2017.02.10

クラウド会計ソフトFreeeで初めての青色申告をやってみた

去る12月3日の「個人事業主のための会計研修終了」で触れたように、昨年から私は公的には「個人事業主」ということになっている。
おまけに「所得税の青色申告承認申請書」を税務署に提出したので、嫌でもきちんとした税務申告書類を作らないといけなくなった。
開業当初は大して活動しないし、経費の仕訳もそれほど大掛かりにしなくていいだろうと、高をくくっていたので、神奈川県青色申告会連合会の会計研修の度に「記帳は毎日してますか」などとアンケートで聞かれても、どこか他人事だと思っていた。
ところが、どっこい、昨年の12月になって、重い腰を上げて申告の準備に取り掛かって唖然、何しろ年初に事業用として定めた銀行預金とクレジットカードを他所に、経費で落とせそうな費用を様々なクレジットカードで引き落としてしまったために、それらをまとめないといけないことに気付いた。
当然のことながら、手作業で明細を見ながら入力なんてことはやってられないので、金融機関の利用明細を自動で取り込めて、領収書などを隙間時間に入力できるiPhoneアプリがある会計ソフトを探したところ、クラウド会計ソフトFreeeというのが目に留まった。

実のところ、この会計ソフトは「トイアンナのぐだぐだ-フリーライターとして初めての青色申告で『freee』を使ったら全作業が3時間で終わった(2016年3月2日)」というコラムを見たときから注目していたのだが、青色申告会で推奨してソフトが「ブルーリターンA」ということもあって、どちらにしようか迷っていたのだが、やはり、自動でいろいろできるということが魅力的だった。(SMBC信託銀行が未だにシティバンクで登録されているが・・・)
しかしながら、金融機関の利用明細を自動で取り込めるのは一般的に過去2~3か月分だけで、残りは手入力しなければならなかったのだ。
昨年12月にそれをやり始めた私は、何と半年分以上を手入力しないといけないハメになった。
幸いにして、資産管理・家計簿ソフトのMoney Foward(古くはMicrosoft Money)を入れているのと並行して、金融機関の利用明細をPDFでダウンロードしていたので、それをコピー&ペーストすれば良かった。
ただ、それでも相当に面倒だったので、自作のエクセル(CSV)ファイルを読み込めないか確認したところ、 freeeヘルプセンターに「手動でfreeeに取り込む明細を用意する」というのがあり、このテンプレート(類似の自作のフォーマットでも可)に数値を入れていけば大丈夫なことがわかった。

これらのおかげで、確定申告期真っ只中に予定している海外旅行(2017年1月29日-マレーシア航空「平成29年初売り」セール中、今年の春はビジネスクラスでタイへ)に間に合うかどうかの危機にあったのが、何と1月中に申告資料の準備がすべて終わってしまったのだ。
そうなれば、トイアンナさんがコラムで書いているように数時間あれば終わる作業だから、確定申告が終わるのは時間の問題だった。
昨年までと違うのは、Freeeからエクスポートできる青色決算書と確定申告書Bデータの拡張子が「申告・申請書データファイル(*.xtx)」なので、e-TaxのWindows版をダウンロードして、それに組み込む必要があった。(確定申告書などの加除訂正が必要なければFreeeからe-Tax WEB版で直接送信できる。
それでも、つい先日、確定申告書と青色決算書の送信が終り、これで心置きなく遊びに行くことができるので、やれやれといったところか。

ちなみに、昨年12月に下取りに出したWindows Vista機(2016年12月17日-Windows VISTA機、ソフマップで下取り価格3千円なり)で使っていた、e-Tax黎明期にもらったCDロムは無論のこと、当時購入したICカードリーダー(日立M-520U)もWindows 10のパソコンでは使えないので、すべて刷新しないといけなかった。(今回買ったICカードリーダーはSONY RC-S380だ。)
私が2004年5月30日に「電子政府は誰のため?」というコラムを書いた当時は、e-Taxを使う人は酔狂以外の何物でもなかったが、システムが年々改良されてだいぶ使い勝手の良いものになっている。
個人向け行政サービスで一番進化を遂げているのが国税庁のe-Taxというのはさすがとしか言いようがないが、マイナンバー(社会保障・税番号)を使った一般の行政サービスも、お粗末だった住民基本台帳カードの時代と比べて進化を遂げられるのであろうか。(参考:公的個人認証サービスで利用できるサービスの一覧

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2016.12.29

政府が会社員の副業・兼業の促進へ、一方で副業バレを防ぐためには

最近、私は金融資産への投資以外の収入源を求めて、様々な投資・ビジネス系のセミナーに出席するようにしている。
その中には、12月22日のコラム「豊川稲荷で商売繁盛、金運UPの願掛けを」で書いたように、手掛けているのもあって、それは幸いにも、成功する機運が出始めている。
もちろん、早々に手仕舞ったものもあり、実際にやってみなければわからないものが多い。
私はセミリタイア状態にあるのでおおらかな気持ちで新しい分野に臨めるが、自分が勤めている会社の先行きに不安があったり、立身出世の目途が立たなかったり、あるいは、待遇が著しく悪いブラック系の企業だったりした場合は、早急に転退職を考えた方がいい場合も多い。
それに、今の時代は、大企業と言えども会社員の一生を保障することなどできないのだから、自分の身は自分で守るという気持ちが芽生えて当然である。

そこで障害になるのが、多くの企業の就業規則にある兼業・副業規制条項、これがあるばかりに自分の可能性にチャレンジできないジレンマを抱える人は数多いと思う。
政府は会社員の副業・兼業を促進するつもりでいるが、企業側は重い腰をようやく上げ始めたという感じが否めない。
私は、2012年9月2日付のコラムで「中高年公務員の処遇を議論するより副業規制を緩和せよ」と書いているし、2016年8月21日付のコラム「65歳での奴隷解放宣言、金持ち父さんが嫌いな霞が関官僚のメンタリティ」では、不動産投資の成功者に対して、公務員と言えども不祥事の当事者みたいなことを言われる筋合いはないと書いているので、副業や兼業に関しては基本的に解禁論者である。
理由は、被雇用者の将来を誰も保障できないからだ。
しかしながら、現実は副業が法律で規制されている公務員(国家公務員法第103条、地方公務員法第38条)はもちろんのこと、企業の多くは未だに社員の副業に関して厳しい目を向けるところが多い。

