
英語版のガイドブックであるLonely Planetは、すでにLonely Planet ShopからPDF eBookとしてダウンロードすることが可能だ。
もちろん、一冊丸ごと(entire guides)買うこともできるし、必要なところだけ(individual chapters)買うこともできる。
日本語版もようやくこれに追い付いたというわけだ。

なお、タビリスの記事によれば、「『地球の歩き方』電子書籍は、紙のガイドブックをそのまま表示する「固定レイアウト型」(主にEPUBフィックス型)で、リフローはしません。したがって、スマートフォンなど小さな電子書籍端末にはあまり適しません。一定以上の大きさのあるタブレット向けです。」とのことなので、iPadで読むといいだろうか。
日本語の旅行ガイドブックは、海外の特定都市か、日本人の溜まり場と称されるゲストハウスなどでしか読めなかったが、これからは必要なところだけダウンロードして購入することが可能になる。
今や、インターネットの現地情報の方が新しくて正確なことも多いが、海外渡航先ではインターネットに接続できるところばかりではないので、電子書籍版の情報もあるに越したことはない。
とりあえず、私にとってはこのニュースは朗報と言えようか。

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2013.06.26

地球の歩き方の電子書籍充実化(Kindle)を望む

今週の土曜日から行くインドネシア・タイ旅行に先日買ったiPad 4を持っていこうと思っている。
少し触ってみただけだが、使いこなせばかなり便利な代物になりそうだからだ。
将来の世界一周旅行や東南アジア沈没のためには必須のアイテムと言ってもいい。(笑)
それにソフトバンクのスタッフがSIMフリーだと言ったので、それを再確認するのも目的の一つだ。

今までの旅行では空港で文庫本や雑誌を買い込み、読み終わったら現地の友人にあげるか、そのままホテルに置き去りにしてくるのが一般的なスタイルだったのが、これからは電子書籍をダウンロードして楽しむことになりそうだ。
ところで、何だかんだ言っても手放せないのが旅行ガイド、やはり「地球の歩き方」が我々の世代の個人旅行者にとっては手放せない本になっている。

ところが、1カ国しか行かないのであれば何の問題もないのだが、やはり2~3カ国行くとなるとガイドブックも嵩張る。
必要なところだけコピーすると言っても手間とコストがかかるのであまりやりたくない。
ITサービスに関しては一日の長があるアメリカ、Lonely Planet Shopでは、PDF eBookとしてダウンロードすることが可能だ。
もちろん、一冊丸ごと(entire guides)買うこともできるし、必要なところだけ(individual chapters)買うこともできる。
さすがに便利だ。
私が渡航先で会った人の中には、「地球の歩き方」であまりカバーしていない国のガイドブックとしてLonely Planetを持ち歩いている人もいたが、これからは彼らもiPad一つで事足りることになるだろう。

一方、日本の旅行ガイドブックに関しては、そこまでは進んでいないようだ。
「地球の歩き方」のAndroid/iPhone/iPod touch/iPad用アプリも出ているようだが、如何せん数が少なすぎる。
要は、日本人サラリーマンは長くて1週間の休暇、旅をするのもメインの国を中心に近隣諸国だけなので、強い需要がないのだろう。
インターネットで検索すると、おきらく夫婦のネットで稼ぎながら世界一周!のブログに「ガイドブックを電子書籍化してipadで持ち歩く!」という記事があり、彼らが電子書籍化を依頼した業者のウェブサイトは未だにあるようなのだ。
ただ、彼らも書いているように、著作権法的にグレーな商売のようなので、いつ本格的な規制がかかるかわからない。
そんなことよりも出版社か著作権者がさっさと電子化(PDFかKindle化)してくれ、というのが私の本音だ。
そういうわけで、私はAmazonの「Kindle化リクエスト」(このタイトルのKindle化をご希望の場合、こちらをクリックしてください。)をクリックしておいた。
いつ実現するのだろうか。

