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2017.06.28

不労所得の甘い誘惑、D9 ClubなどのHYIP(ハイプ)に仕込まれた黒い罠

仮想通貨のビットコインを買って口座に入れておくだけで、高金利という概念をはるかに超えた超絶高金利の配当を毎月はおろか毎日でさえもらうことができる。
わずか100万円程度の金を出資すれば、まさに酒を飲んで寝ているだけでお金が降ってくる世界が貴方を待っている。
仮想通貨元年と呼ばれる2017年、今までの概念をすべて超越した新常識の金融商品がここにある。
このメッセージを見ることができた貴方だけがなし得る特権、そんな夢の世界に貴方も行ってみないか、と言われて踏み込んだHYIP(ハイプ)の世界、そこはケシの花畑に蝶が舞い、甘言をささやくビキニの美女に誘い込まれたら最後、ドス黒い罠が幾重にも張り巡らされる死神の住む泉だった。
この罠が張り巡らされた投資案件のHYIP(ハイプ)というのはHigh Yield Investment Program(高利回り投資プログラム)の略で、主として、仮想通貨のビットコインをベースにしたものを指すことが多い。

ところで、貴方はD9 Clubというのを聞いたことがあるだろうか。
つい先週の6月21日、テレビ東京のワールドビジネスサテライト(WBS)でも「超高配当でトラブル急増 『HYIP』被害弁護団結成へ」で取り上げられたので、こうしたHYIP(ハイプ)と呼ばれる高利回り投資プログラムを知っている人も多いと思う。
また、この投資案件は、いろいろな仮想通貨投資ブログ(勧誘サイト)で紹介されているので、検索してもらえればすぐにでも報酬プログラムの内容はわかるのだが、単純に言えば、一番収益率が良いとされるゴールドトレーダープラスの場合、1口2,046USドル(2017年1月4日の為替レート1USドル=118円で計算した場合、約24万円)(これに登録代行業者手数料が加算される)相当のビットコインを投資すれば、毎週170USドル(約20,000円)の報酬が52週間入るというもので、アカウント維持費の月額50USドル(約6,000円)の経費を差し引いても、8,240USドル(約97万円)の利益、投資元本は償還されないので、契約期間の52週間、きちんと配当がもらえれば、純益ベースでも6,194USドル(約73万円)になるというものだ。
つまり、年利360%(3倍)、実際は登録代行業者手数料があるので3倍にはならないが、それを差し引いても投資額の2.5倍が純益となって返ってくるというので、不労所得を得るためのエースのような存在として、2016年秋頃から日本中に広まった。

D9 Clubという日本人の間で爆発的な人気を誇ったHYIP(ハイプ)は、多くのプロモーション動画や、仮想通貨投資セミナーで、ベットフェアー(Betfair)というブックメーカーへの投資利潤を配当原資とし、D9自体、2003年8月に設立されたブラジルに実在する会社であると説明されてきた。
それがゆえに、月利30%(2,046USドルの投資元本に対し、毎週170USドルの配当金、月額50USドルのアカウント維持費)という常識ではあり得ない高金利が人気を呼び、詐欺ではないかという疑念を掻き消しても余りあるギャンブラー(投機家)を呼び込んできた。
私は、このスキームをギャンブル(投機)と呼んでいたが、勧誘者の中には事業投資と呼んで、あたかも確実に配当金が入るような説明をしている者すら見受けられた。
このスキームはMLM(Multi Level Marketing=マルチレベルマーケテイング/連鎖販売取引)を基礎とし、多くのギャンブラー(投機家)を勧誘することによって、通常の配当金に加え、多くの紹介報酬が入る仕組みになっていた。
しかしながら、D9 Clubの場合は、一般のMLMとは異なり、勧誘をしなくとも目をむくような配当金がもらえるとあって、入会者は飛躍的に増加をしていった。
大変お恥ずかしながら、私もギャンブラー(投機家)の一員であった。
今年の初め、サンタクロース投資などと浮かれたことを書いていたことを反省している。

さて、このD9 Clubというギャンブル(投機)が、実はとんでもない詐欺スキームではないかと考え始めたのは、これを日本中に広めたとされるうちの一人、泉忠司氏が、「ノアの泥船」という悪評プンプンの仮想通貨詐欺案件(2017年3月28日-仮想通貨情報局 ノアコインは詐欺コイン!「ノアの泥船」と呼ばれる政府認定の詐欺について 2017年5月2日-香港マイタン日記 「仮想通貨詐欺が横行している!要注意です。詐欺野郎に喝だ」)で悪名を馳せた頃と同じ時期だ。
私が遅まきながら調査し、分析したところによれば、D9 Clubは典型的なポンジ・スキーム(Ponzi scheme)だった。
ウイキペディアによれば、ボンジ・スキーム(Ponzi scheme)とは、詐欺の一種で、「出資してもらった資金を運用し、その利益を出資者に(配当金などとして)還元する」などと謳っておきながら、謳っていることとは異なって実際には資金運用を行わず、後から参加させる別の出資者から新たに集めたお金を既存の出資者に「配当金」などと偽って渡すことで、あたかも資金運用が行われ利益が生まれてそれが配当されているかのように装うもののことであると解説されている。

実際、D9 Club報酬の換金システムが滞って半月ほど経過した5月中旬、MLM上層部からのメッセージではこのように書かれていた。
MLMの典型的な特徴として、会社の然るべき責任者の公式声明というものはなきに等しく、「アップライン」からのメッセージなどという責任者が誰かもわからない曖昧な情報で埋め尽くされ、それに振り回されることを知ったのもこのときだ。
「ダニーロ会長からリーダーに約束をした様です。今後どの様にして、滞納のウィズドローを支払う計画なのか?現在はポジション増殖は、D9ドルが100%使えましたが、今後は、D9ドルが50%、ビットコインが50%で支払する。この改善でポジション増殖の度に世界中からビットコインがD9に入りますから、我々に支払う報酬や配当のビットコイン原資が大量に確保出来ます。D9自体の朗報は、中国のD9の新規売上が爆発的に伸びているそうですから、滞納中のウィズドローの原資にもなるかと思われますので、安心材料の一つだと思います。