法令上の観点から言えば、公務員であっても副収入源が給与所得や事業所得を得るものでなければ大丈夫であることが多いのだが、やはり副収入の存在を勤務先に知られたくないという気持ちは大いにあるだろう。
世間ではマイナンバーが副業(副収入)バレに繋がるといった誤った情報が流布されているが、副業(副収入)バレの最たるリスクは、毎年5月に勤務先を通じて配布される住民税(地方税)の特別徴収税額通知書である。
また、支払調書の存在を甘く見たがために、副収入を未申告のまま放置して、後で追徴課税を食らうパターンでも副業(副収入)バレする可能性がある。
これらのリスクを避けるためには、指定期限内(概ね3月15日まで)に副収入分を含めて確定申告をすることと、住民税に関する事項について、自分で納付(普通徴収)を選択することだ。
ただ、節税対策と称して事業所得を赤字申告すると、給与天引きされるはずの住民税が目立って減ることがあり、それによって、副業(副収入)バレするので、注意した方がいいだろう。
概ね、これで大丈夫なはずだが、念を入れるなら、4月中旬ごろに自分の住んでいる自治体へ電話して、住民税の請求が確定申告書に記載した通りに給与所得分以外は普通徴収で来るか確認するといいだろう。(参考:2016年6月5日 副業アフィリエイターの税金戦略-副業がバレないように「普通徴収(自分で納付)」を選んでも無意味な場合まとめ

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正社員の副業後押し 政府指針、働き方改革で容認に転換 (2016.12.26 日経新聞)

政府は「働き方改革」として正社員の副業や兼業を後押しする。
企業が就業規則を定める際に参考にする厚生労働省の「モデル就業規則」から副業・兼業禁止規定を年度内にもなくし「原則禁止」から「原則容認」に転換する。
複数の企業に勤める場合の社会保険料や残業代などの指針もつくる。
働く人の収入を増やし、新たな技能の習得も促す。

安倍晋三首相は副業や兼業について「普及は極めて重要だ」との認識を示している。
少子高齢化による労働力不足を補い、職業能力の向上で成長産業への雇用の流動化も促すためだ。
政府の働き方改革実現会議は年度末にまとめる実行計画に普及の方針を盛り込む。

中小企業庁の委託調査によると副業の希望者は370万人に達する。
IT(情報技術)関連企業では「会社の資産を毀損しない限り報告も不要」(サイボウズ)にし柔軟な働き方を認めている。
自家用車で人を運んで対価を得るライドシェアの米ウーバーテクノロジーズや民泊のようなシェア経済も副業が支える。

副業・兼業の拡大は大きく3段階で進める。
まず厚労省が「モデル就業規則」を年度内にも改定する。
現行規則では、許可なく兼業・副業をした場合は懲戒処分の対象として罰してきた。

新たに改定する規則では、原則的に副業や兼業を認める規定を盛り込む。
「同業他社に企業秘密が漏洩する恐れがある」「長時間労働につながる」など例外的に副業が認められないケースも併記し、企業や社員が判断しやすいようにする。
モデル就業規則は企業への強制力はないが、中小企業ではそのまま転用する例も多いため、波及効果に期待している。

第2段階として、社会保険料負担のあり方などを示した政府指針(ガイドライン)を来年度以降につくる方向だ。
現行の労働法制では、複数の企業で働いた場合「社会保険料や残業代をどの企業が支払うか」「労働災害の原因はどの企業か」の基準がなく、副業・兼業解禁をためらう企業も多いためだ。

第3段階では人材育成のあり方を改革し、来年まとめる成長戦略に明記する。
正社員の実践的な人材育成に特化した大学のコースを新設する。
失業率の低下を踏まえ、厚労省の職業訓練も失業対策から実践的な訓練に重点を置く。
2030年に約79万人の労働力不足が予想されるIT分野では望ましい技術目標を定めて、訓練水準を高める。
今後、正社員の兼業になお慎重な産業界との調整や、過重労働への歯止め策などが課題となる。

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兼業・副業、「積極推進」15% 東商調査「やむなく容認」16% (2016.12.13 日経新聞)

東京商工会議所は13日、中小企業の兼業・副業に関する実態調査をまとめた。
調査対象となった702社のうち、「積極的に推進」が15%、「やむを得ず容認」が16%だった。
「将来的に容認」も25%あった。本業での賃金水準が低く、社員の兼業要望を受け入れざるを得ないケースが多いという。
企業はおおむね人材育成や社外の人脈づくりにつながると好意的だ。
だが、賃上げを要望された場合の余力が乏しく、副業を容認して離職を防いでいる面もある。

「現在も将来も認めない」としたのは43%。長時間労働を助長したり、他社に人材を引き抜かれたり、中小企業への経営に影響があるとの見方は少なくない。
政府の働き方改革実現会議は多様な働き方として兼業・副業の推進を検討している。
東商は労働時間を正確に計る仕組みや社会保険料の負担のあり方といった課題を解決したうえで推進すべきだとする。

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副業・兼業、拡大へ指針 政府、企業に容認促す (2016.10.23 朝日新聞)

政府は、会社員が副業・兼業をしやすくするための指針づくりに乗り出す。
会社勤めを続けながら、勤め先に縛られない自由な発想で新しい事業を起こしたい人を支援し、経済の活性化につなげるのが狙い。
24日に開く「働き方改革実現会議」(議長・安倍晋三首相)の会合で、副業・兼業の環境整備を進める方針を打ち出す予定だ。

日本では社員の副業・兼業を就業規則で禁止・制限する企業が圧倒的に多い。
「働き方改革」を掲げ、柔軟な働き方への移行を目指す政府内には、一つの企業に定年まで勤める終身雇用を背景に「大企業が優秀な人材を抱え込みすぎだ」との見方が強い。
就業規則を見直すときに必要な仕組みなどを盛り込んだガイドライン(指針)を策定し、企業の意識改革を促す。
副業・兼業を容認するよう法律で企業に義務づけるのは難しいため、容認に伴って起きる問題への対応策などをまとめた手引をつくることで、労務管理の見直しを支援することにした。