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2012.09.30

台北にあった地球の歩き方(地球步方)繁體中文版

Tpe_bookshop

9月16日、私は台湾・香港旅行の途上、台北から香港へ向かうために、桃園國際機場(Taoyuan International Airport)の第一ターミナルにいた。
先月ダイナースクラブカード(Diners Club Card)のモニターに登録したことにより送られてきたカードの特典で、国内外の空港ラウンジに入ることができるので、台北でも該当があるかどうか調べたところ、残念ながらエバー航空の搭乗客のみの取り扱いのため、一般のカフェで自前のパソコンを取り出し、それでインターネットをしながら時間潰しをしていた。

そして、搭乗時刻が迫る頃になって、キャセイ航空421便が出発するB8搭乗口へ向かったところ、一軒のブックショップがあった。
私は昨年の9月27日のコラム「英語版旅行ガイドに見る香港観光お薦めトップ10」で書いたように、最近では海外空港の本屋にブラリと入ることが多くなったのだ。
今回も何の気なしに本屋に入ったところ、見つけたのは何と「地球の歩き方」と印字された日本の個人旅行者にはお馴染みのガイドブックであった。

おお、さすが台北、日本語の旅行ガイドブックまで売っているのか、と感心したのだが、よく見ると何かが違う。
そう、国名のところが「美國(USA)」とか「法國(France)」などと書かれているのだ。
つまり、これらの本は、地球の歩き方(地球步方)繁體中文版だったのだ。
時間がなくて中身まではよく見ていないのだが、構成は何となく日本語版と同じような感じだったように思う。

最近では日本人の海外旅行者が頭打ちになっている(減少する日本人海外旅行者・・・変化しつつある海外旅行の動機やその価値-JTBレポート2010年版の発行に際して-)ので、日本の旅行ガイド出版社も中国語圏へ進出したのか。
それとも台湾人のレポーターの視点から見た観光レポートを日本語版にフィードバックさせる構想でもあるのか。
いずれにせよ、「地球の迷い方」とも揶揄される「地球の歩き方」、国や地域によっては現地在住の日本人のレポートに頼った記事のため、10年前からほとんど代わり映えがしないものもあると言われている。
果たして、これらのことが新天地で活路を見出すことによって変わるのだろうか。

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2011.09.27

英語版旅行ガイドに見る香港観光お薦めトップ10

私は先日の香港・ギリシャ・ドイツ旅行の途上、アテネのエレフテリオス・ヴェニゼロス国際空港(Athens International Airport Eleftherios Venizelos)のブックショップでEyewitness Travel Top 10 Hong Kongを買い入れた。
いつもなら海外の空港のブックショップに入ることなどほとんどない、あるとすれば、アジア圏の空港で日本語の新聞を買うために入るだけだった私が、時間潰しのためとはいえ、ブックショップに入ってみようと思ったのは、以前読んだ高城剛氏の「サバイバル時代の海外旅行術」で、日本の旅行ガイドの質は年々低下してきていると嘆いているのを思い出して、それでは英語版の方はどんなものだろう、と見てみたかったからだ。

もちろん、大判のLonely Planetなど買うつもりは毛頭なかったから、小型ポケットガイドであるTop 10シリーズ(WEB: traveldk.com)を見てみた。
これは、ポケット版地球の歩き方の英語版だと思えばいいのだが、少なくとも香港のガイドブックについては、Top 10 Hong Kongの方が日本語のガイドブックに比べてはるかに秀逸なような気がした。
Top 10 Hong Kongでは、最初にHighlights(目玉)として10箇所の観光名所が紹介され、その各々の場所でさらにトップ10を細かく紹介している。
この紹介されたところが旅行者の食指を動かすかどうかは別にして、日本語のガイドブックがほとんど街歩き、グルメ、ショッピング、足マッサージ一辺倒の紹介しかしていないのに対し、Top 10 Hong Kongでは、定番観光地以外にも、ハッピーバレーの競馬(Happy Valley Races)、大浪灣トレイル((Tai Long Wan Coastline)、長洲島(Cheung Chau Island)、そして先日の旅行で行った昂坪(Ngong Ping)にある天壇大佛(Giant Buddha)と寶蓮襌寺(Po Lin Monastery)とバラエティに富んでいる。

