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2014.12.20

健全な野党がないのが日本の最大の政治的欠陥

去る12月14日に第47回衆議院議員総選挙が行われ、安倍晋三首相率いる自民党が、2年前の総選挙で得た議席をほぼ維持する形で圧勝した。
これで第三次安倍内閣の誕生は確定的だが、彼の最大の功績はアベノミクス(経済政策)でなく、敵対的周辺諸国(中国・韓国・北朝鮮)に毅然と対峙したことだろう。
独立国家の最大の使命は、その独立を脅かす脅威に立ち向かうことであり、そういった意味では第二次安倍内閣は良くやったと思う。
一方の内政面では、安倍内閣の政策は支持できるものと、できないものがあり、原発村の利権を温存する形で、国民の健康を度外視し、ほとんど無条件に原発を再稼働させるような政策や、マスコミを始めとする既得権者の利益を温存させるようなスタンスは支持できない政策の筆頭である。
また、基本的に自民党は資本家側の味方なので、サラリーマンや社会的弱者の立場からすれば支持できない政策も多いし、長期政権がもたらす権力者側の腐敗も多い。
それに自民党が暴走しないように牽制勢力を育成したいという意味でも、私は過去の選挙において非自民の政党に投票することが多かった。

普通の民主主義国家の政党ならば、与野党を問わず国防や安全保障政策で「国を守る」という点に食い違いがあることがおかしいのであって、それ以外の政策の違いを競うのが本来のあり方だと思う。
戦後の日本は1990年代まで、なぜか「国防をしなくていい」と主張する政党(旧社会党、現在の社会民主党)が常に最大の野党であり、憲法改正の議論ですら彼らによって邪魔されて続けてきた。
私の政治的スタンスは非自民であっても、国防だけは譲ることのできない政策だから私の投票先はほとんど中小政党の候補者だった。
21世紀になって、その社会民主党が没落し、2009年8月の総選挙で民主党が政権を自民党から奪取したときに、これでようやく日本にも健全な政党政治が宿ると私は思った。(2009年9月2日-民主党怒涛の308議席、ついに政権交代
私が民主党を応援したきっかけは、2002年10月に凶刃に倒れた故石井紘基議員の存在が大きかったと思う。(2004年6月18日-石井議員の死の陰でふざけた奴らが笑っている
彼こそ自民党政権下で続いた政官財の腐敗を糺せる正義の志士だと思っていたし、民主党には彼の遺志を継ぐ人材が残っているのではないかと期待したからだ。(故石井紘基衆議院議員が命を賭けた官僚総支配体制の打破

ところが、民主党政権の内政・外交政策を見たとき、それは大きな勘違いで、彼らの多くはとんでもない政治家だったことに気付いた。
それは菅内閣の醜態を見たことがきっかけだろうか(2010年7月10日-参議院選挙期日前投票、今回は「みんなの党」へ 2010年9月28日-尖閣衝突事件に思う)、薬害エイズ事件に関して国民から喝采を浴びた橋本内閣(自民党)の厚生大臣のときの菅直人と、民主党政権で首相の座についたときの彼とはまるで別人のようだった。
そればかりでなく、民主党政権は日本がリーマンショック後の超円高、あるいは東日本大震災によって国難に喘いでいるときにさえ無為無策であったがために、結果的に敵対的周辺諸国(韓国や中国)の利益に貢献した。
2年前の総選挙で民主党が自民党に政権を奪われたのは必然とも言えるが、第二次安倍内閣の2年間で、彼らの内政に不満があっても、野党第一党の民主党は「売国政党」と呼ばれて怨嗟の的となっており、有権者の選択肢がほとんどなくなっていた。

今回の選挙で、非自民の政党を応援するなら、橋下徹代表(大阪市長)のアクが強すぎるが、維新の党くらいだっただろうか。
ちなみに、私が選挙区外の候補者で気になっていた、第186回国会(常会)予算委員会で歴史認識問題における河野談話に関して「神質問」をしたと称賛された女性議員、杉田水脈氏は今回の選挙で最下位落選(兵庫6区)の憂き目にあった。
彼女の属している次世代の党は、インターネット上では人気を博しているように見えたので、今回は比例選に票を投じてみたが、フタを開けてみると惨敗という結果に終わっていた。
この原因は結党したばかりで世間、特にアナログ世代の認知度が低かったことに加え、第三極と呼ばれる政党の離合集散に嫌気が差した有権者が多かったに違いない。
結果的に、今回の選挙は自民党に対抗し得る野党がなかったことで投票率は下がり、組織票で勝る公明党共産党が躍進した。

おそらく、このままいけば今後10年間は、日本の政界に自民党に対抗しうる野党は存在しないだろう。
そして、今回の選挙で安倍政権がさらなる信任を受けた直後に、財務省は消費増税延期の仕返しとばかりに、来年度予算編成において介護報酬の引き下げ(2014年12月17日-毎日新聞:介護報酬:引き下げへ・・・来年4月、3%軸 政府方針)をすると発表した。
こういったことを塩崎恭久厚生労働大臣が元々承知していたのか、あるいは狡猾な霞が関の官僚たちが自民党の高支持率を背景に罠を仕掛けたのかはわからないが、自らの利権に関係ないところは、ここまで冷酷になれることに呆れるとともに、もはや日本は行きつくところまで行くしかない、という感じにしか思えなかった。

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