ロート製薬(大阪市)が今年から、国内の正社員を対象に他の会社やNPOなどで働くことを認める「社外チャレンジワーク制度」を始めるなど、副業・兼業を積極的に認める大手企業も出てきた。
ロートでは、正社員約1500人のうち100人程度から兼業の申し出があったという。
こうした先行事例を参考に、副業・兼業のメリットを指針で示すことも検討する。

欧米の企業では、兼業を認められた社員が起こした新規事業が大きく成長するケースが目立つ。
起業に失敗しても、兼業なら職を失うこともない。
これに対し、中小企業庁が2014年度に国内の約4500社を対象に実施した委託調査によると、副業・兼業を認めている企業は14.7%にとどまった。
本業がおろそかになることや、過労で健康を損なうことへの懸念が大きいうえに、会社への強い帰属意識を求める企業文化も背景にある。
副業・兼業の容認が長時間労働を助長しかねないとの懸念もあることから、複数の企業で兼業する社員の働き過ぎを防ぐ時間管理のルールも示す方針だ。(千葉卓朗)

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関連サイト

首相官邸-働き方改革実現会議
中小企業庁-兼業・副業を通じた創業・新事業創出に関する研究会

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2016.12.04

日本でも休眠預金が10年でお国のものへ

去る12月2日、議員立法で提出されていた「民間公益活動を促進するための休眠預金等に係る資金の活用に関する法律案(休眠預金活用法案)」が参議院で可決、成立した。
休眠口座とは、最終の出入金や振込などがあってから10年を経過したものになるのだが、読売新聞の記事にもあるように、預金額が少なくて忘れたまま口座を放置したり、死亡した人の財産を相続した人が預金の存在を知らなかったりする場合にそうなることが多いのは事実だろう。
ただ、法律の規定では、休眠口座になる1年前に、預金者(死亡者名義でも)宛に金融機関からお知らせが来る規定になっている。
おそらく、それは書類で来ることが想定されるので、例えば、亡くなった人がインターネット専業銀行に口座を持っていて、遺族がそれをわからなかったとしても、後になって判明することが期待できる。

ところが、預金額(法律では預金の債権)が1万円未満の場合や、預金者の住所が不明の場合は通知がされないことになっている。
預金者の住所が不明というのは、結婚して姓が変わった後で転居したり、被相続人と同居していた人が全員転居した場合にそうなる可能性が高いと思う。
将来的には、マイナンバーと銀行口座はリンクするので「個人情報の保護に関する法律及び行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律の一部を改正する法律(平成27年9月9日 法律第65号)の附則第12条(検討)第4項」、住所はそれで判明するのではないかと考える人は多いだろうが、これについては検討課題になっているだけだし、民間利用が認められるかどうかもわからない。

ちなみに、法律の規定には、施行後も預金者が休眠預金の存在に気づいて請求すれば、金融機関は預金の払い戻しを行うとあるが、そもそも遺族などがその存在に気づかないから休眠預金になるケースが多いのだろう。

休眠預金の請求権が最終的にいつで切れるかの規定がないので、結局は現行のままという見方ができなくはないが、とりあえず、休眠預金が預金保険機構へ移管されることで、社会貢献活動にお金を使えるほか、金融機関の事務負担を軽減するためには役立つと言えるだろう。
自戒を込めて書くが、自分の資産が亡くなった後で休眠化するのを防ぐには、2016年11月9日付の日経新聞の記事「デジタル遺品、賢く対処」にあるように、生前からインターネットで取引している金融機関の所在やログインID、パスワードなどを書いたものを信頼できる家族にわかるようにしておくことが必要かもしれない。
ついでながら、日経新聞のインタビューを受けた日本セキュリティ・マネジメント学会理事の萩原栄幸氏の著書「『デジタル遺品』が危ない」も合わせて読むといいだろう。

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休眠預金活用法が成立・・・年1000億円 半分を社会貢献活動に (2016.12.2 読売新聞)

金融機関の口座に預けたまま10年以上お金の出し入れがない「休眠預金」を民間の公益活動に使う休眠預金活用法が2日、参院本会議で賛成多数で可決、成立した。
全国の銀行や信用金庫などで毎年発生する計1000億円程度の休眠預金のうち半分の500億円程度を使って、社会貢献活動を担う非営利組織(NPO)などに融資や助成をする。
休眠預金は、国などが出資する預金保険機構にいったん移し、新設する「指定活用団体」がNPOなどへの配分方法を定める。
夜に家族と一緒に食事ができない子ども向けの食堂の運営や、豪雪地帯での高齢者世帯の雪下ろしなど、行政では行き届かない地域の実情にあった活動への支援を想定している。
2018年半ばまでに施行され、2019年にも実際の活用が始まる。
施行後も預金者が休眠預金の存在に気づいて請求すれば、金融機関は預金の払い戻しを行う。
法案は、自民、民進、公明などの超党派議運が今年5月、通常国会に提出していた。
預金額が少なくて忘れたまま口座を放置したり、死亡した人の財産を相続した人が預金の存在を知らなかったりする場合に休眠口座になることが多い。

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2016.11.23

2016年のふるさと納税第二弾は佐賀牛と静岡茶

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今年のふるさと納税第二弾は、佐賀県小城市から「贅沢特盛!「佐賀牛」切落とし(700g)(JA佐賀肉牛農場証明書)」と、静岡県牧之原市から「静岡茶農家仕込み『荒茶づくり』たっぷり1㎏セット」の二点をもらうことにした。
私にとってはもはや年中行事の一環なのだが、2013年にこれを始めた頃に比べて格段に発送が早くなったような気がする。
山陰旅行(廃止目前の三江線に乗る山陰の旅)から帰京した後の11月7日に申し込んだので、正月に間に合えばいいかなと鷹揚に構えていたら、先週末には二つとも届いて結構驚いたものだ。

実際のところ、自治体ごとに温度差があるようだが、専用のポータルサイトを作ったり、専門の部署を設置したりして、民間会社で言えば営業本部のようにやっているところも多い。
特産品のブランドが付いているところは別として、これによって税収に格差が生じるのであれば、いくら役所といえども真剣にやらざるを得ないのだろう。
いろいろな功罪が指摘されているふるさと納税だが、やれば成果に結びつくことを公務員が実感できるのであれば、それは紛れもなく、この制度のおかげと言えるだろう。
ところで、ふるさと納税のお礼品を定期的に送ってくれる自治体があるのをご存じだろうか。
ふるさとチョイスのサイトには「お礼品定期便」をやってくれる自治体の特集ページがある。
高額納税者の方は一つ検討してみてはいかがだろうか。

