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2014.02.08

各国税務当局がオンラインによる非居住者口座情報共有化へ

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東京が20年ぶりの記録的な大雪に見舞われているとき、海外投資家にとっては、各国の非居住者口座の行方が気がかりになるニュースが飛び込んできた。
欧州評議会(Council of Europe)と、経済協力開発機構(OECD)加盟国間で締結された、国際的な脱税及び租税回避行為に対処するための税務行政執行共助条約(租税に関する相互行政支援に関する条約)に続いて、いよいよ主要20ヶ国・地域(G20)の税務当局間でオンラインによる非居住者口座情報を共有化しようという動きが出てきたからだ。

これらの政策が、どこまで実効性を持つようになるかわからないが、一つだけ確実に言えるのは、非居住者口座の開設がこれまで以上に難しくなるばかりでなく、既存の口座も強制的に解約させられてしまうのではないか、という懸念が出たことだ。
事実、米国の証券会社であるTD Ameritradeはそうさせられたし(2012年9月29日-TD Ameritradeが2012年10月末で日本を含む特定国の居住者の口座を強制閉鎖へ)、Firstradeも新規口座開設が認められなくなった。(2013年12月1日-Firstradeが2013年11月1日から日本人を含む特定国籍者の新規口座開設を停止

本日付のNEVADAブログの「報道(海外口座情報が丸裸に)」というコラムでは、「すでに世界中で口座を閉鎖して、【ダイヤモンド】や【絵画】、【稀少金貨】、【ワイン】と言った名義の残らない現物資産に転換している世界中の資産家が多くなっていますが、今後はこの動きが中堅層にも拡大するはずであり・・・」と書かれているが、私にはほとんど無縁の世界である。(苦笑)
私は自分でも勉強を兼ねて「海外口座を使った場合の株式譲渡所得の申告」や、「外国株式等の配当所得と損益通算」というコラムを書いてきたし、確定申告もまじめにやってきているが、面倒だとか、当局にはわからないだろうということで、全く申告していない人は気をつけた方がいいかもしれない。
国税庁も海外口座情報を得た人全員の税務調査をやれるほどのマンパワーはないだろうが、ターゲットを絞って一罰百戒とばかりに摘発する可能性はあるからだ。
今後は特に気をつけないといけないのが、海外口座に邦貨換算で5千万円以上の資産があるのに、国外財産調書を出さなかったというケースだろうか。
国税庁がコンピューターでマッチングするのに、これほどわかりやすいケースはなさそうだからだ。

ところで、最近になって、HSBC香港の新規口座開設が困難になってきている(香港公認IFAの資産防衛遠略策-2013年11月16日-HSBC香港口座開設最新状況 香港マイタン日記-2013年12月17日-HSBC香港 口座開設が困難に)という話を聞くが、私の経験で言わせてもらっても、海外口座の維持管理は相当に大変だし、一方で、日本の証券会社でもマネックス証券のように、2013年12月から米国株や米国ETFが特定口座で取引可能になるなど、利便性が上がってきているので、特段の目的がなければ、わざわざ海外の金融機関に口座を開くこともないように思える。
それでもあえて香港まで行ったとして、パーソナル・インタグレーテッド・アカウント/旧スマートバンテージ(Personal Integrated Account/ex Smart Vantage Account)を作って、口座維持手数料のかからない最低預入額(10,000香港ドル=約13万円)を満たす程度のデポジット(initial deposit)しか用意できない人など、何に使うのか相手から訝られてもおかしくないと思う。
もちろん、HSBC香港を投資資金の出し入れのためのハブ口座として使うことを自分で説明できる人は別であるが、たとえそうであっても、英語が話せないと言って、通訳を同行したり、口座開設ツアーを使うなど正気の沙汰とは思えない。
要するに、そういう人たちは銀行側にとって利益にならないのだから口座開設を拒否されても仕方ないと言えよう。

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海外口座情報を共有 課税逃れ防止、G20合意へ 国税当局間、オンラインに (2014.2.8 日経新聞)

日米欧など主要20カ国・地域(G20)は資産隠しや税逃れを防ぐため、課税対象者が海外に持つ銀行口座の情報を得やすくする新たな仕組みをつくる。
22、23日にオーストラリアで開くG20財務相・中央銀行総裁会議で合意し、2015年末までの導入をめざす。
把握が難しい海外の口座情報を税務当局がオンライン上で提供し合う。
主要国が連携し、課税回避の動きに歯止めをかける。

G20で、34カ国が加盟する経済協力開発機構(OECD)が非居住者の口座情報を多数の国で共有する新たな統一ルールを提案する。
対象となるのは、その国に住んでいない人の口座の名義人や口座の残高のほか、海外との資金のやりとりなどの情報だ。

外国にある金融機関の口座情報は把握が難しく、税逃れが各国で問題になっていた。
今後は各国の金融機関が定期的に情報を入力し、国税当局間のオンラインネットワークで公開する。
税務当局は課税対象者の海外の口座情報を瞬時に得られるようになる。

各国はこれまで課税逃れを防ぐため、互いに租税条約を結んで情報を共有してきた。
2011年に欧州有名ブランドの元日本法人社長の遺族がスイスの金融機関に遺産約25億円を隠していたケースなど、悪質な際は税務当居が個別に連携してきた。
ただ通常は海外からの入金情報などを一度CDに記録して不定期で相手国に送る程度だった。
国によっては2年に1度しか情報提供がないなど、情報収集や分析に時間がかかっていた。

新しい仕組みでは、オンラインシステムを通じて常に最新の情報が把握できるはか、入金情報だけでなく、口座残高などの情報も共有する。
例えば、日本人のAさんが米国の金融機関に1億円相当の預金を持っていても、海外との資金移動がない場合は日本の国税当局は把握が難しかった。
今後はAさんに脱税の疑いがあればすぐに米国の口座情報を得て調査できる。

新たな枠組みには中国などG20の新興国も加わる見通し。
英国が参加するため、タックスヘイブン(租税回避地)の英領ケイマン諸島なども対象となる予定。
今後はOECD加盟国にも参加を呼びかける。
ただ金融機関にとっては手間やコストなど負担が増すほか、非居住者の口座情報すべてを提出することに慎重な国が出る可能性もある。
参加国を増やし、実効性を高められるか課題も残る。

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