それと、日本語ガイドブックではほとんど触れられることのない、Things to Avoid(避けるべきこと)が列挙されているのがいい。
例えば、混雑しているので日曜日にピークトラムに乗るべきではない、とか、灣仔(Wan Chai)や尖沙咀(Tsim Sha Tsui)のホステスバーに行くとぼられるとか、書いてある。
地球の歩き方で読者投稿としてこういったことが紹介されることはあっても、それ以外のガイドブックでそういうリスクヘッジ的な記述を私はほとんど見たことがない。

パラパラと読んでみて、この2点で私はEyewitness Travel Top 10 Hong Kongを買うことに決めた。
たぶん、香港は来年も行くことはあるだろうし、そのときのガイドブックとして役立ちそうだったからだ。
とりあえず、次回行くときはValue-for-Money Hotelsで紹介されているホテルが本当にそうなのか体験してみようと思う。
高城剛氏曰く、このTop 10シリーズは世界中で売れているとのこと、私が昂坪(Ngong Ping)に行ったとき、本土の中国人ばかりでなく、何で欧米人がわんさか来ているのかわからなかったが、これでようやく謎が解けたのだ。
ちなみに、このシリーズは東京のものもある。
観光庁の役人はこの本の編集者や記者を招いて、東京近郊の観光地は元より、北海道や沖縄なども紹介してもらうようにしたらどうなのだろうか。
少なくとも在日フランス人記者に酷評されるようなアイドルグループ嵐の日本PRビデオ(嵐の日本PRを外国人がメッタ切り)を制作するよりはるかに有意義な税金の使い道になるだろう。

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2009.01.12

吉田繁治氏の「ゴールドと通貨の本質」を読んでみた

年末から読み始めた吉田繁治氏の「ゴールドと通貨の本質 - ビジネス知識源セレクション」(1050円:税込み)をようやく読み終えた。
彼の有料メールマガジン『ビジネス知識源プレミアム』は、「まぐまぐ大賞2008」で総合1位になっただけあって、私の読んだ「ゴールドと通貨の本質(『ビジネス知識源プレミアム』2008年7月23日号、8月6日号、8月13日号、8月20日号、8月27日号を再構成したもの)」は非常に読み応えのあるものだった。

Yoshidagold

その中で興味深い記述がある。
「1974年に設立された金(gold)の先物取引所(COMEX=Commodity Exchange)は、米政府が金(gold)を下落させるためのものだった」というところだ。
当時の時代背景としては、1971年8月15日にアメリカが、ドルと金の交換を停止(ニクソンショック)し、ブレトンウッズ体制(Bretton Woods system)が終わりを告げ、1973年3月までに主要各国は変動為替相場に移行したときだ。
これにより、米ドルは下落し、市場のゴールドは上がり、貿易黒字国だったドイツマルクと円は高騰した。

吉田氏は、このときの金価格の高騰を、1トロイオンスでUS$75(約2倍)になったというより、米ドルの価値が半値以下になったと解釈する。
事実、ドル及びドルにリンクした世界の通貨の、実質価値(商品購買力)の下落を見て、OPEC (Organization of the Petroleum Exporting Countries)(石油輸出国機構)は、原油を1バーレルをUS$10(約4倍)に上げ、第一次石油ショックが西側諸国を襲った。
ソ連圏を除く、自由主義経済圏の原油はドル価格で取引されていたため、そのドルの価値が下落するから、原油が上がる。
こうした単純なことだったと吉田氏は言う。
ちなみに、彼は2000年代の資源価格高騰も、このときと同じようにドル安が原因だと言う。
このことは反米で知られるイランのアフマディネジャド(Ahmadinejad)大統領も、原油価格が史上最高値を付けた昨年7月15日、「オイルは十分にあり、今の価格は完全に見せかけである(The oil market is plentifully supplied and the rally to record high prices is "fake and imposed", Iran's president said on Tuesday, blaming a weak U.S. dollar which he suggested was being pushed lower on purpose.)」と言い、これは役立たずな紙切れ(worthless piece of paper)と彼が呼ぶ、弱い米ドルのせいであると述べている。(Khaleej Times Online - Market full of oil, price trend fake)

