2016.08.27

成田空港に初の24時間飲食店

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2016年7月4日の日経新聞に掲載された記事の一つに、成田空港で初めて24時間営業の牛丼店((吉野家:銘柄コード 9861))がオープンするというものがあった。
成田空港で営業する吉野家の店舗で、24時間営業するのは、一般エリア内にある第2ターミナル本館2階の店舗、出国審査後の制限エリアにある第2ターミナル・サテライト3階の店舗は8時から21時までだ。
上の写真は、2013年11月に越境会が主催した「アゼルバイジャン・カスピ海経済視察ツアー」に参加したときのもので、ドーハ(Doha)行きのカタール航空(Qatar Airways)の搭乗前に、私や石田さんが「21時を過ぎると成田空港の店は全部閉ってしまうんだ!」と嘆いて撮ったものだが、どうやら、それは変わらないみたいだ。

一方、変わるのは一般エリアの方で、24時間営業店舗の主な利用者層は、成田空港第2ターミナルに隣接しているナインアワーズ成田空港(カプセルホテル)の宿泊者や、空港内のソファなどで一夜を過ごした人とある。
実際のところ、現時点で成田空港内で寝泊まりしている人たちが、旅行前に多少でもまともな食事を求める理由はわかるような気がするし、LCC(Low Cost Carrier=格安航空)の発着時間帯が悪いというデメリットは、安価に旅ができるというメリットと対をなすものゆえ、吉野家の24時間営業店舗にお客が集中する傾向はしばらく続くだろう。
一方、私の場合は、早朝便で出発するときは空港付近のホテルに前泊するときがあるが、たいていの場合、羽田発のときは蒲田駅付近、成田発のときは成田駅付近と決めている。
10年以上前に一度だけ職場の福利厚生施設として登録があった成田エクセルホテル東急に前泊したことがあるが、周辺にレストランや居酒屋などが全くなく、部屋代がリーズナブルであっても、かえって高くつくことがわかってから成田U-シティホテルを定宿にし始めたのだ。

ところで、私は前出のナインアワーズ成田空港(カプセルホテル)の宿泊費を見て、私は成田駅前のビジネスホテルに泊まるよりも高くつきそうだと思ったのだが、いかがだろうか。
おそらく、早朝の送迎バスに乗っても間に合わない人で、宿泊費をさらに節約したいと思う人たちが、空港寝泊まりという手段を取るのだろうが、2014年10月4日の「東京発早朝LCC利用のハブになり得る大江戸温泉物語」で紹介した下川裕治氏のような苦行をしなければならないなら、もっと違う手段を取りたいと思う。
もっとも、ほかに選択肢がないということであれば、私もやむなくそうすることもあるが、いずれにせよ、節約派のバックパッカーなどにとっては今回の記事は朗報に違いないだろう。

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成田空港に24時間牛丼店 飲食店では初、6日オープン (2016.7.4 日経新聞)

成田空港に7月6日、初の24時間営業の飲食店となる牛丼店がオープンする。
24時間運用ではない空港で飲食店が終日営業するのは珍しいという。
格安航空会社(LCC)の深夜・早朝便利用者らが空港内で一夜を過ごすケースが常態化したため、利用者の要望に応えた。
成田空港の利用時間は午前6時~午後11時で、一般の航空会社の運航は午後10時ごろまでに終了する。
飲食店や店舗の営業は午前7時ごろ~午後8時ごろまでが多く、終日営業しているのは、同空港を拠点とするLCCが相次いで就航した2012年以降に24時間化されたコンビニエンスストアだけだ。
一方で、現在では空港内のソファなどで一夜を過ごす人が1日200人程度おり、カプセルホテル(129室)も満室が珍しくない状態。
こうした人たちから「コンビニの食料以外で温かいものが食べたい」と要望が上がっていた。

関連記事:Aviation Wire(2016年6月24日)-成田空港に吉野家 24時間営業、7月開店

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2016.07.04

日本人も英国の対テロマニュアルを熟読すべきときがやってきた

去る7月1日、バングラデシュの首都ダッカで武装集団が飲食店を襲撃し、イタリア人9人、日本人7人を含めた人質20人が殺害されるという痛ましい事件が起きた。(2016年7月2日 産経新聞-日本人7人の死亡確認 13人救出、IS系が犯行声明
今回のテロ事件では、主に仕事で渡航している人が犠牲になったようだが、最近では世界各地でテロ事件が発生し、一見すると安全と思われる国や地域で、一般の海外旅行者が巻き込まれることも多くなってきた。(2016年6月29日 CNN Japan-イスタンブール空港で爆弾テロ、死者36人 ISIS関与か)(2016年3月23日 CNN Japan-ベルギー連続テロ 死傷者260人、ISISが犯行声明
従って、外務省の海外安全ホームページで「レベル2:不要不急の渡航は止めてください。」以上の国だけをチェックすれば良いとは言えなくなってきた。
強いて言えば、大勢の外国人が集まるような場所をできるだけ避けることだろうが、最近の傾向として空港が狙われるので、そればかりは避けようがない。
それでは海外旅行自体を止めるか?
しかしながら、過激派組織「イラク・シリア・イスラム国(ISIS=Islamic State of Iraq and Syria)」のような国際テロ組織が完全に殲滅されることはないため、今だけ海外旅行を中断すれば済むという問題ではないし、それではテロに屈して人生の楽しみをやめることにもなりかねない。

それを避けるためには、最低限の自衛と情報収集だけは怠らないようにしなければならない。
そういったときに役に立ちそうなのが、外務省海外旅行登録「たびレジ」だ。
このことは2015年11月20日付のコラム「外務省海外旅行登録『たびレジ』」でも紹介したが、今年の夏休みや9月の連休に海外旅行される方は是非とも使ってみるといいだろう。
気休めにしかならないとは言え、ニュースなどをリアルタイムでチェックするような人を除けば、渡航先に関する注意喚起メールが来るだけでもいいのではないだろうか。
それと、昨年11月のパリ同時多発テロのときに掲載されたCNN Japanの「まず『逃げろ』、テロが起きたらすべきこと 英ガイドブック(2015年11月24日)」も参考になるだろうか。
この記事は、英国の国家テロ対策警備室(Nactso/National Counter Terrorism Security Office)が作成したNaCTSO Guidance Note 1/2015の3ページ目の抄訳となっているので、万が一のときにどうすればいいのか読んでおくといいかもしれない。
もっとも、そのようなことにならずに無事に旅行できることが一番なのだが、そろそろ日本政府もこうしたものを準備して欲しいものだ。

