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2015.04.27

マイナンバー法施行で海外送金情報はすべて税務当局に

海外送金が1回当たり100万円を超えると税務署からお尋ねが来る。
私のように海外の金融機関に口座を持っている人は、海外投資の掲示板などで一度や二度は目にしたことがあるフレーズだ。
実際のところ、海外送金税金.comには「国外送金等に関するお尋ね」のことが掲載されているので、送られてきた人もいるのだろう。
このようなものがなぜ送られてくるかというと、銀行などの金融機関や資金移動業者は、100万円を超える国外送金等があった場合に所轄税務署長に報告する義務があり、これによって国外送金をした当事者に「お尋ね」が送付されることがあるのだ。「内国税の適正な課税の確保を図るための国外送金等に係る調書の提出等に関する法律第4条(国外送金等調書の提出)、内国税の適正な課税の確保を図るための国外送金等に係る調書の提出等に関する法律施行令第2条(金融機関の範囲)、第8条(国外送金等調書の提出を要しない国外送金等の上限額)」
この「お尋ね」を避けるために、送金額を1回当たり100万円以下にしたり、ハンドキャリー(支払手段等の携帯輸出入)で国外へ持ち出した人もいただろう。

ところで、貴方はマイナンバー(社会保障・税番号)制度をご存知だろうか。
今年(2015年/平成27年)の10月から国籍を問わず、日本国内に住民票を置いてある人に対して、12桁の個人番号を付した通知カードが、会社法などによって登記されている法人に対しては、13桁の法人番号を記した通知書がそれぞれ送られることになっている。
さらに、来年(2016年/平成28年)1月からは、国や地方自治体、企業の給与担当部門によるマイナンバーの利用が始まる予定だ。
この制度の根幹にあるものは、徴税と社会保障給付の不公平の是正にあるので、どうしても優先順位が行政側に傾きがちだ。
このマイナンバー制度による情報連携の利便性が、行政コストの削減に繋がれば、国民も少しは納得するのであろうが、そうなる可能性が低く、徴税だけ苛烈になりそうだから「国民必読 国税が笑っている ついに『マイナンバー制度』がスタート この10月からあなたの「収入と資産」は丸見えです 「銀行口座」はもちろん、不動産、株、債券・・・もう隠すことは一切できません」(2015年3月23日-週刊現代)といったセンセーショナルな記事が真実味を帯びてくる。

さて、国家財政も破綻寸前、いよいよ財産税、資産課税が巷で噂される中で、やはり海外口座を作って資産を逃がそうという人もいるだろう。
実は、マイナンバーの利用範囲の税に関する規定には、前出の内国税の適正な課税の確保を図るための国外送金等に係る調書の提出等に関する法律が、所得税法や地方税法と並んでひっそりと規定されている。「行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律第9条(利用範囲)第3項」
この内国税の適正な課税の確保を図るための国外送金等に係る調書の提出等に関する法律の第4条(国外送金等調書の提出)第1項と、第4条の3(国外証券移管等調書の提出)第1項の部分でマイナンバーの利用が可能であると明記され、さらに、マイナンバー制度が始まると、日本にある銀行口座や証券口座で、国外送金や国外からの送金等の受領をする場合は、原則として個人番号か法人番号が必要となるように規定されるので、実質的に送金額100万円の上限規定はなくなるものと言える。「行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律の一部を改正する法律第24条(内国税の適正な課税の確保を図るための国外送金等に係る調書の提出等に関する法律の一部改正)」
これらによれば、海外の口座から日本の口座に送金させると、受け取り側でマイナンバーの申告が必要というわけだが、ATMでお金を下ろす場合だけは、外国人観光客など一時滞在者と識別不能なので、常識で考えても必要とはならないだろう。

来年のマイナンバー制度発足当初は限定された範囲で個人番号が利用されることになるが、日経新聞の記事にもあるように、これを預金口座に紐付けするための改正法(個人情報の保護に関する法律及び行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律の一部を改正する法律案)が今国会(第189回常会)で審議されている。
今回の改正案では、附則第12条(検討)第4項に、将来的な課題として規定されているだけだが、数年以内には詳細な手続き法案が上程されることだろう。
ただ前述のように、国外送金と国外からの送金等の受領に関しては、マイナンバーの申告が半ば義務化しているのと同然である。
現在、オンラインで海外送金ができる新生銀行だが、送金先を事前登録している場合は、来年以降はマイナンバーの申告を追加で求められることになるだろう。
仮に、ハンドキャリー(支払手段等の携帯輸出入)によって資金を海外に持ち出したとしても、いずれは国際間の税務情報交換規定によって海外の口座情報が伝えられることになっているので、疾しい目的で海外口座を使わない方が賢明かもしれない。(2013年9月20日-ハンドキャリーによる現金の持ち出しもばれる税務当局間の自動的情報交換

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預金口座にもマイナンバー、2018年から任意で (2015.3.10 日経新聞)

政府は10日の閣議で、日本に住む全ての人に割り振る社会保障と税の共通番号(マイナンバー)を預金口座に適用するマイナンバー法改正案を決定した。
2018年から預金者に対し、任意で銀行への登録を呼びかける。
個人の資産を把握しやすくし、税金や社会保険料の徴収に役立てる。
ビッグデータの普及に向けた個人情報保護法改正案も決定した。

マイナンバー法改正案は今国会に提出し、早期の成立を目指す。
マイナンバー制度は2016年から始まり、国や自治体などが税や社会保障に関する個人情報の管理に使うことが決まっている。
制度開始から2年後の2018年に預金口座への適用を始める。
新規に口座を開設する際は、申請用紙にマイナンバーを記入する欄を作る。
既存の口座は来店時に登録を促す。
当面、登録は任意で強制力はない。

麻生太郎財務相は10日午前の記者会見で「(税の)徴収にも利用できて公平適正な納税につながる」と意義を強調した。
そのうえで「告知義務がないと普及しないじゃないかという指摘は承知している」として、3年後の2021年をめどに義務化を検討する考えを示した。

改正案ではマイナンバーを医療分野の一部で活用することも認める。
乳幼児が受けた予防接種の記録をマイナンバーで管理し、引っ越し先の市区町村に引き継げるようにする。
健康保険組合がメタボ健診の情報をマイナンバーで管理できるようにする。
病院での診療記録全体で活用できれば、二重診療の防止などで医療費の削減につながるとされる。
ただ、個人情報漏洩への懸念から慎重論があり、今回の改正案には盛り込まなかった。

12桁のマイナンバーは2015年10月から市区町村による本人への通知が始まる。
個人情報保護法改正案は個人情報を取り扱うルールを明確化し、企業が個人情報をビジネスに使いやすくする。
匿名化した個人情報なら本人の同意がなくても第三者への提供が可能になる一方、罰則を強化して不正利用を防ぐ。

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