ここで、金本位を停止した1970年代の米国政府は、世界に向かい「反ゴールド・キャンペーン」を行ったと吉田氏は言う。
このキャンペーンの趣旨は「ドルのほうが金より強く、政府が管理するペーパー・マネーがゴールドより価値がある」というもので、その一環として、金(gold)の先物取引所(COMEX=Commodity Exchange)が作られ、ここで米財務省が現物と先物を売ることによって、金価格が下落するように仕向けたという。
しかし、現実には米国の反ゴールドキャンペーンにもかかわらず、1980年(第二次オイルショック:イランの王政廃止の革命:原油価格は4倍に上昇)の、1トロイオンスUS$860(1グラムで当時の円で6495円=最高値)に向かい急騰した。

私の認識では、投資市場ができたり、金融商品が開発されたりするのは、ベースとなる商品価格を上げやすくするために、要はファンドが設定されれば組み入れ株式の価格が上がるように、するためとばかり思っていたが、こと金(gold)に関しては売りを行うために市場の整備が行われたとは意外であった。
しかし、米国が人為的な意図をもってしても、金(gold)の価格が思うようにならなかったというのは歴史が証明しているところでもある。
だからインサイダーに近い欧米の機関投資家であっても思わぬ損をすることがあるのだろう。

その後の20年余り、金(gold)の価格は低迷し、代わって上昇したのが米国株だった。
吉田氏は1990年代、米国が不換紙幣(fiat money=金と交換できない紙幣)を増刷したにもかかわらず、金(gold)の価格が低迷した理由をこう言っている。

  • スイスの銀行が、低迷する金を投資のポートフォリオからはずしたこと。
  • 世界中から米国株への投資が行われたこと。
  • 各国中央銀行は、米国の呼びかけに応じ、金を放出したこと。
  • 若い世代は、金はもう古いとして、株を買ったこと。
  • 1980年代に、金産出に技術革新が起こり、世界の宝飾需要を十分にまかなえるようになったこと。

    また、ソ連の崩壊によって、東欧と中国を含む旧共産圏の安価な労働力が、欧米諸国へ流れ込んだために、これらの国々では景気拡大期でも物価上昇は抑えられ、アメリカではニューエコノミー(生産性の上昇によって、米国経済はインフレなき長期景気拡大が実現したとする考え方)なる経済理論が台頭し、従来型の景気循環はなくなったと言われた。
    そのような意味不明なこじ付けの経済理論が出たとき、ナスダック(NASDAQ)のITバブルが弾け、911やエンロン事件を経て、米国株が下落の一途を辿ったのは記憶に新しいところだろう。

    さらに吉田氏は言う。
    米国が金ドルの交換を停止した1971年以降、世界の中央銀行は、政府信用を裏付けにしたペーパー・マネーの発行機関に転じたが、本当のところは、米国が、1トロイオンスがUS$35で交換されるゴールドの流失を恐れ、金ドル交換停止を発動した。
    流出を恐れる理由は、金に価値があることを、FRBが知っているからで、金に価値がないなら、米国からの流出を恐れる必要はないはずである。
    しかし、世界が、ペーパー・マネーのドルより金に価値があるとすれば、ドルが暴落し、金が上がり、これは、ペーパー・マネーやドル証券を海外に売る米国にとって困る。
    従って金の価値を下落させるように仕向けなければならない、というのが国策であった。