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2016.08.31

公的マネーが上場企業を席巻、真の民間企業が消えゆく日本市場

20160828_nikkei_veritas

2016年4月25日、ブルームバーグは「ETF爆買いの果て、日銀が日経平均企業9割で実質大株主-試算」(英文記事:The Tokyo Whale Is Quietly Buying Up Huge Stakes in Japan Inc.)という記事を配信し、それを受けた日刊ゲンダイが、翌日付で「黒田バズーカ4あるか 日銀追加緩和で進む企業の“国有化”」を掲載した。
これらの事実を日銀が織り込んだのかどうかわからないが、4月27日、28日に行われた日銀の金融政策決定会合では追加緩和は行わない(現状維持)ということになり、緩和期待で上昇を続けていた日経平均株価は暴落した。

それから3ヵ月後の7月28日、29日に行われた日銀の金融政策決定会合で、日銀のETF(Exchange Traded Funds=上場投資信託)買入れ額を年間約3.3兆円から約6兆円へと、ほぼ倍増させることが決定された。
日銀総裁に黒田東彦氏が就任してからこれが4回目の金融緩和策となるのだが、1か月経過した段階で、日経新聞がその弊害について記事を掲載している。
例えば、今週発売された日経ヴェリタス(2016年8月28日~9月3日号)には「2017年度末には日経平均銘柄4割で日銀が筆頭株主へ(PDF)」という特集がされているし、日経新聞本体でも8月29日付で「4社に1社、公的マネーが筆頭株主 東証1部」、ロイターも「日本株、独歩高のカラクリ 特殊な需給要因」という記事を掲載した。(参考:2016年8月29日 Econo Great-公的マネー(日銀・GPIF)の資金が流入している銘柄を知るには?

今の日本市場は、日経ヴェリタスの記事の冒頭にあるように、日銀が買うか買わないか当てっこをする相場になっていると言い、一方で、ロイターは、「公的年金や日銀などの買いが大きな存在感を示すようなマーケットに、海外の長期投資家などの良質なマネーは入ってこない。ファンダメンタルズで株価が評価できなくなるからだ。8月29日の東証1部売買代金は1.8兆円。日経平均が一時400円高したにもかかわらず、盛り上がりに欠けるボリュームだった。日銀が7月29日にETF購入枠を6兆円に倍増した後、売買代金は低下傾向にあり、目安とされる2兆円を割り込む日が多くなっている。」と締めくくっている。

仮に、このペースで公的資金が日本市場に入り続ければ、数年後には、主だった企業の筆頭株主は国ということになりかねない。
極論すれば、日本市場は名実ともに中国市場のようになるのである。
それに、国が無条件にETF構成銘柄を買い支えることによって、問題のある企業に関して、市場からの退出圧力が働きにくくなる恐れも大きい。
また、将来的に、このような歪な状態を解消せざるを得ないときが来るとき、株価の暴落リスクはどのように抑えるのであろうか。
まさに、普通の投資家は手を出しにくくなりつつある日本市場、やはり海外投資を主にすべきなのか、私は自問自答し始めている。

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2016.08.23

スワローあかぎ号のサービス(任意座席予約制)をJR全線に広げることはできないのか

Takasaki_station02

私は、8月2日から7日まで参加した「地球が遊び場~感動の長岡花火と夏の佐渡島スペシャル企画+水上ラフティング&SLみなかみ号」と銘打った旅路の最終区間である高崎から上野までの間、私はあえて特急「あかぎ号」に乗ってみることにした。
単なる鉄ちゃんの趣味と言われれば、それまでなのだが、この列車は平日は特急「スワローあかぎ号」として運転されている。
何が違うかと言えば、平日運転の特急「スワローあかぎ号」の場合は、各座席の背中の部分に書かれている、スワローサービスと名付けられた、グリーン車を除いて、座席指定を受けなくても車内の空席に座れる「座席未指定券」が発売されていることだ

通勤時間帯の快適さを保証するなら、単純に「ホームライナー」のような定員制の快速列車にすればいいと思うが、特急「スワローあかぎ号」の「座席未指定券」は、満席の場合でも発売され、その場合は、原則としてデッキ等を利用し、車内に空席があれば座ることができるというものだ。
逆に言えば、指定席券を持っていても、その座席に「座席未指定券」を持った人が座っている場合があり、そういったときは着席している人に声掛けをして譲ってもらうことになる。
これは私が西欧で鉄道旅行していたときに体験した任意予約制の列車と同じシステムで、予約客がいない区間は他の乗客が座ることができる極めて合理的なシステムだ。(参考:地球の歩き方-ヨーロッパの列車予約 レイルヨーロッパ-座席/寝台指定券について

ところで、表題に「スワローあかぎ号のサービス(任意座席予約制)をJR全線に広げることはできないのか」と書いたのには理由がある。
昨年の7月に行った「青春18きっぷの旅」で御多分に漏れず、夜行快速の「ムーンライト信州81号」に乗ったときのことだが、車掌のアナウンスでは指定券完売のはずが、深夜の停車駅である大月(1時27分)を過ぎても、7割程度しか席が埋まっていなかった。
この幽霊乗客現象について、フリーライターの杉山淳一氏は、「満席のはずが乗客なし! 今日も“幽霊”が列車に乗っている(2013年8月9日)」というコラムを書いている。
彼は、「特急の場合は乗らないチケットはキャンセルしなければ損をする、逆に普通列車の指定席はキャンセルすると、手間をかけるだけ時間を損する。これで、発券上は満席、実際は空席だらけの普通列車が走り出す。」と書いているが、これが実際のところだろうか。
つまり、乗りたくても乗れない人が大勢いるが、JRの予約端末上は満席にもかかわらず、実際は空席だらけの列車が走っているということだ。
そもそも、青春18きっぷ利用者御用達と言われている夜行列車は、元を辿れば各車両の床に雑魚寝している人さえいた列車なのだ。
従って、これらの列車に特急「スワローあかぎ号」のサービスを導入すれば、幽霊が列車に乗っていると酷評された空席問題は解消するだろう。