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まず「逃げろ」、テロが起きたらすべきこと 英ガイドブック (2015.11.24 CNN Japan)

(CNN) パリで同時多発テロが起こり、各国が対応を迫られるなか、2005年にロンドン同時多発テロが発生した英国では、事件に巻き込まれた際にどのようにすればいいのか、具体的な行動をガイドラインとしてまとめてネット上で公表している。
以下に、内容の一部を紹介する

大急ぎで逃げる(Run)

・もし可能なら、逃げ出す。(Escape if you can.)
・最も安全な選択肢を考える。(Consider the safest options.)
・安全なルートがあるか? あれば走る、なければ隠れる。(Is there a safe route? RUN if not HIDE.)
・さらなる危険に身をさらすことなく、そこまでたどりつけるか?(Can you get there without exposing yourself to greater danger?)
・他の人にも一緒に逃げるよう強く言って聞かせる。(Insist others leave with you.)
・持ち物は置いていく。(Leave belongings behind.)

隠れる(Hide)

・もし逃げられなければ、隠れる。(If you can't RUN, HIDE.)
・襲撃者が見えているということは、逆に彼らから見つけられる可能性もある。(If you can see the attacker, they may be able to see you.)
・頑丈なレンガ造りの壁やしっかりと補強された壁など銃撃を避ける遮蔽(しゃへい)物を見つける。(Find cover from gunfire e.g. substantial brickwork / heavy reinforced walls.)
・出口を確認する。(Be aware of your exits.)
・捕まらないようにする。(Try not to get trapped.)
・静かにする。携帯電話の音を切る。(Be quiet, silence your phone.)
・鍵をかけ、立てこもる。(Lock / barricade yourself in.)
・ドアから離れる。(Move away from the door.)

伝える(Tell)

・警察に電話する:警察に何を伝えればいいのか?(Call the police - What do the police need to know?)
・場所:容疑者はどこにいるのか?(Location - Where are the suspects?)
・移動経路:容疑者を最後に見たのはどこか?(Direction - Where did you last see the suspects?)
・描写:襲撃者の人数、特徴、衣服、武器を説明すること。(Descriptions – Describe the attacker, numbers, features, clothing, weapons etc.)
・さらなる情報提供:被害者、けがの種類、建物の情報、入り口、出口、人質の有無。(Further information – Casualties, type of injury, building information, entrances, exits, hostages etc.)
・そして、もし安全に行えるなら、他の人々が建物の中に入ってこないようにする。(Stop other people entering the building if it is safe to do so.)

警察が到着しても、銃を突きつけられ、手荒く扱われ、質問され、襲撃者ではないとの区別がつかない場合もある。
そうした場合は、落ち着いて両手を見えるようにし続け、脅威とみなされるような突然の動きを避け、当局者の指示に従うこと。

英文記事:What to do in a terror attack: 'Don't play dead' (November 20, 2015)

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2015.03.01

日経ヴェリタス2015年2月22日号「個人投資家-七転び八起き」

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嬉しいことに、先週の日曜日(2月22日)に発売された日経ヴェリタス363号(2015年2月22日~2月28日号)の「個人投資家-七転び八起き(PDF)」で私のインタビュー記事が紹介されていた。
これは、1月25日に発売された日経ヴェリタス359号(2015年1月25日~1月31日号)の「海外投資 マスターへの道」という特集で紹介されたことに引き続いて二度目の快挙だ。(2015年1月28日-日経ヴェリタス2015年1月25日号にインタビュー記事が掲載された
前回は匿名での掲載だったが、今回はウェブサイトで使っているニックネーム(ハンドルネーム)での紹介だ。

今回の取材は、先月の香港・フィリピン旅行の帰国直後に「PRONTO渋谷1・2F店」で行われた。
内容は概ね「個人投資家-七転び八起き(PDF)」に掲載されているもので、私の投資遍歴に関することだった。
詳細はメインサイトのエッセイや本編のブログ「今日の一言」でも紹介しているが、弊サイトを相当にご愛顧いただいている方でないと、投資に関することだけでも読み切れるものではないだろうから、前出の「個人投資家-七転び八起き(PDF)」をご覧いただくだけでもいいかと思う。

その中で記事の表題が「分配金重視で投資 早期リタイアへ」とあり、紙面の制約で掲載され切れなかったこともあるので説明を補足しておきたい。
基本的に毎月分配型ファンドのリスクについては、経験のある投資家の方であれば重々承知していることと思う。
もし、わからないということであれば、私のブログ記事の中で一番人気を誇る「500万円の投資で毎月10万円、年率20%の分配金で束の間の宴を楽しもう(2012年4月22日)」をお読みいただきたい。
私も当初、この類のファンドは表題のとおり「束の間の宴」として使うつもりでいたからだ。

それがなぜリタイア後の資産の柱に?
そのすべては「Toward a dream-come-true『経済的自由への扉は開かれた』」の中の「日本の公的年金もすでに日本の毎月分配型投信と同じ運命にある。」以下の一節にある。
それと、将来、公的年金が大多数の国民の老後の生活設計に対して、あまり当てにならない額しか支給されないとしたら(これでも法的・制度的に公的年金制度は破綻していないとされるだろう)、現在マネー雑誌に掲載されている老後に向けた資産形成コラムの大半は意味のないものになる。
前出の「個人投資家-七転び八起き(PDF)」の吹き出しのセリフで「今の時代に安全・安心を追うのは、ばかげている」とは、これらの意味も含まれている。