    この金に価値があることをFRBが知っているとの象徴的な議会証言が、前FRB議長であるアラン・グリーンスパン(Alan Greenspan)の1999年5月の下院銀行委員会(House Committee on Banking)(現在は下院金融委員会)の発言である。
    彼は言う。
    "Gold still represents the ultimate form of payment in the world. Gold is always accepted and is perceived to be an element of stability in the currency and the ultimate value of a currency.(金は未だに世界中で究極の支払い手段とされている。金は常に受け取られるし、貨幣の根本的な価値と不変の要素を認められている)"

    また、1998年10月21日号のNewsweek Japanにはこんな記事も掲載されていた。

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    金への投資はちょっと待て by リチャード・ヴェルナー(Richard A. Werner)

    金融システムへの不安が広がるなか、再び金に注目が集まっている。
    だが金を取り巻く市場の状況は以前と同じではない。

    中央銀行の「商品」である紙幣の代わりになる金は、いわば競争相手だ。
    しかも紙幣なら、供給量や価値、配分まで自分たちで直接コントロールできるが、金には彼らの支配は及ばない。
    そうなると、中央銀行が競争相手である金の人気を下げるあらゆる手段を講じたとしても、なんの不思議もない。
    その手段の1つは、金が安定した財産であるという人々の信頼を損なうことだが、これは金の価格を下落させれば可能になる。
    そして、これこそが中央銀行の狙いなのだ。
    いま金に投資するのは危険だ。
    だが、金を投資の対象からはずすべきだというのには、もっと身近な理由もある。
    世界的規模の金融崩壊というシナリオの前提には、日本経済の破滅があるが、そんなことはまず起きない。
    日本銀行が通貨供給量を増やしているおかげで、日本経済は来年には回復するだろう。
    円相場も上昇し、崩壊の危機は薄れつつある。
    安定した資産を求めるなら、日本の不動産を購入したほうがいい。
    株より安全な自分の土地の上にいれば、まくらを高くして眠れるだろうから。

    著者はプロフィット・リサーチ・センター(Profit Research Center)のチーフエコノミスト
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    それでは、どうやって金(gold)の価格を下落させたかというと、吉田氏は「金リース」という制度が大きな役割を担ったと言う。
    この制度は、中央銀行が金利1%~2%という低利でゴールドを金融機関にリースするもので、欧米の金融機関は、中央銀行から借りた金に、1%から2%の金利を払い、この金を金鉱山にリース料3%~4%を上乗せし売って利ざやを稼ぐものだという。。
    金鉱山は、自分が産出できないときも金を売るため、この3%~4%の金利を払って金を買い、そして、後の生産でリースを返却する。
    金融機関はこの「金キャリートレード」で安定した利ざや(濡れ手に粟)を得ることになる。
    他方、市場には中央銀行から借りた金が溢れて流通したため、金価格は20年間も下げ続けたという。
    そして、その政策を市場で実行したのが米政界と密接な関係にあったバリック・ゴールド社(Barrick Gold: ABX)で、金の先物売りを主導したという。
    1999年当時も現在も年間の産金量は2,500トンだが、金リースと金証券を売買する先物市場によって、金市場での1日の売買高は、1日で1,000トンに増えた。
    現物市場だけにしておくなら、1980年のように金は高騰したと吉田氏は推測している。
    そして、この長期弱気相場の転換点が、1999年の各国中央銀行の金リース量を制限するワシントン合意(CBGA, Central Bank Gold Agreement)で、これにより、金の流通量が減り、1トロイオンスでUS$275に下落していた金はUS$330に上がったという。

    さらに、吉田氏は2002年から金(gold)と原油が歩調を合わせるかのように急騰した原因を次のように述べている。
    原油価格高騰の原因は世間一般に

  • 中国、インド、そして新興国の経済成長で、資源・ エネルギー・穀物の需要が増えている。
  • 中東の地政学的不安。
  • ファンドや年金基金が商品先物を投機買いしている。

