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2018.05.26

働き方改革法で民間サラリーマンは2019年4月から最低5日の有給休暇の取得が義務に

去る5月25日の衆議院厚生労働員会(高鳥修一委員長)で、安倍内閣が最重要法案と位置付ける働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律案(働き方改革法案)が可決された。(2018年5月26日 朝日新聞-働き方改革法案も採決強行 「過労死を助長」の声聞かず
これで、日本の経済界が渇望している一方で、労働者からは、定額働かせ放題とか、残業代ゼロ法とか散々にこき下ろされている「高度プロフェッショナル制度(高プロ)」制度の創設を含めた(裁量労働制の拡大は法案提出前に取り下げ)、働き方改革法案が衆参両院で可決成立する可能性が高まった。
どんな美辞麗句を言ったところで、終身雇用制度(新卒至上主義)や年功序列制度が色濃く残る日系企業(経団連)の本音は、内外の高度人材を安く買い叩いた揚げ句に、籠の鳥にしたいという以外にない。(2017年12月12日-日本は世界の高度人材(high-skilled talent)から見限られるのか
新卒至上主義を頑なに取る企業が多く、事実上、職業選択の自由が制限されている日本では、それを改革する方が先決で、それなしにはいかなる労働法制の理念もすべて雲散霧消する運命にある。
私に言わせれば、この法案が成立したら、ますます日本から高度人材が逃げ出さないか心配なほどだ。(2017年10月7日 日経新聞-トップ技術者1000人流出-中韓電機、1970年代から引き抜き 監視強化で国益死守は限界

さて、今回はこの話はこれくらいにして、atusi氏が「働き方改革で労働環境が逆に悪化しているように見える件(2017年8月21日)」というコラムでも書いているように、労働者目線では何の価値があるのだと思える働き方改革法案だが、厚生労働省の「『働き方改革』の実現に向けて」の資料の中で、労働者側にとって恩恵と思えるものの一つが、概要の中にある「一定日数の年次有給休暇の確実な取得-使用者は、10日以上の年次有給休暇が付与される労働者に対し、5日について、毎年、時季を指定して与えなければならないこととする。」とある下りだ。
つまり、労働基準法の一部改正案にある第39条の追加条項で、年次有給休暇の強制取得義務ができることだ。
これについては、2018年4月27日付でWork × IT(ワーク・イット)が「年次有給休暇の取得義務への対応とは?有給消化率と従業員満足・労働生産性の関係」というコラムを書いているのでお読みになるといいだろう。
つまり、年に2~3回は、ハッピーマンデーのある週に、2日程度の休暇を追加して5連休にすることが、法律の上では可能になるということだ。
私に言わせれば、日本政府が国際労働機関(ILO)-年次有給休暇に関する条約(1970年の改正条約)(第132号)を批准して、1年に1度は最低2週間の連続休暇を取らせるくらいのことをすべきと思うが、この国際条約の存在自体、何人の日本人が知っているのだろうか。(笑)
そもそも、これはエクスペディアの調査による日本のサラリーマンの有給休暇取得率が万年最下位であることを是正しようという試みだから、もっと思い切った政策を打ち出すべきなのだ。(2017年12月11日 エクスペディア-有休消化率2年連続最下位に!有給休暇国際比較調査2017 Japan Times on Dec. 12, 2017 - Japanese workers feel guilty taking time off and use fewer holidays than their international peers: survey

ここで、私が法律の上では可能だと書いたのは、サラリーマンの皆さんはご存知のとおり、強制的に休暇を取らせてもらっても、肝心の業務改善がされないので、仕事を家に持ち帰って休暇のときに仕事をせざるを得なくなるクソみたいなことが、日本の会社では起こり得ることだからだ。
それでも、この法案が可決成立したら、民間のサラリーマン諸氏は自分の会社の出方を見ることが必要だろう。
いけしゃあしゃあと知らぬ存ぜぬを決め込むところも多そうだからだ。
私としては、そういう会社が少しでも減っていくことを祈りたいが、事実上、職業選択の自由が制限されている日本では、労働環境が悪くとも、労働関連法を守らなくとも、社員が逃げ出したり反旗を翻したりしないことが多いので、会社側のやりたい放題だ。
それが日本の活力を削いでいることにいつになったら政府や経済界は気付くのか呆れてものが言えない。
ちなみに、最近はブラックと揶揄される公務員だが、この労働基準法の改正条項に関しては、国家公務員は元より(国家公務員法附則第16条)、今回の働き方改革法案で一括採決された地方公務員法の一部改正案により、地方公務員も適用にならないことは念のために書いておこう。
最後になるが、私はこのコラムを書いていて思い出したことがある。
今から13年前、2005年7月18日付で掲載した「クールビズに見る日本の病理現象」のクールビズを休暇に置き換えれば、今回の施策に対する政府の意図がわかるような気がするのだ。

働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律案(抄)
(第196回国会 閣第63号)
労働基準法の一部改正
第三十九条第六項の次に次の二項を加える。
使用者は、第一項から第三項までの規定による有給休暇(これらの規定により使用者が与えなければならない有給休暇の日数が十労働日以上である労働者に係るものに限る。以下この項及び次項において同じ。)の日数のうち五日については、基準日(継続勤務した期間を六箇月経過日から一年ごとに区分した各期間(最後に一年未満の期間を生じたときは、当該期間)の初日をいう。以下この項において同じ。)から一年以内の期間に、労働者ごとにその時季を定めることにより与えなければならない。ただし、第一項から第三項までの規定による有給休暇を当該有給休暇に係る基準日より前の日から与えることとしたときは、厚生労働省令で定めるところにより、労働者ごとにその時季を定めることにより与えなければならない。
前項の規定にかかわらず、第五項又は第六項の規定により第一項から第三項までの規定による有給休暇を与えた場合においては、当該与えた有給休暇の日数(当該日数が五日を超える場合には、五日とする。)分については、時季を定めることにより与えることを要しない。

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