前段では「青春18きっぷ利用者御用達」の夜行列車を取り上げたが、実のところ、新幹線でも同様の問題は起こり得る。
私がびっくりしたのは、西欧諸国や台湾などでは普通に行われていることが、日本では弁護士ドットコム(銘柄コード:6027)の話題にまでなっていることだ。
帰省ラッシュで混み合う新幹線の「空いてる指定席」 自由席の客が座ったらダメ?(2015年8月13日)」というコラムで、「ある大学教授が、空いている指定席に座っていたところ、車掌から自由席に移るように求められ、『来られたら移動ではダメですか』と抵抗したエピソードがツイッターで話題になった。逆に、ネットの掲示板では、自分が予約した指定席に座ろうとしたところ、自由席の乗客に占拠されていて、トラブルになった事例が多く書き込まれている。空いてるからといって、勝手に指定席を占拠しても問題ないのだろうか。」と書かれている。
ここまで来ると、日本人はこれほどまでに融通が利かないのか、と言いたくなるレベルだ。
西欧諸国では、こういったものがシステマティックに行われていて、Excuse meとSorryだけで済むことが、なぜ日本ではこんな大事になるのか。
クールビズのように、逐一、お上が決めないとダメなのか。(参考:2005年7月18日-クールビズに見る日本の病理現象
そういえば、欧州でも大事になったことが一度だけある。
2001年9月のイタリア・マルタ旅行でパドバ(Padua)からミラノ(Milan Centaral)へ向かうトレニタリア(Trenitalia)の列車内で、悪態をつきまくっていた黒人と、正規の指定券を持った白人一家のバトルのときだ。
弁護士ドットコムのコラムを読んで、私は15年前の苦い記憶が蘇えってしまった。

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2016.08.21

65歳での奴隷解放宣言、金持ち父さんが嫌いな霞が関官僚のメンタリティ

早期リタイアへのファイナルステップ(final step for early retirement)」、私が約2年前(2014年11月16日)に書いた早期リタイアへの決意表明だ。
なぜ、そうしたか。
最大の理由は、自分の体力と気力があるうちに自由時間を楽しみたいということだ。
日本の労働環境は、今や幻想と言うべき安定(終身雇用)を得るために、休暇も満足に取らずに40年以上の奴隷的拘束に耐えるか、自由を得るために経済的利益を半永久的に捨てるかの二者択一でしかない。
中年の域に差しかかったサラリーマンが、心身ともに疲れ果てた様相で職場にいるのを見て、生きている幸せを全く感じられないのは私だけではないだろう。

これが私の書いたコラムの内容の一部であるが、そのように考えている人は世の中には数多くいると思うし、安定を標ぼうする公務員でさえ例外ではない。
私が今月の2日から5日まで参加した「地球が遊び場~感動の長岡花火と夏の佐渡島スペシャル企画」(独自に私は「水上ラフティング&SLみなかみ号」の企画を追加した)の参加者の一人である中園健士さんは、ご自身のコラム「人を変えようとしない(2016年8月6日)」でこう書いている。
「今あなたの上司があなたの限りなく近い未来予想図です。そうなりたいですか??なりたくないなら自分を変えるしかない。」
私は同じようなことを自由人の師匠である小長井さんからも言われたことがある。
おそらく、人生のラットレースを抜け出し、自由人への道を歩み始めた成功者たちは、みんな口を揃えて同じことを言うだろう。

ところが、そうは考えないのが霞が関のお役人たちだ。
彼らの基本的にメンタリティは、今日のコラムの表題にもあるように「65歳での奴隷解放宣言、金持ち父さんが嫌いな霞が関官僚のメンタリティ」だ。
簡単に言えば、余計なことを考えずに老齢年金受給開始年齢(65歳)まで組織の元で働きなさいということだ。
日本の学校教育もそのような組織に忠実なサラリーマンを大量生産する教育が未だに続いているし、2004年当時、ニューズウィークに寄稿していたピーター・タスカ(Peter Tasker)氏が霞が関官僚のメンタリティについて、日本の景気回復を望まない人々(2004年3月31日)と、経済に毒針を刺す官僚というサソリ(2004年11月17日)というコラムを掲載していて、これらは、まさに的を得た記事と言えるだろう。

ところで、霞が関のお役人が「金持ち父さんが嫌い」というのは、佐賀新聞に掲載されていた「賃貸収入7000万円の消防士、兼業で懲戒 佐賀広域局の消防副士長(2016年1月20日)」、「他に6人が賃貸収入 消防士7千万円兼業問題 1500万円超も 佐賀広域消防局(2016年2月18日)」、「賃貸収入7千万円の消防士、改善命令従わず(2016年8月10日)」で如実に現れている。
公務員が兼職規制の下にあるとはいえ、不動産投資というものが、「(副士長以外の)6人は、物件の転売をしたり、物件購入を繰り返したりしていないことを理由に副士長の事案より悪質性は低いとみて、懲戒処分は見送る方針。」などと、違法行為のような言われ方をする筋合いのものなのだろうか。
悪質性というのは、妻を代表者とするペーパー会社を設立した元国税職員のようなケースが出て初めて言うものではないのか。(2009年10月31日 朝日新聞-国税職員、無届けで賃貸マンション60室を経営 大阪
そして、「佐賀消防署予防指導係の男性副士長(44)が約7千万円の賃貸収入を得ていた問題で、佐賀広域消防局が6カ月以内に賃貸収入を人事院規則に沿って減らすよう指示した改善命令に、副士長が従っていないことが9日、分かった。佐賀広域消防局は追加の懲戒処分を検討している。」
こんなことを言われて、未だに役所組織にしがみついている消防副士長も想像を絶するレベルだが、命令する上司も常軌を逸している。
もっとも、いくら減給(懲戒処分)などされても、年間7千万円の収入を生む資産を500万円に減らせなどという命令を聞くバカはいないので、どこで綱引きをやめるかの問題になっていることだろう。