    しかし、世界のエネルギー需要は年率1.5%増と安定的で、世間一般で言われているほど急激に増えないと吉田氏は言う。
    事実、International Energy Agency - Oil Market ReportのWorld Balances Chartsを見ても、ここ2年の原油価格急騰の要因が実需(demand)面では見られないという彼の論は正しいように思える。(吉田氏が引用しているBritish PetroleumのデータはStatistical Review of World EnergyのHistorical data (Excel)のOil Consumption - barrelsを年換算したもの)

    それでは何が原因かと言えば、米国の商品市場での原油先物への投機であり、原油先物が投資のポートフォリオで金融商品になったからだと彼は言う。
    結局のところ、上げた原因はドルの過剰流動性であり、つまり、実質経済に対するドルの通貨価値の下落があって、それがファンドの投機になった。

    金の価格上昇も同じような理由だと吉田氏は言う。

  • 米国は財政赤字、経常収支の赤字を続ける。
  • 米国の純債務は、どんどん増える。(=ドル増刷)
  • ゴールドは、年間500トンの慢性的な供給不足である。
  • 不換紙幣の増刷でインフレが進む。
  • 中東問題は容易には解決されない。

    増刷される米ドルと米ドル証券の実質価値の下落が、インフレを生み、金価格を上げる。
    また、吉田氏は、1980年代以降の20年間で金を市場に供給し続けた中央銀行のストックが空洞化しているとすれば、それを買い集めた者が誰であれ、市場への供給を絞ることによって、金価格の高騰を狙うことができると論じている。

    また、彼はロスチャイルド家が出資したバンク・リップス(Bank Lips AG)を創設したフェルディナント・リップス(Ferdinand Lips)が2001年に『Gold Wars(邦訳:いまなぜ金復活なのか』を書いた目的は、金を買う人を世界に増やすためであると述べており、こういう見方をすると、2005年1月21日に設定された金ETFであるIAU (iShares COMEX Gold Trust)もそれに一役買っていることになろうか。
    この金ETFのことについては、池水雄一氏が2000年の方向転換と現在に至る強気ゴールド相場というコラムでも述べているので、参考にするといいだろう。
    ちなみに、吉田氏は、金価格が一時的に下がることがあっても、それはファンドや金融機関が証券の損で翌週の資金繰りに困っていると認識しておけばいいと言う。
    金は換金が容易だからだ。

    最後に、吉田氏の「国益のための提言」を紹介して終わりにしたい。
    「私は、救国のために、言いかえれば高齢化に向かう国民の虎の子の金融資産を、将来の福祉費用に活かすため、(3倍に高騰した今からでもいいから)100兆円分だけでも、順次、ゴールドを買えばいいと考えている。しかし政府・政治家・官僚は、それは絶対できないと言う。理由は、『米国が日本政府の金の増加保有を禁じている』からだと言う。実に情けないことだ。円が、100円~125円のスプレッド(幅)で、米ドルにリンクするという政府間密約があるように、ゴールドも禁じられていると見ていい。」

    「政府と財務省は、今、思考停止状態である。しかしまだ方策はある。米ドル基軸に終止符を打つことだ。日本の方策は、620兆円の対外総債権(証券)を、順次、アラブやロシアに売ることだ。それで、米ドルの代わりにゴールドの証券を買えばいい。日本政府のゴールド保有は、米政府の8,134トン(時価で27兆円)の10分の1以下の765トン(時価で2.6兆円)と少なすぎる。こうした『戦略的なこと』を政策化していもいいはずだし、今の円高が、資源価格高騰で貧困になる日本を救うことになる。実際、2000年には、ユーロの成立とともに、ユーロ諸国はそれまで買っていた米国の証券や株を売ったのだ。ユーロが2000年以降、米ドルに対して行ったことと全く同じことを、今度は日本が行えばいい。」