近い将来、といっても15年か20年ほど先かもしれないが、公的年金が老後の生活設計に対して、あまり当てにならない時代になったとしよう。(2015年2月22日 東洋経済-年金減額!マクロスライドがついに始動
ここで、65歳以降に毎月20万円の生活費が必要と仮定して、そのうち10万円程度しか公的年金でカバーされないとする。
原資を年利4%(外貨建債券など)で運用できたとして、いったいいくらの原資が必要か、資金係数表(Excel)の年金現価係数 (The present value factor for annuity)を使って計算してみるといいと思う。
将来の年金受取年額を120万円(自分年金として月額10万円)、名目年利率4%(実質3.187%)、年数(65歳からの余命)は22年と仮定(平成25年簡易生命表による平均寿命:男性 80.21歳 女性 86.61歳)すると、約1900万円と出る。
これを意外に少ないとみるか、自分たちには準備できないと見るかで資産運用のスタンスも変わってくるだろう。
私は50代前半でリタイアを決めたので、毎月分配型のファンドへの投資を継続することにした。
もし、これを読んだ貴方が、「それでも私は懐疑的だ」と見るなら自分で数字をはじき出して、将来設計を考えるべきだと思う。

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2015.01.28

日経ヴェリタス2015年1月25日号にインタビュー記事が掲載された

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去る25日に発売された日経ヴェリタス359号(2015年1月25日~1月31日号)の「海外投資 マスターへの道」という特集で私のインタビュー記事が紹介された。
一面の「円だけで大丈夫? 動く中銀 重み増すドル資産」という見出しの記事に続いて、二面の初級、そして三面の中級、上級と3ページにわたって特集記事が組まれていた。
主として、初級編はインターネット専業銀行の外貨預金、もしくは低レバレージ(1倍)のFX(外国為替証拠金取引)による資産運用、中級編は米国ETFを活用した投資、上級編が海外不動産投資と、私がお話した海外口座を利用した資産運用のことが掲載されていた。
私のコラムで言えば、初級編は「2013年4月11日-超初心者のための外貨投資入門(2013年版)」、初中級が「今日から新しい人生を歩みたい人のための投資入門講座」、そして、上級編は「HSBC香港の口座開設と活用について」と「米国証券会社(Firstrade, TD Ameritrade)の口座開設と活用について」の二点といった感じだろうか。

日経ヴェリタスの取材は、去る17日、私がちょうど都内で用事(目黒のランチオフ)があったので、それに先立って「サンマルクカフェ目黒西口店」(東証1部:3395)で行われた。
取材記者のH氏曰く、「円安下の資産防衛」をテーマに、海外の株式や債券投資、外貨預金などをやっている個人投資家にインタビューをしているとのことだった。
その中の一人に私が選ばれたのは、光栄なことに、私のブログがヴェリタス編集部の記者の目に留まったことだという。
私はこのようなことは初めてだったし、何を話したらいいのかわからなかったが、これも一つの経験だと思って取材に臨むことにした。
そこで、最初は外貨投資や米国ETFのことを話し始めたのだが、H記者の興味は私の海外口座における資産運用にあったようで、結果的に掲載された内容は海外口座を使った資産運用のことだった。
ちょうど時期を同じくして発売された香港マイタン日記の管理人である笹子善充氏の著書「今すぐ『税金大国日本』から資産を逃しなさい」が売れ行き好調なようなので、海外口座の開設に一段と拍車がかかるような感じであるが、果たして今後の日本経済はどうなることだろうか。

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日経ヴェリタス359号(2015年1月25日〜1月31日号) 「海外投資 マスターへの道 上級編」

海外に資産を移す手段は、もちろん不動産だけではない。
横浜市在住の50歳の男性は「海外に口座を持てば、いざというときの備えになる」と話す。
実際に米国の証券会社や香港の金融機関に口座を持ち、株などの取引にも利用する。

「いざというとき」とは日本経済が大混乱に陥った場合のこと。
ハイパーインフレが起こったり、国が債務不履行を起こしたりすれば、日本の金融機関に預けた資産が無事とは限らない。
預金といえども、外貨は預金保険制度の対象外で、金融機関が破綻すれば保護されない。
そういった非常時に海外口座を持っていれば「資産の受け皿として使える」というわけだ。

もっとも、現地に住んでいない日本人が海外で口座を開けるかは国や金融機関によって異なる。
条件を調べたり、手続きを進めたりするうえでは専門知識や語学力も必要。
ハードルは決して低くないが、自信のある人なら検討してみる価値はあるかもしれない。
海外には預金金利に課税していない国もある。
ただ、海外口座でも日本居住者は日本に納税する義務があり、原則的に確定申告が必要になる。

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2014.06.08

障害者や要介護者であっても旅の楽しみを

先日、福祉関係の友人から一つの記事を紹介された。
日本ではほとんど脚光を浴びていないであろう、障害者や要介護者の旅行に関する記事だった。
私にとってこの記事は新鮮で、こういったことを個人で体系立ててやっている方がいると、初めて知ることができた。
私の親は幸いに元気なので、私も好き勝手に人生をエンジョイすることができているのだが、実際にご両親の介護をされていたり、障害者の面倒を見られている家族は大変な思いをしていると聞く。
気苦労が絶えない日常から一時的であっても解放されたいというのは介助者(家族)の本音であろうが、そういった意味でも、おそどまさこ・トラベルデザイン・オフィスがやっているようなトラベルコーディネートは素晴らしいことだと思う。

また、内閣府が出している平成25年版の高齢社会白書に高齢者の介護の実情が掲載されているが、75歳以上になると、全体の3割程度の人が要支援、要介護の認定を受けているとあり、プチ富裕層(金融資産を1億円以上保有する個人)以上の人(参考:2014年2月8日-産経新聞-日本の”本当のお金持ち” 超富裕層とはどのような人たちか)を中心として、こうした介助旅行の需要というのものはますます増えてくるだろう。
日本はどちらかと言うと、障害者や要介護者が引きこもりにさせられてしまうような雰囲気があるが、NPOジャパン・トラベルボランティア・ネットワークや、UD・FUN旅研究室のような支援の輪が広がり、介助旅行が旅行会社における募集旅行の一つのカテゴリーになれば理想的だと思う。
いずれにせよ、障害者や要介護者に対する事業がビジネスモデルとして確立できることが、ウィン・ウィンの関係をもたらすことになるような気がした。

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日帰り、海外、終末期でも「旅の楽しみを全ての人に」 (2014.5.16 シルバー新報 by おそどまさこ)