私は、2012年9月2日付のコラムで「中高年公務員の処遇を議論するより副業規制を緩和せよ」と書いているが、今や、公務員といえども投資で成功して資産を築く人も出るわけだから、そういった人たちを不祥事の当事者のように扱うのでなく、組織として生かす方向で考えるべきだと思う。
作家の平野啓一郎氏も、「会社員や公務員の兼業規制を緩和し、出来るだけ、個人の収入源を複数化すべきだ。それによって、辞職やリストラが収入ゼロに直結するというリスクを回避することが出来、組織への隷属を免れられる。」(2014年4月7日-西日本新聞 ローンと事なかれ主義)と述べている。
弁護士ドットコム(銘柄コード:6027)では「あいつぐ公務員のバイト問題-『公務員の副業』はなぜダメなのか?(2013年6月25日)」という問題提起がされているが、もはや、組織にしがみついて老齢年金受給開始年齢(65歳)まで全うしようなどと考える公務員ばかりになると、国民にとってお荷物になりかねないのだから、そういう発想はやめるべきだろう。

こういった記事は「仕方ないわね~これだから~」などと斜に構えている感じで見る人も多いだろうが、霞が関のお役人が「65歳での奴隷解放宣言、金持ち父さんが嫌いな霞が関官僚のメンタリティ」というものをいつまでも持っていると、それが酷税と揶揄される税制面にそのまま跳ね返るのだ。
従って、公務員も副業規制がありがちな上場企業のサラリーマンも「適切な形で副業をやってどんどん稼ぎなさい。そのノウハウを本業でも生かしなさい。」と発想が変わらない限り、日本経済が真の意味で蘇えることはないかもしれない。
今年の2月のタイ・シンガポール旅行の途上、飲み会をしたシンガポール在住のエグゼクティブ(友人)がこう言った。
「想像以上に内地の日本人の脱出が相次いでいるようだけど、将来の日本は大丈夫なのか。」
私は言った。「大丈夫じゃないだろ。そもそもこれが私が海外投資を始めた理由の一つだし、早期退職の理由の一つでもあるのだから。」

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2016.08.20

安倍首相と岸田外相、稲田防衛相は尖閣諸島を守る気があるのか

リオデジャネイロ・オリンピックで日本の選手がメダルラッシュとなって国中が沸き返っているが、沖縄の尖閣諸島(Senkaku Islands/釣魚臺列嶼)では日本の領土喪失の危機が迫っている。
8月5日以降、多数の中国漁船が中国公船(中国政府に所属する船舶)とともに、尖閣諸島海域で日本の領海への侵入を繰り返し、示威行動を続けているからだ。(海上保安庁-尖閣諸島周辺海域における中国公船及び中国漁船の活動状況について 外務省-我が国尖閣諸島周辺海域における中国公船の確認等 Ministry of Foreign Affairs of Japan - Confirmation of Chinese government vessels in Japan’s maritime areas surrounding the Senkaku Islands
また、この中国漁船に乗り込んでいたのは訓練を受けた多数の海上民兵のようで、これに対峙していたのは主として国土交通省の外局である海上保安庁だ。(2016年8月17日 産経新聞-「海の人民戦争だ」中国漁船に乗り込んだ海上民兵の実態とは 100人超動員、日本への憎しみ教育受ける
ちなみに、こういったことを日本のメディアはほとんど報じないので国民はほとんど危機感を持っていないし、翁長沖縄県知事や、地元の沖縄メディアは中国共産党のスパイではないかという巷の噂が事実かのように、日米両国政府に対するのと全く違って、中国政府に対して抗議や批判すらしない。

おそらく、中国側は8月3日発足の第3次安倍第2次改造内閣によって就任した稲田防衛相のお手並み拝見という意図もあったのだろう。
安倍首相は、尖閣諸島周辺での中国公船航行問題で「毅然とした対応」を指示(2016年8月8日 産経新聞)とあるが、どこまで稲田防衛相や自衛隊のトップに具体的な指示をしたのだろうか。
彼女は、「わが国固有の領土、領海、領空を断固として守り抜く。(2016年8月8日 産経新聞)」と記者会見での威勢は良かったのだが、具体的には「海上保安庁に情報提供するなど連携して対応している。」では拍子抜けではなかろうか。
せめて、自衛隊法第82条(海上における警備行動)の規定によって、海上自衛隊の艦船を出動させ、中国を威嚇するくらいの意気込みを見せるべきだったと思う。
おまけに、防衛省のウェブサイトでは今回の尖閣諸島海域での中国船舶による示威行動のことがまるで掲載されておらず、本気で国土を防衛する気があるのかと言いたい。

一方、外交の方はどうかというと、岸田外相を始めとして外務省幹部が中国政府に対し、連日抗議をしているが、相手方の態度は馬耳東風である。
何度抗議しようが、彼らは懲りずに領海侵入を繰り返すので、実力行使を伴うならともかく、もはや口先の抗議など無意味であろう。
第一、オランダのハーグ(Den Haag)にある常設仲裁裁判所(Permanent Court of Arbitration)において、中国が南シナ海の広い範囲に独自に設定した「九段線(Nine-Dash Line)」には「法的根拠はない(China has no legal basis to claim historic rights to the bulk of the South China Sea.)」と認定するフィリピン勝訴の裁定結果が出たが(PCA Press Release - The South China Sea Arbitration 2016年7月12日 産経新聞-中国の南シナ海支配認めず 仲裁裁判所「法的根拠なし」と初判断 CNN on July 12, 2016 - South China Sea: Court rules in favor of Philippines over China)、中国は裁定に従うつもりはないと一蹴したほどの国(2016年7月13日 ロイター-南シナ海の仲裁判断を中国は拒否、大使「争い激化させる」 The Guardian on 12 July 2016 - Beijing rejects tribunal's ruling in South China Sea case)、その政府を相手にするのに話し合いでケリがつくわけがない。
少なくとも、日本を愛するアメリカ人、ケント・ギルバート(Kent Sidney Gilbert)氏が、2016年8月14日付のブログで主張するように、「中国船集結は軍事行動に等しい」という認識を安倍首相や稲田防衛相、岸田外相以下、外務省幹部は持つべきだ。