    この円高が日本を救うという下りは、私も昨年の10月26日に「円高、原油安は日本にとってグッドニュースではないのか」というコラムを書いた。
    その点では私の意見は吉田氏とほぼ同じであると言えようか。
    しかし、吉田氏の提言が政府内で生かされることはあるまい。
    それほどまでに経済音痴ばかりが主要閣僚になっているような気がするし、まるで、不適材不適所という日本政府の有様は、日本が自立できないように外国情報機関が裏にいるかのような無様さだ。

    ここまで書いてきて、正直に言って、原油や金(gold)を始めとする資源の分野は私にとって本を読み解くだけで精一杯であった。
    年末年始休暇の暇つぶしと思って読み始めてみたものの何度も読み返さないと、何が書いてあるのか理解するのにすいぶんと時間がかかった。。
    しかし、それだけの甲斐はあったように思う。
    海外投資家の一人として、この分野の理解なしに突き進むことはできないからだ。
    2009年が始まったばかりで、世界市場はまたもやきな臭い動きをし始めたが、吉田繁治氏の「ゴールドと通貨の本質」を読み終えて、彼の有料メルマガ『ビジネス知識源プレミアム』も、購読してみようかな、と感じた。

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    2005.11.22

    日経新聞は誰のためのメディアか?

    私が今読んでいる台湾人作家の黄文雄氏の「中国の日本潰しが始まった」という本の中でこういう一節がある。

    日経新聞も、こともあろうに中国ではウソしか書かないことで有名な中国共産党機関紙「人民日報」と姉妹提携を結んでからは、中国の経済発展を大いに強調し、対中国投資を奨励する大宣伝を行なうなど、手放しでの中国賛美、中国の代弁姿勢が鮮明になっているから、もはやクオリティペーパーとしての資格は失われたと言ってよい。

    親中反日新聞の代表たる朝日新聞はおろか、日経までが中国賛美のメディアに成り下がっていたということは、私が知らなかっただけなのかというと、そうでもないようだ。
    硬派のブログなどを見ても朝日新聞は右派系の投稿者の攻撃の対象となっていても、日経のことを悪し様に言っている人はほとんどいない。
    おそらく日経の場合は政治的な分野では朝日ほど中国礼賛色を出してないのと、ビジネスマンの間では一応クオリティペーパーとして見られていることから巧妙に立ち回っているだけなのだろう。

    事実、黄氏は、2003年10月29日に起きた中国・西北大学の日本人留学生の寸劇事件にからめて、単なる若者の悪ふざけを、決して褒められる行為ではなかったにしろ、バカにされたとして激高し、大暴動まで起こした中国人の異常ぶり、それを政治問題にした中国政府の非常識さを全く非難しようともせず、朝日新聞はもとより、日経新聞までが「事件は日中関係や両国の国際イメージを損ない、双方が傷ついた。事件の教訓をお互いが冷静、真剣に反省する必要がある」とまで書いたことから、なぜ留学生も「反省」しなければならないのか、中国に「反日」が発生すれば、すぐ自国民に「反省」」を訴えるのは、日本のメディアの卑しい条件反射でしかない、と苦言を呈している。

    また、日本のメディアは現地(中国)へ記者を派遣して独自に裏を取ろうとせず、デマ社会のデマ情報を鵜呑みにして報道をしていると手厳しい。

    こちらが中国礼賛の記事の代表とすれば、一方、2005年9月3日号の週刊現代は、「クオリティペーパーの罪」として日経のことを取り上げ、高杉良氏と大塚将司氏の対談の形を取り、

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    (高杉) ある通産省の高官(当時)が、「日経新聞は言った通り書いてくれる。あんないい加減な新聞はないよ」って言ったのを聞いたことがあります。日経は情報を検証しないんですか?