空港のロビーで車いすに乗って笑顔で写真に収まっている男性は、脳性小児まひのある60代のAさん。
彼は大好きなヴェートーベンの出生地であるドイツのボンから、人生を閉じたオーストリアのウィーンまで8日間の「ひとり旅」を夢見ていた。
歩くことも、意思の疎通も難しいAさんだが、単独でドイツへ出かけられるだろうか、と。
結果、彼は現地でブレザーや帽子を購入し、ヴェートーベンコンサートにも出かけた。
満足そうな笑顔から、それがどれだけAさんにとって幸せな時間だったかが伝わってくるようだ。

Aさんの車いすひとり旅の実現を支えたのは、おそどまさこさん。
19年前から、高齢者や障害の有無にかかわらず、誰もが参加できる国内外の旅行の企画・同行や、旅行介助者の養成に取り阻んでいるトラベルデザイナーだ。
この旅行には看護師とおそどさんが同行した。

「旅に出ると人との出会いに刺激を受けたり、新たな発想が浮かんでくる。心の底から元気になれる」。
学生の頃から旅に魅了され、雑誌の取材などで世界中を旅してまわったおそどさん。
だが、ある時ふと、日本では障害者や高齢者が旅行を楽しむことが難しい現状に疑問を感じるようになったという。
旅はリハビリであり、誰でも等しく旅する権利があると話す。

「病気や重い障害があっても旅の楽しみを締めて欲しくない」。
国際航空運賃は盲導犬同伴が無料だと知り、1995年2月、日本で初めて盲導犬も連れていく視覚障嘗者にやさしいフランスツアーを企画し、実現させた。
それが旅が難しい人の旅行を実現するトラベルデザイナーとして歩もうと決心した原点だ。

その後、企画・同行した旅行はこれまでに55本、参加者は千人以上に上る。
企画ツアー以外に旅立ち支援も広げようと、2004年5月に東京都庁の認証を受け、NPOジャパン・トラベルボランティア・ネットワーク(東京都多摩市)を立ち上げた。

旅行介助の基本は、旅をいかに楽しんでもらうかが第一だ。
第二はその人ができないことだけをサポートする。
病気や障がいの程度によって、できることとできないことは一人ひとり違う。
自分の力でやり遂げる楽しみを奪ってしまわないよう、事前のヒアリングは念入りに行う。

「Aさんは出発前、ストローとマグカップで飲み物を飲ませてもらっていたが、旅の途中で大好きなビールを飲み、帰国する前にはビールジョッキを自らの手で持ち、ビールを楽しむようになった。旅は不可能を可能にし、チャレンジなのだと気づき、幸せな時間をデザインできた」とおそどさんは振り返る。

今年4月、旅行介助ガイドの東京の地域拠点であるUD・FUN旅研究室もできた。
世界中どこへでも同行可能な、旅に精通し、排泄や入浴などの介助スキルがある旅行介助ガイドとの連携体制は万全だ。
「介護保険では趣味や生きがいのための外出支援がなく、制度で利用できるサービスも・どんどん縮小されている。これでは高齢者が引きこもってしまい、老後は憂鬱」と話す。

2010年からは、旅に精通し、介護技術者を対象に、重度障害者の排泄や入浴などの身体介助ができる「旅行介助ガイド」の養成講座も始めた。
旅に必要な知識を習得したかを問う「旅行介助ガイド検定」も実施し、全国で34名が認定された。
5月24日に3回目の検定が行われる。

旅行介助の同行費用は、旅費のほかに同行介助料として1日8時間あたり1万9千円を負担してもらう。
決して安くはないが、同行介助者の確保に必要な費用だ。
おそどさんのツアーでは毎回、年齢や抱えている障害が違う人が複数参加するため、互いの苦労や工夫を夕食時に話し合ったり、理解が深まるのも特色だ。
また、在宅介護の支援施設主催で日帰り旅行に同行した時、長年、自宅からほとんど出かけたことがなかった高齢女性が近くの桜の花に手をすーっと延ばし、手折った瞬間を目の当たりにし、改めて「誰にとっても外出や旅行は必要」だと強く感じたという。

今後は、人生最後の旅のプロデュースに力を入れたいと言う。
どんなに重度の障害を持っていても、「希望されるなら、人生最後の旅をデザインして地球のどこへでもお連れし、幸せづくりのお手伝いをしたい」と、国内外問わず、個人旅行のデザインから旅行介助ガイドのマッチングも含めて年間10組程度限定で旅のデザイン・コーディネートを受け付けている。
主治医から余命告知された人の旅立ちの依頼にも応じるのは、「日本で一つしかない取り組み」という。

「65年の人生経験を重ね、旅と福祉のキャリアを積んできたので、自分の知識やスキルを生かせるのはこれからかな」と微笑む。
来年は、トラベルデザイナー20年を迎え、戦後70年の世界一周・4ツアーを計画。
第1回は、9月7日から、「チェルノブイリ原子力発電所など歴史の現場を巡る17日間の旅を予定、自律した高齢者や視覚・聴覚障害者などが参加できる。
ツアーの相談などは「おそどまさこ・トラベルデザイン・オフィス」まで。

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2012.10.11

厳戒態勢?実はザルかもしれないアメリカの空港セキュリティチェック

アメリカの空港は911以降、世界で最も厳戒態勢を取っているイメージがある。
事実、空港のセキュリティチェックでは、たいていの場合、ズボンのベルトを外し、靴も脱ぐことを要求されることが多い。
アメリカ国外の空港で、セキュリティチェックの際に、何も言われないうちから、ごく自然にベルトを外し、靴を脱いでいるのはアメリカ人に間違いないと言われるくらい、アメリカ国外でそこまで要求されることはあまりない。
それに加え、ホールドアップの体勢を取らされたまま全身スキャナー(full-body X-ray scanners)によるチェックが行われる。
2010年4月27日付のニューズウイークの記事「GW、空港全身スキャンの心構え」によれば、この全身スキャナーによるチェックは、ほとんどの場合、アメリカ国内の空港か、アメリカへ向かうフライトに搭乗する際に行われると書かれている。

しかし、いくらハイテク機器を導入し、規則を強化しても、最後はスタッフのモチベーション次第だというのが、よくわかるのが今回のCNNの記事だ。
今はどうかわからないが、国際ジャーナリストの田中宇氏は2003年9月14日付のコラム、「911事件と空港セキュリティ」の中で「乗客たちが長蛇の列を堪え忍んでいる一方で、空港を出入りする従業員や業者などに対する安全検査が非常に甘いままだと指摘されている。」と書いている。