国防に関しては最も真剣に対峙していると思われている安倍内閣でさえ、中国に対して何をびくついているのかわからないが、インドネシアのスシ・プジアストゥティ海洋・水産相(Indonesian Fisheries Minister Susi Pudjiastuti)のように、領海侵犯した中国漁船を片っ端から拿捕して処罰したらどうなのだろうか。(2016年6月2日 産経新聞-インドネシアの刺青大臣 南シナ海で中国監視船を撃退 駆逐艦で警告発砲も BBC on 20 June 2016 - Indonesian navy fires on Chinese fishing boat in disputed waters
また、2016年8月11日付の北野幸伯氏のコラム「中国が尖閣に上陸した場合、安倍政権が最もやってはいけないこと」に、有事に対処するためには、「領土を守るという国民的コンセンサスと、それを実現するためのメカニズム、つまり、首相が電話をとって自衛隊に尖閣奪回を指示できる仕組みの両方が必要になる。」と書かれているが、今回の安倍内閣の姿勢からは、私がそれを感じ取ることはできなかった。
これらの際、自衛官や海上保安官の行動を束縛しそうなものが、武器の使用に関する規定(自衛隊法第93条、海上保安庁法第20条=いずれも警察官職務執行法第7条を準用)で、相手が武力攻撃するか否かわからないときに制圧する手段が限定されることが命取りになってくることだろう。
この警察官職務執行法第7条(武器の使用)の行き過ぎた弊害が最も顕著に出た事件が、私が書いた2007年5月20日付のコラム「あほ~な奴らがキチガイをのさばらす」に掲載したものだ。
私は、有事に対処するための法案が国会に出されたとき、少なくとも第189回常会で成立した安全保障関連法の一つである平和安全法制整備法(我が国及び国際社会の平和及び安全の確保に資するための自衛隊法等の一部を改正する法律)で、こういった平時の武器使用規定は是正されているものと思っていただけに驚きを通り越して呆れている。
いずれにせよ、鈴木傾城氏が2016年8月10日付のコラムで書いているように、このまま日本が我慢や配慮ばかりしていると叩きのめされることになるだろう。

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2016.07.25

義父母の介護者などに朗報、相続法制の改正試案にパブリックコメントを出そう

2016年の夏は政治の季節なのか、去る10日に行われた参議院議員選挙のほかにも、東京都民の方は31日に都知事選挙もあり、いろいろと考えさせられる年となっている。
ところで、大型選挙の陰でひっそりと目立たないように報道されているが、私たちに大きな影響のある相続関連の法改正が実施されようとしている。
とりわけ私たち中高年世代は、親が年齢的に鬼籍に入る方もいて、相続という二文字が頭の中にちらつく年代でもある。
また、親世代が要介護状態にある場合、彼らの面倒を見るのが女性であることが多く、実の親の場合はともかく、配偶者側(義理)の親の場合、その貢献が相続の際には金銭的に評価されないといった法的不備が是正される予定になっている。
そして、この法制審議会の民法(相続関係)部会の出した試案については、「民法(相続関係)等の改正に関する中間試案」に関する意見募集として、今年の9月末までパブリックコメントを募集している。
参考までに、遺産相続の手続きの簡素化に関するパブリックコメントは現時点で募集がされていないが、日経新聞の記事によれば、年内実施とのことなので、近々実施されることだろう。

ちなみに、このパブリックコメントについては、出しても無駄ではないかという意見もあるが、2013年2月11日付の「紺色の人」のコラム「出すのはムダなの!?『コピペでパブリックコメント』の問題点」や、2013年2月18日付のohira-y氏のコラム「パブリックコメントは形式的に行われるだけなのか?」にも書かれているように、あながち無駄とは言えないようだ。
実際のところ、2013年2月27日付の「電子申告(e-Tax)による所得税の確定申告終了」で紹介したように、きちんとした意見を政府機関に出せば、実施されるかどうかは別として回答を得ることもできるので、パブリックコメントも一度くらいは国民の権利として出してみてもいいと思う。
自分にとって直接関係する法案が出されることなどあまりないので、コメントするしないは別にして改正試案の内容を見ると勉強になるだろう。
慣れないことで頭が痛くなる人も多いだろうが、たまには違う脳みそを使ってみようではないか。

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配偶者の遺産相続拡大 「義父母の介護」などに金銭的考慮 法制審が中間試案 (2016.6.21 産経新聞)

法制審議会(法相の諮問機関)の民法(相続関係)部会は21日、配偶者の遺産相続を拡大するなどの民法改正について中間試案をまとめた。
遺産分割について、婚姻後に一定期間が経過した場合に配偶者の法定相続分を増やすなどの案が盛り込まれた。
法務省は今後、パブリックコメント(意見公募)を実施した上で、平成29年中に改正法案の国会提出を目指す。

相続に関する規定の見直しは平成27年2月、当時の上川陽子法相が法制審に諮問。
高齢化社会の進行で相続をめぐるトラブルの増加が予想されることから、国民の意識や実情に即して相続法制を見直す必要があると判断していた。
配偶者相続に関する民法改正は、昭和55年に3分の1から2分の1に引き上げられて以来、行われていない。

試案ではまず、婚姻期間が長く、財産形成に配偶者の貢献が大きいと考えられる場合は、配偶者の相続分を増やす見直しが盛り込まれた。
現行法では婚姻期間の長短にかかわらず、法定相続分は一定だ。
試案には、相続財産が婚姻後に一定割合以上増加した場合、配偶者の相続分を増やす。
婚姻後一定期間(20年または30年)が経過した場合、法定相続分を増やす-など複数案が記された。

また、相続人以外の人が介護などで献身的な貢献をした場合、相続人に金銭の請求ができる案も盛り込まれた。
現状では、例えば長男の妻が義父母の介護をしても妻は義父母の財産を相続する権利はない。
こうした場合、妻が相続人である長男らに対して金銭の請求ができるようにする。
金額が協議で決まらない場合は家庭裁判所が決める。
妻の請求金額については、各相続人が法定相続分に応じて責任を負うものとしている。
ただ、この見直し案では死去した人に関わる全ての人の「貢献」を考慮しなければならず、請求が“乱発”される恐れもあり、相続の紛争が複雑・長期化するとの指摘もある。

また、試案では、相続による権利の変動で、配偶者がこれまで住んでいた建物から即時退去を迫られるケースに対応する方策も記された。
配偶者の居住権保護の観点から、遺産分割終了時まで(例えば6カ月)住み続けることができる「短期居住権」の設定や、終身・一定期間などの「長期居住権」を設け、遺産分割時に選択肢の一つとすることなどが盛り込まれた。

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遺産相続の手続き簡素化 法務省、戸籍情報を証明書1通に (2016.7.6 日経新聞)