この非公式メッセージが事実ならば、D9 Clubの会長自ら既存会員の報酬原資が新規会員のもたらす出資金によって賄われていることを吐露した珍しいものだと私は思っている。
つまり、私はこのメッセージがD9 Clubがポンジ・スキーム(Ponzi scheme)であることの証左だと考えたが、そういったことをMLMのLINEグループなどで公言する人は皆無だった。
仮にそうしたことをすれば、コミュニティ内の異分子として粛清(メンバー削除)され、D9 Clubに関する情報入手経路から遮断されてしまうことを恐れたからだ。
そう、MLMのコミュニティ内では言論の自由というものは存在しない。

それでは、D9 Clubのプロモーション動画や、仮想通貨投資セミナーで言われていたブックメーカーへの投資はどうか。
こちらは、2017年5月17日付の投資案件検証委員会(旧サビアンでキャッシュバックの毎日)のコラム「Betfair社がD9との関係性を否定」という記事で、純然たる投資利潤はないということが暴露されている。
ちなみに、ここで紹介した「投資案件検証委員会(旧サビアンでキャッシュバックの毎日)」というブログは、単なるMLMやHYIP(ハイプ)批判系のものではなく、論理的な検証がされていて、私は信頼に値すると思っている。
また、これと同様のことは、2017年5月14日付のBehind MLM (MLMの裏側)のコラム「Paraguay's Public Prosecutors investigating D9 Clube Ponzi(パラグアイの検察当局、D9 Clubのポンジ・スキームを捜査)」でも紹介されている。
つまり、パラグアイでは検察による捜査が始まっているほどなので、余程悪質なものだと見られているのであろう。

これらにも増して、D9 Clubの悪質性を裏付けるのが、2017年4月25日付のAnti-Scam-Blogのコラム「D9クラブ経営陣の詐欺活動の経歴について」という記事だ。
ここでは、D9 Club会長のダニーロ・サンタナ(Danilo Vunjão Santana Gouvêia)氏や、幹部のカルロス藤山(Carlos Fujiyama)氏が詐欺組織で暗躍していた経歴が紹介されているが、これらが事実であれば、こうした者たちが運営している組織が信頼に値するものだろうか。
常識で考えれば、国際詐欺組織の幹部が一部の日本人(私は泉忠司氏や、配下とされる太陽氏こと松本敏彦氏柿野隆氏佐藤秀樹氏湯田陽太氏連尺野誠氏、その他のグループリーダー諸氏は無色でないと考えている)とタッグを組んで、日本人投資家の金を巻き上げたという見方をするだろう。

面白いことに、D9 Clubが実質的に破綻した後、カルロス藤山氏を含む日本のD9 Clubのトップリーダー有志が被害者の会を立ち上げ、D9 Club本社に対して、債権(未着金分)回収の交渉や、損害賠償請求訴訟に入るというメッセージが流れてきている。
私は、これは彼らが詐欺に加担したとの疑いによる刑事訴追を逃れるためのポーズ、あるいは、SSLにも対応していない、粗雑なウィズドロー滞納請求サイトに個人情報を入れさせることから、フィッシング(phishing)などの新たな詐欺を画策していると見ている。
もし、貴方の被害額が大きく、心から被害回復を図りたいと思っているのであれば、前出のリンクにあるように、テレビ東京のワールドビジネスサテライト(WBS)で報じられた「『あおい法律事務所』が中心になり、来月にも弁護団を結成することになりました。」というものを期待した方がいい。(2017年6月22日-[D9」関係者らに対する集団訴訟等のための弁護団の組成について
この場合、証拠として備えておくべきスクリーンショットは、アカウントの登録日がわかる画面と、該当のアカウントのウィズドロー(withdraw)の結果がわかるものがいいだろう。
もちろん、こうした交渉は難航が予想されるので、被害額が小さい場合は、D9 Clubにおける損失は、勉強代だと思って諦め、証券会社などで買える別の健全な投資案件(月利でなく、年利で概ね10%程度以下)を見つけてやる方が時間の損失という観点から見るといいように思うがいかがだろうか。
あるいは、仮想通貨取引所内で売買できる通貨を買ってみるなど、詐欺に引っかからない方法で投資をやってみることだ。(参考:2017年4月18日-ビットコインがMasterCard店舗やATMで利用可能に
それとも、どうしても彼らに一泡吹かせたいか。

ところで、私はコラムの冒頭で、HYIP(ハイプ)の世界を「ケシの花畑」と書いたのを覚えているだろうか。
D9 ClubのようなHYIP(ハイプ)の超絶高金利が当然という感覚が身についてしまうと、麻薬中毒患者のように高金利中毒症になり、まともな健全投資に戻れなくなることを意味している。
貴方は大丈夫だろうか。
それとも数か月から数年はリハビリが必要だろうか。
D9 Clubが実質的に破綻して、グループリーダーの中には新案件と称するスキームを紹介している者がいる。
彼らの提示しているものがまともなものかどうか判断しかねる場合は、速やかにグループを抜けることをお勧めする。
さもなければ、高金利中毒症にかかった貴方は、新たな詐欺MLMを紹介されかねないからだ。
ジャーナリストの鈴木傾城氏はこう言う。「HYIPは関わった人たちを次々と地獄に突き落としている

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