私が知る限り、アメリカは管理者側に立つ人は高給で優遇される一方、単純労働のスタッフは低賃金のまま働かされることが多く、それがモチベーションの低下に繋がっていると聞く。
事実、私の数少ない渡航経験でも、ファーストフードや地下鉄の駅構内にいるスタッフのモチベーションは低く、日本はもとより、せめて東南アジアを見習えと言うくらいに酷く、空港職員(公務員)でもそれは変わらないのだろう。
何しろアメリカの下級公務員はフードスタンプ受給者(生活保護)だというメディア記事もあったくらいだ。(2007年3月11日-食事も買えない?ニューヨーク市の下級公務員
こうなると、いくら彼らの賃金が労働に見合った対価とはいえ、過ぎたるは及ばざるが如しと言えるだろう。
表向きは常に厳戒態勢のアメリカの空港、裏へ回れば穴の開いたザルで水をすくうが如きなのだろうか。

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乗客荷物調べず検査済み装った36人解雇、ホノルル国際空港 (2012.10.11 CNN Japan)

ワシントン(CNN) 米国土安全保障省の監査当局は11日までに、ハワイのホノルル国際空港の荷物検査係36人が昨年、一斉に解雇された問題に関連し、中身も調べず検査終了のラベルを貼っていたことが原因だったと報告した。
この問題は内部通報者が逸脱行為の証拠となるビデオ画像を提供すると共に発覚。
同省の報告書は、一部係員の職務怠慢により数千個規模の乗客荷物が調べられることなく旅客機に運ばれ、空の旅の安全性が損なわれたと指摘した。
米空港での荷物検査は通常、同省管轄の運輸保安庁(TSA)が担当する。

ビデオ画像は2010年12月、ホノルル空港の国際線ターミナル内で撮影されていた。
この後、TSAの監査部門が調査を開始し、同年9~12月に数千個規模の荷物が規定の検査から漏れていたと報告。
調査結果を受け、同空港のTSA最高責任者を含む36人を解雇し、10人以上を処罰していた。

また、連邦議会の議員がホノルル空港以外にも同様の問題が存在することを懸念し、国土安全保障省監査当局による調査も要請していた。
同省の監査当局は今回の報告書で、ホノルル空港での不手際は検査係員に問題があったとしながらも、TSAの管理が行き届き、人員の手当てや検査機器が十分で、手順の検証も徹底すれば不祥事は起きなかっただろうなどと指摘した。

英文記事

TSA screeners put inspection notices in bags they didn't inspect (October 9, 2012)
TSA proposes firing Honolulu workers (June 10, 2011)

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2012.08.28

休暇を取れば労働生産性も上がり長生きもできる?

先月の15日、CNNがTake your vacation, or die?(休暇を取るか死ぬか?)という衝撃的な表題の記事を掲載した。
日本語訳は今月の2日、休暇取得で一石三鳥? 心臓発作になる前にとソフトタッチな表題になっているが、記事の要旨は、「休暇を取らない人は、取る人に比べて早死にする危険性もある。(If people skip vacations, there's a chance that they may die younger than those who don't.)」「長時間労働が必ずしも利益の増加や生産性の向上につながるわけではない。(Working more hours does not necessarily translate to a better bottom line or higher productivity.)」と、先進国の中で休暇取得率が低いとされる日本人ビジネスマンには頭の痛いものだ。(2009年5月27日-今年の夏休みはお預け? 2010年8月15日-太平洋戦争の敗戦から65年目に思うこと

この記事では日本のことには全く言及していないが、記事の論旨が正しいとすると、苛酷な労働環境に喘ぐサラリーマンが多ければ多いほど、それだけ早死にする人も多くなり、年金財政が助かるという穿った見方もできる。
日本政府はそれを狙っているのか、と思えるくらいにデフレ不況が続くような政策を取り続けている。
一方で現役サラリーマンが鬱病になったり心身の異常を訴えて戦力にならなければそれだけ企業の生産性は落ちることになる。
世間では労働環境が悪い会社をブラック企業と銘打っているが、今の日本ではブラックではない職場を探す方が困難なような気がしないでもない。
日本観光振興協会が「1ウイークバカンス」キャンペーンをやっていて、主要駅の構内でポスターを見かけることもあるが、どことなく侘しさが漂うのはそのためだろう。
本当ならこんなキャンペーンをしなくとも皆が1週間くらいの休暇が取れるようになればいいと思うのは私だけではあるまい。

ところで、「ギリシャ人の年間平均労働時間は2017時間と欧州で最も長い(Greeks work the most in Europe -- averaging 2,017 hours per year.)」とあるが、まさか、国家財政だけでなく統計も粉飾しているのではないだろうか。
それともただ職場にいるとカウントされている時間が長いだけか。
ドイツがフランスを並んでバカンス天国ぶりなのはもっともだとしても、ギリシャ人が労働時間が長いと書いている記事には首を傾げざるを得ない。
いずれにせよ、外国の長所を真似てきた戦後の日本が休暇(バカンス)だけは真似しなかったのはサラリーマンにとって悲劇であろう。

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休暇取得で一石三鳥? 心臓発作になる前に (2012.8.2 CNN Japan)

(CNN) 「心臓発作を起こしてもいいのか」、休暇を返上する際には常にそう自問すべきだ。
休暇を取らずに働き続けると、さまざまな健康問題を引き起こすことが複数の調査で分かってきた。また休暇を取らない人は、取る人に比べて早死にする危険性もある。
ストレスが健康に悪いのは周知の通りだ。
ストレスは潰瘍や体の痛み、不眠症など、さまざまな問題を引き起こす。
そして、このストレスへの有効な対処法の1つが休暇を取ることなのだ。

ある調査で、冠動脈性心疾患(CHD)を発症する危険性が高く、さらに毎年休暇を取っていなかった人は、心臓発作で死亡する確率が一般の人に比べ32%も高かった。
また別の調査で、毎年最低2回休暇を取っていた女性と、6年に1回以下しか休暇を取らなかった女性とを比較したところ、驚くことに毎年休暇を取っていなかったグループは、冠動脈性心疾患や心臓発作を起こす確率が約8倍も高かった。

