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2015.01.11

消費税増税法の人質になっている老齢年金の受給資格期間短縮(25年→10年)政策

私のブログ記事の中で、昨年1年間のページビュー数ランキングで第2位を記録した「2015年10月から公的年金の受給資格期間が最低25年から10年に短縮の予定(2012年10月8日)」というコラムがあるが、この記事は弊サイトの訪問者の方々に高い関心を持ってお読みいただいているようだ。
厚生労働省のウェブサイトにある社会保障・税一体改革関連施策の一つである年金の受給資格期間の短縮は、社会保障制度改革の道筋を示したプログラム法(持続可能な社会保障制度の確立を図るための改革の推進に関する法律)の第6条(公的年金制度)で規定され、具体的には、年金機能強化法(公的年金制度の財政基盤及び最低保障機能の強化等のための国民年金法等の一部を改正する法律)で、国民年金法第26条(老齢基礎年金の支給要件)や厚生年金保険法第42条(老齢厚生年金の支給要件)の最低受給資格期間を25年から10年に改正することが定められているのだが、これに要する財源は、プログラム法の第28条(財源の確保)、及び年金機能強化法の第3条で「社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本的な改革を行うための消費税法等の一部を改正する等の法律の施行により増加する消費税の収入を活用して、確保するものとする。」となっており、簡単に言えば、消費税が10%にならなければ、公的年金の受給資格期間の短縮はない、と法律に明記されているのだ。

私がいつも思うに、なぜ社会保障政策だけは消費税増税の人質みたいなことになるのだろうか。
確かに社会保障費が国家財政の圧迫要因の一つだというのは間違いないし、少子高齢化の加速に伴って、今後ますます歳出が増えるのでそれを抑制したいということなのだろうが、老齢年金受給要件の緩和は、無年金者を少なくして、生活保護費を抑制できる側面もあるし、多少なりとも年金保険料の納付意欲の向上につながるかもしれないのだから、国民の心を萎えさせるようなことはやめるべきではなかろうか。
もっとも、年金保険料を10年払っても、それだけで生活が成り立つわけがない、というのは2012年10月8日付のコラムにも書いたとおりだし、ブログのコメント欄に投稿いただいたcedarさんの書かれているとおり、障害年金や遺族年金の受給要件は改正法施行後でも受給資格期間の短縮規定が適用にならないので注意が必要だ。
いずれにせよ、今年の10月から老齢年金の最低受給資格期間が25年から10年に短縮になるというのはお預けとなりそうだ。
それにしても、政府は破綻同然の公的年金制度をいつまで存続させるつもりなのだろうか。

ところで、1月9日付の読売新聞「整備新幹線を前倒し開業・・・北陸3年、北海道5年」の中で、「8日に首相官邸で開かれた政府・与党の作業部会で確認した。開業前倒しに必要な約5400億円の財源確保について、自民党の稲田政調会長は『財政上、技術的な問題について解決の見通しが付いた』と記者団に語った。」とあるが、整備新幹線の前倒し建設の財源は捻出できても、社会保障費は捻出できないのだろうか。
投資効果が懸念される地方都市の高速鉄道建設こそ、消費税が10%になるまで待っても問題なかろう、と思うが、元来が公共事業利権の政党である自民党はこれが本来の姿なのだろう。
産経新聞の記事では「プログラム法(持続可能な社会保障制度の確立を図るための改革の推進に関する法律)では消費税10%増税時の実施を明記しており、政府・与党は財源確保は難しいとして再増税前の実施を見送る意向を固めた。」とあるが、法律を作ったり、変えるのが国会議員(Diet lawmaker)の仕事なのだが、日本のほとんどの政治家(politician)は何か勘違いしていないだろうか。
また、これらのことを記者会見場や当事者に質問できない日本のマスメディアの存在価値は何なのだろうか。

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低所得者の年金上乗せ、先送りへ・・・政府方針 (2015.1.6 読売新聞)

消費税率10%への引き上げを前提に、政府が2015年度に行う予定だった社会保障充実策のうち、低所得者の年金への上乗せ給付や、年金受給資格の短縮などが1年半先送りされることになった。
待機児童の解消などの子育て支援や難病患者への支援などは当初計画通り拡充する。

■育児・難病支援 予定通り

当初計画通り2015年10月に消費税率を10%に引き上げれば、社会保障充実分として2015年度に1.8兆円程度が確保できるはずだった。
しかし、増税が先送りになり、社会保障充実に回せるのは1.35兆円にとどまることになり、限られた財源の範囲内で優先順位を付ける。
14日に閣議決定する2015年度予算案に反映させる。

消費税率8%への引き上げ時に「簡素な給付措置」として導入した低所得者向けの「臨時福祉給付金」は、減額したうえで継続する。
2014年4月から1人1万円(年金受給者は5000円上乗せ)を1回だけ支給しているが、2015年10月からの1年分として6000円を支給する。
増税を先送りする期間も負担軽減策が必要と判断し、約1500億円を計上する。
子供のいる世帯に対し、2014年度は消費税率8%への引き上げに伴って子供1人当たり1万円の給付金を配ったが、2015年度は給付金を支給しない方向だ。
年金を受給する低所得者に対し、給付金を上乗せする措置や、年金の受給資格を得るための期間を25年から10年に短縮する制度は、消費税率10%への増税まで延期する。