    (大塚) 出世する記者は、業界紙を写すのがうまい人なんですよ。なぜかというとデスクや部長は業界紙を読んでない。まじめな人は業界紙に出ている記事を独自ダネの大ニュースとして申告するのは恥ずかしい。要領のいいのがやるんです。業界紙を見て記事を書けば楽なわけですよ。広報あたりに中身を確認して記事を少し書き換えればいわけですから。今だってあると思いますよ。

    (高杉) 日経新聞の罪は竹中平蔵を評価して売り出したことです。なぜ竹中氏があれだけの異常なパワーをつけたのか不思議に思うのだが、その責任の一端は日経にあります。小泉首相が経済オンチということもあって、経済政策のほとんどを竹中氏に丸投げしてしまったのだが、その結果、日本の資産がハゲタカファンドにいいように買い漁られてしまったんです。私は小泉内閣は戦後最悪の内閣だと思うのです。それは、アメリカの言いなりになって、弱者を切り捨てたからです。これは本当に罪深いことだと思います。そして、そのお先棒を担いだ日経の犯した罪は10年後に検証したときに、必ず明確になるでしょう。
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    このことから何が言えるか?
    ビジネスマンが愛読している日経新聞は実は、単なる米中及びその代理人の広報紙、あるいはメッセンジャーとしての機能しかないと言えないか。
    まだ日本経済が健全だった頃、作家の佐高信氏が日経は「財界の広報紙」と呼んでいたが、まだ当時の方が「日本経済界」のメッセンジャーであっただけマシだったのではないか。
    私はあの新聞は株式投資のための単なる企業の決算広告紙としか利用してないが、その程度の方が理にかなった使い方と言えるかもしれない。

    2005年10月28日の読売新聞は、15、16日の世論調査結果として、中高年層は「本離れ」が激しく、調査対象期間の1ヶ月のうちで読書を全く読まなかった理由として、48.6%の人が「時間がなかった」と書いている。
    要するに、多くの日本の中高年世代、特にサラリーマンは意図せざるして本も読むことができないような多忙な環境に追いやられ、通勤時に読む新聞からは受動的な偏った知識だけを詰め込まれ、それを斟酌することも疑問を持つこともできなくなっているのではないか。

    その中でクオリティペーパーとしての価値を全く失った日経の罪は重い。
    数ある政治経済関係の掲示板やブログの中で、私は呆れるようなコメントをいくつも発見することがある。

    「小泉首相のおかげで景気が底を打った。彼の構造改革の成果が出ているんだ。そのことがわからないのか?」

    これは主に高杉氏のようなコメントに対して見られる反論だが、まるで経団連のステートメントみたいな気分を感じる。
    しかも言っている主はいっぱしの「勝ち組」気取りで、悔しければお前も入ってみろ、と言わんばかりだ。
    でも実のところ、成績が5段階評価で2の人間が1にされた人間をバカにしているほどでしかない。
    要は弱者がさらなる弱みを見せる弱者を叩いているのだ。
    これこそ、今の社会風潮となっているもので、政治が悪いなどと決して言わせないための戦略なのだ。
    日経新聞は見事にそのお先棒を担いでいる。

    先ほどのコメントに関してだが、私に言わせれば、バブル経済の頃から「従業員にまともな残業代を払い、休暇が取れるような人員構成にしたら利益が上がらない」などとほざいた日本の企業の収益構造がおかしかったのだ。
    佐高氏は「日経は間違ってもそんなことは書かないから財界の広報紙なのだ」と切り捨てていたが、小泉内閣誕生以来、大企業は現場の従業員に過労死・過労自殺・欝になるほどの過重労働をさせ、下請け企業には生死の境目を漂わせ、女性は切り捨て御免の派遣化、これで利益が上がらなければ経営陣はバカである。
    決して企業利益の増大や株価の上昇は、新聞が報じるような、小泉首相が自画自賛する結果などではないのだ。
    そのことは2005年10月24日号の日経ビジネス「社員が壊れる-最高益に巣食う 現代版『モダン・タイムス』」という特集によく書かれている。
    そんなことも本も雑誌も読まない人にはわからないだろう。
    朝刊しかまともな活字を見ない人にとって、新聞が真のクオリティペーパーであるか否かは、国民の民度にも影響する。
    そういった意味でも日経新聞が単なるメッセンジャーとなっている罪は重い。

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