我々は普段、仕事のことで頭がいっぱいだ。
中には、休暇の取得を弱さの表れととらえたり、何年も休暇を取らなかったりしたことを誇りに思う人すらいる。
また、休暇を取る権利が与えられているのに、休暇を取ることに罪悪感を覚える人もいる。

米国の一般の労働者が1年に取得できる休暇は14日だが、大半の人はわずか12日しか休暇を取っておらず、さらに全体の25%は全く休暇を取っていない。
米国は先進国で唯一、労働者への有給休暇の付与が法律で義務付けられていないのだ。

対照的なのが欧州だ。
欧州連合(EU)では、毎年20日間の有給休暇の付与が義務付けられている。
では、平均寿命が長いのは米国と欧州のどちらか。
答えは当然ながら欧州だ。
米国は、世界の平均寿命ランキングで28位というありさまだ。

もし自分の命が助かるだけでは2、3日の休暇を取る理由として不十分であれば、休暇を取るべき理由がもう1つある。
実は、毎年休暇を取る人は、取らない人に比べ生産性も高いのだ。

2010年に米国で行われた調査で、回答者の35%が休暇の後、仕事に対する自信や生産性が向上したと答えた。
また、休暇は元気を回復する効果があることも分かっている。
休暇中また休暇の後しばらくは、夜ぐっすりと眠れる。
また休暇の後は脳の回転も速くなる。

意外に思う人もいるだろうが、長時間労働が必ずしも利益の増加や生産性の向上につながるわけではない。
例えば、ギリシャ人の年間平均労働時間は2017時間と欧州で最も長いが、ギリシャ経済は破綻状態にあり、ギリシャ人の暮らしは決して裕福とはいえない。

一方、欧州一の経済大国であるドイツを見てみよう。
ドイツ人は他の国民より長時間働いていると思う人もいるだろうが、決してそんなことはない。
ドイツ人の年間平均労働時間は1408時間で、年間の総労働時間は欧州25カ国で下から2番目の短さだ。
またドイツ人は1年間に平均30日間の有給休暇を取る。
これは欧州で最も多い日数だ。

このように、休暇は疲労回復、健康増進、生産性向上と、まさに一石三鳥である。
まだ夏は始まったばかり。
もし休暇を返上しようと考えているのであれば、今からでも遅くはない。
是非、休暇の取得を検討すべきだ。

英文記事:Take your vacation, or die?

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2012.07.09

懲りないヨーロッパ人、少しはイスラムの文化を尊重したら?

今回のドバイ発のCNNのニュースリリースを見て思った。
ヨーロッパ人は懲りねえな!と・・・
確かにドバイはイスラム圏の中では戒律が緩い国だと思う。
その緩さはマレーシアやインドネシア並みではないかと思える。
ヨーロッパから来ている女性観光客曰く、夏のドバイでGパンやロングスカートを着て観光していられるか、バカンスと言えばビキニを着てビーチで寝ることだ、という気持ちはわからないでもない。
しかし、それも場所によりけりだし、ドバイではいくらなんでもやり過ぎだろう、と思う。

彼女たちは言うだろう。
トップレスやビキニがダメだと言うから下着になったのだ、と・・・
しかし、ドバイはイタリアのリビエラ海岸ではないのだ。
そう、彼女たちの栄光ある先輩方(!?)は今から20年前、リビエラ海岸諸都市の市長が出した「ビキニ姿で海岸以外のところを歩くことを禁ず」「魅力ある女性以外のビキニは禁止」というお触れに対して、トップレスで町中を歩き、警官に注意されると、「ビキニはダメだというから、こうして歩いているのにどこがいけないの」と食ってかかったという。(1993年7月21日 毎日新聞 夏のリビエラ・ビキニ騒動
たぶん、こうしたDNAはドバイで下着姿で海水浴をした彼女たちにも受け継がれていることだろう。

これらのご機嫌な光景にアラブ男性も負けていない。
正装でビーチにやってきて、それだけでも怪しさ満点なのに、ビキニ美女に携帯カメラを向けては警察のお世話にもなるだろう。
一方の地元のアラブ女性は顔をしかめて宗教警察顔負けのご発言、アラブ世界ではごもっともなことでも、ドバイでイランやサウジアラビアのような戒律を求めたらヨーロッパ人観光客は相当激減するだろう。
その結果、ドバイでは観光収入目当てに外国人観光客に寛容な政府と、イスラムの戒律を尊重せよという人たちの間で、4年前と同じようなことの繰り返しとなるわけだ。
いずれにせよ、ヨーロッパ人たちが少しはイスラムの文化を尊重すればいいと思うのだが、変なことからドバイがイスラム原理主義者の勢力下にならないことだけは祈りたい。

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海水浴で適切な水着着用を警告、下着姿や「見物」多発で ドバイ (2012.5.26 CNN Japan)

(CNN) 中東のアラブ首長国連邦(UAE)のドバイの警察は26日までに、夏を控え、住民に対し「適切」な水着を着用して海水浴を楽しむよう警告した。
人出が多い海岸で下着姿で海に入るなどの行儀の悪い行動が原因で警察のとがめを受けた例が今年これまで数千件に達したことを受けた注意となっている。
地元紙ナショナルによると、今年の最初の5カ月間で警察への出頭などが求められた海水浴客は3000人以上。

ドバイ首長国では、UAEを構成するより保守的な首長国と異なり、ビキニや露出部分の多い水着は大多数の海岸で禁じられていない。
しかし、下着での水泳や適切でない水着の使用は違法行為となっている。
UAEはイスラム教国。

ナショナル紙によると、今年摘発された海岸での違法行為では、259人は下着で海に入ったため処罰された。
また、2800人が他の海水浴客を眺める目的で正装といったフルドレスで海岸を訪れるなど、「着過ぎ」で処分を受けた。

ドバイの港湾警察の幹部はUAEの地元紙セブンデイズに対し、男性の114人が海岸で携帯を使って女性の撮影を行ったため摘発され、119人が海水浴客に迷惑行為を働いて処分を受けたことを明らかにした。
最初の違反行為には警告で対応するが、繰り返して犯した場合、刑事罰則を適用し性的な迷惑行為で起訴するとしている。