一方、子育て支援や難病対策は推進する。
保育園に入れない待機児童を解消するため、保育園を増やし、職員の人員や待遇を改善する子育て支援に約5000億円を計上する。
2015年度は、8万人を受け入れる予算を付ける。

介護保険料は、一定の年収に満たない人の負担を軽くする措置に数百億円計上する一方、事業者に支払う介護報酬は9年ぶりに減額する。
財務省は実質4%の引き下げを目指すが、厚生労働省は微減にとどめたい考えで、2015年度予算案の決定まで交渉はもつれそうだ。
社会保障費は、高齢化に伴う「自然増」で31兆円台となり、最大を更新する見通しだ。

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消費再増税延期 年金改革先送り固める 政府・与党 (2014.12.1 産経新聞)

■財務省は財源確保苦慮

消費税率10%への引き上げが1年半延期され、財務省は平成27年度予算編成における、社会保障の充実策の財源確保に苦慮している。
あてにしていた消費税再増税に伴う増収分の予算が減り、年金や医療など暮らしに関わる政策の財源確保は厳しい状況だ。
社会保障の充実策の財源は、医療や介護制度改革の道筋を示したプログラム法で、消費税の増収分を充てると定められた。
消費税収以外の財源は原則使えないため、消費税増税の延期により、充実策の財源は27年度が4500億円、28年度が1兆3500億円、それぞれ想定より減少する。
再増税実施を予定する29年度も、想定より3千億円程度目減りし、予算は総額計2兆円以上不足する。
再増税延期で影響を受けるのは、低年金者へ年6万円の給付金支給(5600億円)や、年金受給に必要な加入期間を25年から10年に短縮する年金改革(約400億円)だ。
プログラム法では消費税10%増税時の実施を明記しており、政府・与党は財源確保は難しいとして再増税前の実施を見送る意向を固めた。

来年4月から始まる「子ども・子育て支援新制度」は、「子育てをしている方々への支援はしっかりとやっていく」(安倍晋三首相)方針。
ただ、安定財源を確保できなければ、保育環境の改善が中途半端になり、待機児童解消が進まない懸念もある。
一方、社会保障費の歳出削減では、財務省は後期高齢者の保険料軽減措置の縮小や、中小企業の従業員を対象とする協会けんぽへの国庫補助率の引き下げなどで、予算確保を目指す考え。
消費税再増税を前提に予定していた国民健康保険を運営する市町村への財政支援(1700億円)や、65歳以上の介護保険料の低所得者軽減強化(1350億円)などの施策は遅れる恐れがある。
保険料の引き上げなど個人負担の見直しが先行すれば、家計にしわ寄せが行きかねない。

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(注1)消費税率を8%から10%に上げる際に、「経済状況等を総合的に勘案した上で、その施行の停止を含め所要の措置を講ずる。」としていた、いわゆる景気条項「社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本的な改革を行うための消費税法等の一部を改正する等の法律(平成24年8月22日法律第68号)附則第18条(消費税率の引上げに当たっての措置)第3項」は、「所得税法等の一部を改正する法律(平成27年3月31日法律第9号)第18条(社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本的な改革を行うための消費税法の一部を改正する等の法律の一部改正)」により削除されました。
また、同条の規定により消費税率が10%になる日が2015年(平成27年)10月1日から2017年(平成29年)4月1日になることが確定しております。(参考:2015年4月2日 リストラおやじのあぶない生活!- 消費税10%が2017年4月に決定

(注2)本件記載の無年金者救済法は、第192回国会(臨時会)に提出された「公的年金制度の財政基盤及び最低保障機能の強化等のための国民年金法等の一部を改正する法律の一部を改正する法律案(改正年金機能強化法案)」が2016年11月16日に可決成立したことにより実施される予定です。(2016年11月16日 時事ドットコムニュース-受給資格を10年に短縮=改正年金機能強化法が成立

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コメント

与太郎さん、こんにちは

まさにその通りで、お互いになれ合いの雰囲気で記者会見しているから異分子(この場合は池上氏)が混ざると怒ったり、慌てふためいたりするのでしょうね。

投稿: カルロス | 2015.01.12 11:16

>また、これらのことを記者会見場や当事者に質問できない日本のマスメディアの存在価値は何なのだろうか。

 まさにその通りで仮に質問しても、のらりくらり逃げられており、本質を追究できないと言うことは内容が分かっていない証拠ではなかろうか。

 私はテレビを見ないが選挙開票速報中の池上氏の追求は鋭い物で、あまりにも本質を追究されるから共産党委員長など怒り出していたらしい。こういうことは本当に分かっている人でないと質問できない事と思う。

 形だけ質問するのではなく、本質に切り込んで欲しいものである。

投稿: 与太郎 | 2015.01.12 10:39

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