法務省は5日、遺産相続の手続きを簡素化するため、相続人全員の氏名や本籍地などの戸籍関係の情報が記載された証明書を来春から発行すると発表した。
これまでは不動産や預金などを相続する場合、地方の法務局や銀行にそれぞれ全員分の戸籍関連の書類を提出しなくてはならなかった。
今後は必要書類を一度集めて法務局に提出すれば、証明書1通で済む。

法務省は年内にパブリックコメント(意見公募)を実施した上で、今年度中に不動産登記規則を改正し、2017年度の運用開始を目指す。
新たに導入する簡素化に向けた制度では、相続が発生した場合、まず相続人の一人が全員分の本籍や住所、生年月日などを記載した申請書類をつくり、相続人全員分の戸籍と亡くなった人の戸籍をそろえて法務局に提出する。
この書類をもとに法務局が証明書をつくる。書類を精査し、内容を確認すれば、公的な証明書として保管する。
相続人には証明書の「写し」が交付される。
証明書は別の法務局でも使えるため、地方の不動産などを相続する場合、負担軽減につながる。

法務省は各金融機関でも相続申請時に証明書を活用できるよう調整する。
預貯金などの遺産も相続人は金融機関ごとに大量の書類を用意する必要があるうえ、金融機関側でも審査に多大な手間がかかっている。
書類の確認作業を一度にして、証明書を様々な所で使えるようにすれば、相続人と金融機関の双方の利便性が高まるとみている。

相続時に価値の小さい山林などの不動産相続が放置される事例は多く、社会問題になった例もある。
東日本大震災時には住宅地の高台移転事業の際、既に死亡した人の名義のままで現在の所有者が分からない土地が多くあり、自治体の用地買収が難航し、復興工事の遅れにつながった。
法務省は煩雑な相続手続きがこうした問題の一因だとみて対策を検討していた。

相続のあり方の見直しを巡っては、今回の見直しとは別に法制審議会(法相の諮問機関)の民法部会が6月に中間試案をまとめた。
結婚期間が長期にわたる場合に配偶者の法定相続分を2分の1から3分の2に引き上げることなどが柱で、様々な論点で見直しの検討が進んでいる。

▼遺産相続

不動産を遺産相続する場合、死亡した人と相続する人の双方を確定するために書類の準備が必要だ。
被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本がいるほか、転籍や婚姻をしている場合は除籍謄本も必要になる。
相続人全員の戸籍謄本や住民票、遺産分割協議で相続した場合は遺産分割協議書や印鑑証明書もそろえなければならない。
現行制度では複数の地域での不動産相続や金融機関の預貯金の相続を申請するたびに書類一式が必要だ。
法務省が来春始める新制度では最初に申請する法務局で証明書をもらえば、次の場所ではその証明書のみで申請できる。
現行では書類に不備があると再提出が求められ、手続きの遅れにつながる。
複数の金融機関の遺産を相続する際には、1人の被相続人について各金融機関が別々に確認作業に追われ、無駄な労力を費やしているとの指摘もある。

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2016.07.12

参議院議員選挙で自民党圧勝、日本市場も爆上げ回復か

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去る7月10日に行われた参議院議員選挙で政権与党が圧勝し、自民党公明党おおさか維新の会日本のこころを大切にする党などの改憲勢力が、国会発議の要件となる3分の2(非改選と合わせて162議席)に必要な74議席以上を確保した。(2016年7月11日 産経新聞-改憲勢力3分の2超 発議可能に 自公で改選過半数超 自民1人区は21勝11敗 現職2閣僚落選 近く内閣改造へ
これは、本日付の産経新聞の黒沢編集委員のコラムにあるとおり、「改憲勢力3分の2」は日本国民の危機意識の表れであるとも言えるだろう。
そして、今年と来年は、日本国憲法の改正論議を俎上に上げる絶好の機会であり、安倍首相がこの機会を逃せば、今までのように、国防政策に関する不毛な国会論戦が延々と続くことになるだろう。

奇しくも、同じ日の紙面で、「中国の南シナ海支配認めず 仲裁裁判所『法的根拠なし』と初判断」(英文記事:CNN - South China Sea: Court rules in favor of Philippines over China)とあるように、日本近海で中国のきな臭い軍事行動が露わになっている状況では、国防を軽視というか侮辱するような野党の主張が国民に支持されないのは当然なのだ。
実際のところ、自民党の憲法改正案や、安倍政権の内政が気に入らないということで、野党第1党の民進党(旧民主党)候補に投票しようと思っても、政権を握っていた当時の無能、多数の売国議員が跳梁跋扈していることに加え、共産党の藤野保史政策委員長の「防衛費は人殺し予算」発言(2016年7月5日 JB Press-防衛費は「人殺し予算」、出るべくして出た藤野発言)に見られるような亡国政党と組むようでは凋落傾向に歯止めがかからなくても致し方ないだろう。
まさに、私が「健全な野党がないのが日本の最大の政治的欠陥(2014年12月20日)」と書いたときから日本の政治状況はまるで変っていないことが良くわかる。
民主主義国家として実に嘆かわしいと言わざるを得ない。

ところで、今回の参議院議員選挙における与党の圧勝を受けて、日本の株式市場は急回復の様相を見せている。
去る7月8日のコラムで「黄昏のアベノミクス相場、放ったらかし投資家にお勧めな日経平均ベアETF(1580)」と書いたときがボトムで、そこから今までの凋落ぶりがウソのような急騰を演じている。
日経平均株価は、7月8日の終値(15,106.98円)に比べて、わずか2日間で988.67円の上昇、現時点の日経平均先物の上げっぷりを見る限り、明日にはBrexit(英国のEU離脱)ショックを完全に払しょくできそうな勢いだ。
本日の午後5時に配信されたトレーダーズ・ウェブの記事「出遅れ修正は進む、三段上げで下げトレンド脱出なるか」では「日経平均は11日の上昇(601円高)で前の週の弱い動きを払しょくし、きょうの上昇で25日線を上に抜けた。ホップ、ステップときて、13週線(16231円)や26週線(16381円)を上回る大きなジャンプが見られれば、いよいよ下げトレンド脱出の期待も高まるのだが、さていかに。」と書かれていた。
果たして、今までとは違った力強い上昇を演じることができるか、それとも私が予想しているように、8月になった途端に「ナ・ダ・レ(雪崩)」が起きるのか。
この先1か月ほどが、今年の日本市場の正念場と言えるだろうか。

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