UAEでは先週、地元の女性2人がショッピングセンターで買い物する外国人住民に対し控え目な服装の着用を促すキャンペーンをインターネットで開始していた。

英文記事:Dubai police bust thousands of beachgoers for 'bad behavior'

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ドバイ観光で短パンはダメ? 「現地の文化尊重を」と地元女性 (2012.5.25 CNN Japan)

アブダビ(CNN) イスラム教国のアラブ首長国連邦(UAE)で、短パンやノースリーブなど肌を露出する服装で訪れる外国人観光客に対して服装規定を強要すべきかどうかをめぐる論議が持ち上がっている。
きっかけは、ドバイのショッピングモールに出かけた地元女性のアスマ・ムハイリさん(23)が、短い短パンをはいた若い女性を見かけてショックを受けたことだった。
周囲の人たちは見て見ぬふりをしていたため、ムハイリさんは警備員を見つけて警察を呼ぶと訴えたという。

日頃から若い世代の服装に対する意識の変化が気になっていたというムハイリさんは、短文投稿サイトのツイッターに「私たちの規範に反してみだらな服装をした人たちを、一体いつまで見続けなければならないの?」と書き込んだ。
このツイートがきっかけとなって、同国を訪れる外国人がどの程度現地の風習に従うべきか、どのような服装なら受け入れられるかをめぐる論議に発展。
新聞や有名人も巻き込んで、国やショッピングセンターは観光客らに対して服装規定をもっと強く打ち出すべきだと求める声が強まった。

UAEは人口の80%強を外国人が占め、外国人労働者が経済を支えている。
外国人に対しては基本的に寛容だが、政府は外国からの訪問者に対し、地元の文化を尊重して公共の場では「過度に肌を露出する」服装を慎んでほしいと呼びかけている。
地元の女性はほとんどが長いローブで全身を覆っている。

ムハイリさんは、観光客に注意を促すパンフレットを配り、服装規定を守らない人にはモールへの立ち入りを禁止したり、罰金を科したりすべきだと主張、「地元の人たちが気分を害していることを知って欲しい」と訴える。

ドバイに住む外国人からも対策の強化に賛同する声は多い。
英国は以前から、UAEを訪れる観光客に対して現地にふさわしい服装をするよう呼び掛けており、ジェレミー駐UAE英国大使は「駐在員や観光客が滞在先の国の社会常識を理解することは極めて重要」との認識を示している。

英文記事:Are these shorts too short? Foreigners told to cover up in UAE

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ビーチでトップレスの外国人ら79人を拘束 ドバイ (2008.7.15 CNN Japan)

ドバイ(AP) アラブ首長国連邦ドバイの警察は14日までに、ビーチでトップレスになるなどの「いかがわしい行為」をしたとして外国人観光客ら79人の身柄を拘束した。
アラブ首長国連邦は伝統的なイスラム教国だが、投資ブームに沸くドバイは欧州やアジアから来た住民が多数を占め、国外からの観光客も増加。
イスラム教文化に反するような振る舞いに眉をひそめる地元住民も多い。

ドバイの警察は7月上旬、ビーチで性行為をしていたとして、英国人の男女の身柄を拘束。
以後、トップレスやヌードなど「ビーチを楽しむ家族連れの平穏を乱す」行為で79人の身柄を拘束した。
「初犯」の場合は警告だけで済まされるが、2回目以降は犯罪として立件される可能性もあるという。

ビーチでは覆面警官がパトロールし、新設の監視塔では警官が見張りに立ってマナー違反に目を光らせる。
市はアラビア語、英語など数カ国語の看板を設置し、トップレスで日光浴したり公衆の面前で着替えたりしないよう注意を促している。

英文記事:Dubai detains 79 for indecent behavior on beaches

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2011.10.23

福島の英雄にスペイン皇太子賞

Heroes_fukushima

去る21日、スペインのオビエド(Oviedo)でアストゥリアス皇太子賞の平和部門(The 2011 Prince of Asturias Award for Concord)で、福島の英雄たちを代表して現場指揮官5人が受賞の栄誉に与った。
これはこれで素晴らしいことだと思うのだが、なぜこういうものが日本政府・自治体のトップから出ないのかと疑問に思うのは私だけなのだろうか。
東日本大震災直後に福島第一原発の事故の被害を最小限に食い止めようと尽力した約50名の人たちをFukushima 50と呼んで賞賛したのも外国のメディアだった。(New York Times - Last Defense at Troubled Reactors: 50 Japanese Workers BBC - Japan hails the heroic 'Fukushima 50' Guardian - Fukushima 50 battle radiation risks as Japan nuclear crisis deepens)
この当時も政府が彼らを個人表彰すべきではないか、ということを書いていた人はいた。
日本のメディアはそれを後追いする形で報道したが、政府・福島県・東京電力から彼らを賞賛する声明は未だに出ていない。

そして、今回、福島の英雄がスペインで表彰を受けたという記事を配信しているメディアで、日本では現場で働いた人たち全員の名前を挙げて表彰すべきではないか、少なくとも政府・福島県・東京電力のウェブサイト上ではそうすべきだ、と書いているところは一つもない。
日本から遠く離れたスペインで表彰された5名の警察、消防、自衛隊の現場指揮官、それを見ている部下たちはこういう実態をどんな気持ちで見ているのだろうか。
かつてミスター円と呼ばれた榊原英資氏は「日本は没落する」の中で、小泉政権以降、日本では民は善、官は悪という風潮がまかり通っていると書いている。
もし、その風潮の中で彼らが福島に行くのは当たり前、何で表彰なんかするのだ、という空気が政府や自治体、メディアにはびこっているのだとしたら、優秀な人材の取り合いが世界で始まっている時代に、まともな人が公務員を目指すことはなくなるだろう。
今日の読売新聞(教育長「万策尽きた」・・・わいせつ教師続出の静岡)で、静岡県下の学校で教員の不祥事が止まらないことに安倍徹教育長が「私としても万策尽きた」と語ったということが報じられたが、これが氷山の一角、日本の公的機関が途上国並の職場に変わり果てる前触れでないことを祈りたい。

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「フクシマの英雄」にスペイン皇太子賞 (2011.10.22 読売新聞)

