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2018.05.01

日本の出国時に徴収される千円の国際観光旅客税はドブに捨てられるのか

先月の国会で、国際観光旅客税法案が可決成立し、1992年の地価税法以来、27年ぶりに新税の導入がされることが決まった。
この税金は、原則として、2歳未満の子どもと、24時間以内のトランジット客を除いて、2019年(平成31年)1月7日以降に日本から出国するすべての旅客から千円ずつ徴収するもので、基本的に航空券代などに上乗せされて払うことになっている。
産経新聞の記事ではその使い道について、「出入国時の安全体制強化に向けた顔認証ゲートの導入などに充てる方針だ」と書かれているが、財務省の国際観光旅客税法案の概要にはそんなことは一言も書かれていないし、出入国審査を所管する法務省がこの案件に関わっているとは思えない。
事実、出入国審査強化については、2018年度の予算折衝の案件で、国際観光旅客税法の成立の可否とは関係なく、予算計上がされている。
私に言わせれば、2016年9月25日付のJAPAN styleに掲載された「『観光立国』への課題 入国審査待ちで訪日客が長蛇の列」に対処するのは急務なので、そういった予算計上は妥当だと思うが、政府は新税をそういった経費に充てる気はあるのだろうか。

ここで、国土交通省が2月2日に発表した国際観光振興法改正案(外国人観光旅客の旅行の容易化等の促進による国際観光の振興に関する法律の一部を改正する法律案/新:外国人観光旅客の来訪の促進等による国際観光の振興に関する法律)(参考:衆議院提出法案)の第12条第1項には、「政府は、国際観光旅客税の収入見込額に相当する金額を、国際観光振興施策(国際観光旅客の円滑かつ快適な旅行のための環境の整備に関する施策、我が国の多様な観光の魅力に関する情報の入手の容易化に関する施策並びに地域固有の文化、自然その他の特性を活用した観光資源の開発及び活用による当該地域における体験及び滞在の質の向上に関する施策をいう。)に必要な経費に充てるものとする。」と規定されている。
一見して、新設された国際観光旅客税の使途を見ると、大枚をつぎ込んだ揚げ句に破綻が続出しているクールジャパン戦略の二の舞を演じるのではないかと思ったのは私だけではあるまい。
要は、霞が関の官僚と彼らと結託した者たちでいくらでも無駄遣いができる打ち出の小槌と化す危険性が十分にあるのだ。

実際のところ、クールジャパン戦略に関しては、ウェッジ(WEDGE)の記事「『クールジャパン』×『地方創生』の驚くべき”惨状”(2016年11月21日)」や、「成果なき『官製クールジャパン会社』の信じ難い実態(2016年11月28日)」、「『壊滅状態』のクールジャパン戦略につけるクスリ(2016年11月30日)」と散々たるものだ。
穿った見方をすると、クールジャパン戦略の失敗のツケを新税で賄おうとしているのではないかとも思えるほどだ。
そうでなければ、新税の使途目的に書かれていることは、基本的に民間企業にやらせるべきであって、新税を創設して政府がおっとり刀でしゃしゃり出ることではないからだ。

一方で、私が2017年8月20日付で掲載した「外国人観光客誘致による地方再生には外国語情報の充実が不可欠だ」で指摘した観光地に関する外国語情報を充実させることや、地方の公共交通機関網の連携強化こそ、新税の使途に叶った使い道だと思うのだが、官公庁の役人のメンタリティからすると、私はそういうことに使われるかどうか怪しいと思っている。
日本の場合、政府に限らず、地方自治体、今や企業までもが有用な人材に金を出し惜しむのは習い性だからだ。
私が表題で書いた「日本の出国時に徴収される千円の国際観光旅客税はドブに捨てられるのか」というのが現実のものとなったとき、日本は観光立国への道も諦めなければならないだろう。

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国際観光振興法が成立 出国税の使い道、3分野規定 (2018.4.11 産経新聞)

来年1月に徴収を始める国際観光旅客税の使い道などを定めた国際観光振興法が10日、衆院本会議で与党などの賛成多数により可決、成立した。
新税は、訪日外国人旅行者や日本人から出国時に1人千円を徴収。
使い道として「快適な旅行のための環境整備」「体験型観光の満足度向上」「日本の魅力に関する情報発信強化」など3分野を規定した。
このほか、鉄道など公共交通事業者の努力義務として、公衆無線LAN「Wi-Fi(ワイファイ)」の整備やトイレの洋式化を追加。電子決済システムの導入や、定額で乗り放題となる周遊パスの発行なども促すとした。

同法の施行日は当初4月1日とされたが、森友学園文書改竄(かいざん)問題などの影響で国会の審議が遅れたため、参院で「公布の日」に施行すると修正し衆院に差し戻し再び採決。
政府は月内にも公布、施行する方針だ。
政府は東京五輪・パラリンピックが開かれる平成32年に訪日客を4千万人、消費額8兆円とする目標を掲げており、新税の財源を活用し地方への誘客を強化する。

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来年1月7日から出国時に1000円 国際観光旅客税法が成立 出入国の安全強化財源に (2018.4.11 産経新聞)

日本からの出国時に1人千円を徴収することを定めた「国際観光旅客税法」が11日の参院本会議で可決、成立した。
平成31年1月7日の導入予定で、30年度予算では60億円、31年度以降では年430億円の税収を見込む。
税収は出入国時の安全体制強化に向けた顔認証ゲートの導入などに充てる方針だ。
旅客税は2歳以上で航空機や旅客船で出国する人から運賃に上乗せするなどして徴収する。
乗員や乗り継ぎ客、2歳未満の子どもなどは対象外。旅客税の使い道などを定めた国際観光振興法は10日に成立した。

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出入国審査強化に163億円=2018年度予算折衝 (2017.12.18 時事ドットコム)

2018年度予算案に関する上川陽子法相と麻生太郎財務相の18日の折衝で、出入国審査体制の整備に163億円を計上することが決まった。
2020年東京五輪・パラリンピックに向けて訪日外国人が増えると予想されることを踏まえ、邦人の帰国手続きに導入した無人の「顔認証ゲート」の配備を拡大。
テロ対策も強化する。

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コメント

今までの増税策は一応綺麗ごとが前提にありましたが、過去の官僚の所業から見れば、これはあからさまに無駄遣いしますよと法律上も宣言してますよね。
ひどいものです。

スペイン、いい季節に突入しますね。
気をつけて。いい旅を

投稿: カルロス | 2018.05.03 15:16

こんにちは

日本政府の場合、増税すればするほど無駄使い(官僚のお財布)になって、国民の為にはほとんど使われないことばかりですので期待していません。
来週からスペインに行ってきます。

投稿: 風じ | 2018.05.02 17:30

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