【オビエド(スペイン北部)=三井美奈】 福島第一原発事故発生後、被害拡大防止に取り組んだ「フクシマの英雄たち」へのスペインのアストゥリアス皇太子賞の授賞式が21日、当地で行われ、警察、消防、自衛隊の現場指揮官5人が代表としてフェリペ皇太子から賞状を受け取った。
賞は、皇太子が名誉会長を務める財団が毎年、文化や科学はじめ各分野で活躍する個人・団体に授与しているもの。
「フクシマの英雄たち」は平和部門での受賞で、個人を特定せず、原発作業員や消防士、警官など「自身の生命を危険にさらしながら、被害を最小限に抑えるために献身的に働いた」人たちを指す。
式典では、原発3号機への放水作業を指揮した東京消防庁ハイパーレスキュー隊の冨岡豊彦・消防司令(48)がスピーチし、「『フクシマの英雄たち』という称号を授かったことは、ここにいる受賞者のみならず、日本全国民に対するものと確信します」と述べた。

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Nuclear heroes claim Spanish award (Oct. 23, 2011 Japan Times)

OVIEDO, Spain - Five Japanese emergency workers honored for their actions during the Fukushima nuclear disaster have expressed their gratitude to Spain's Prince of Asturias Foundation and said they will never forget its kindness.

The five recipients of the 2011 Prince of Asturias Award for Concord - two police officers, a firefighter and two Self-Defense Forces soldiers - thanked the group at a news conference Friday in Oviedo, northern Spain, before attending an awards ceremony at a local theater in the evening.

Among the five are Yoshitsugu Oigawa, 56, a Tokyo Metropolitan Police superintendent who directed an operation to pour water into one of the overheating reactors from the ground, and Toyohiko Tomioka, 48, a member of the Tokyo Fire Department's "hyper rescue" team who led a separate cooling operation at a spent-fuel storage pool.

The other three are Col. Shinji Iwakuma, 50, the leader of the Ground Self-Defense Force's Central Nuclear Biological Chemical Weapon Defense Unit who directed decontamination and other operations, GSDF Lt. Col. Kenji Kato, 39, who dropped water onto a crippled reactor from a helicopter, and Futaba Police Station chief Masami Watanabe, 57, who led residents to safety.

Watanabe rescued several hundred people at a nursing care facility immediately after the earthquake.
"The Fukushima Prefectural Police lost some staff members in the line of duty. They are the real heroes," Watanabe said.
"We are grateful for the fact that (people in Spain) kindly watched over us from the opposite side of the globe. This Japanese will never forget the kindness he has received for the rest of his life," he said, bowing.

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2011.06.05

欧州で病原性大腸菌の感染拡大

何だか世界中がおかしくなっているような感じだ。
地球の人口爆発を防止してきたのは疫病と戦争だと言われているが、こうした突発的な疫病の流行も地球という生命体の防衛本能の為せるものなのか、と言いたくなるような現象だ。
一般的にこうした疫病の流行は、衛生面に不安がある発展途上国が発祥地になることが多かったが、今度の流行地は疫病とはあまり縁のなかった欧州だ。
ドイツで死亡した人が罹った腸管出血性大腸菌(EHEC: enterohemorrhagic Escherichia coli)の代表的な血清型別には、1996年に日本で大流行したO157が存在する。
要するに今欧州で大流行している病原性大腸菌はO157と同等のリスクがあると思えば間違いないだろう。

当時の日本で、奇しくも厚生大臣は現首相の菅直人であったが、カイワレ大根がO157の感染源とされ、風評被害が起こったのは記憶に新しいところだ。
今の欧州でも感染源が特定されていないのに、生野菜が感染源扱いされているような感じを受ける。
そう言えば、今年の4月に、日本でも「焼肉酒家えびす」で生肉のユッケを食べたために、腸管性出血性大腸菌O-157並びにO-111に感染して、複数の子どもが死亡する集団食中毒事件が報じられた。
それにしても「感染のピーク時の終了については判断出来る段階でない(All but one of the fatalities were reported in Germany, where officials say it's still too early to determine whether the peak of the outbreak has passed.)」というのは不気味なセリフだ。
いずれにせよ、今年は世界のどの国に行ったとしても、食材に火を通さずに食べるというのはやめた方が良さそうだ。
もっとも日本以外の国で生ものを食べる機会はそう多くはないと思うがね・・・

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欧州で大腸菌感染の死者増え19人、発症は2千人以上 (2011.6.5 CNN Japan)

(CNN) 欧州で拡大している病原性大腸菌の感染問題で、世界保健機関(WHO)は3日、犠牲者は19人、感染者は少なくとも12カ国で2000人以上に達したと報告した。
感染のピーク時の終了については判断出来る段階でないとの見解も示した。

死亡者はドイツで18人、スウェーデンで1人。
ドイツでは12人が溶血性尿毒症症候群(HUS: hemolytic-uremic syndrome)に、6人が腸管出血性大腸菌(EHEC: enterohemorrhagic Escherichia coli)に感染して死亡した。
WHOによると、ドイツでのHUSの発症例は計573件。
過去に世界で記録されたHUS感染の流行での件数を上回る規模となっている。
EHECのみの発症例は推定で計1428件。

発症例はオーストリア、チェコ、デンマーク、フランス、オランダ、ノルウェー、ポーランド、スペイン、スイスと英国で報告されている。
感染源は特定されていないが、スペインで有機栽培されたキュウリで菌が検出され、このキュウリがドイツでパック詰めされ、欧州諸国に出荷されたとの情報もあった。

ドイツの疾病対策の連邦機関、ロベルト・コッホ研究所は国内消費者に生のトマト、キュウリやレタスを食べないよう勧告。
米食品医薬品局はドイツやスペインから輸入されたこれらの野菜3品を国内販売の前に検査し、結果を欧州連合(EU)にも伝える方針。

米疾病対策センターは3日、ドイツ北部を先月旅行した米国人女性2人と男性1人がHUSを発症し、米国で入院した事実を明らかにしていた。
別の1人に血便の症状が出ているが入院はしていない。
また、ドイツ駐留の米軍兵士2人も下痢の症状を訴えているという。
ただ、米国内での大腸菌感染の拡大には否定的な見方を示した。

英文記事:Death toll rises from E. coli outbreak in Europe
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