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2013.02.21

マネロン防止法の強化で海外送金を拒否されることもあり得るのか

マネー・ロンダリング防止法(犯罪収益移転防止法/犯罪による収益の移転防止に関する法律)の改正法が、再来月(2013年4月1日)から施行される。
この法改正は、みずほ情報総研の「改正犯罪収益移転防止法により重要性を増すアンチ・マネー・ローンダリング(AML)」というレポートによれば、金融活動作業部会(FATF/Financial Action Task Force on Money Laundering)が2008年10月に公表した日本の対応状況に関する審査結果報告書(Mutual Evaluation of Japan)が契機となっているそうだ。
それに伴い、今年になって私のところにはペイパル(PayPal)から「重要:本人確認手続きのお願い/このメールを受け取られてから45日以内にお手続きを完了してください。」という件名で、「弊社が日本で資金移動業者としてビジネスを展開するにあたり、犯罪による収益の移転防止に関する法律に基づき本人確認を行うことが義務付けられています。」という内容の電子メールが送られてきた。

それによると、日本国籍者の場合、運転免許証か写真付の住民基本台帳カードをスキャンしてアップロードせよ、とあり、それらがない場合は、パスポートか健康保険証に、公共料金あるいは公租公課(税金)の領収書をプラスせよとあった。
そして、それらがアップロードされたことがペイパル側で確認された後、自宅宛にパスワードが印字された圧着ハガキが送られてきて、それをオンライン入力して、手続きが完了となった。
ちなみに、私がペイパルでアカウントを作ったときは、英語のサイトしかなく、本人確認書類など要求されてなかったので、それがマネー・ロンダリング防止法(犯罪収益移転防止法/犯罪による収益の移転防止に関する法律)の改正で必要になったのだろう。

ところで、JAFIC(Japan Financial Intelligence Center:警察庁刑事局組織犯罪対策部 犯罪収益移転防止管理官)のウェブサイトに掲載されたマネー・ロンダリング防止法(犯罪収益移転防止法/犯罪による収益の移転防止に関する法律)の概要によると、改正法施行後は、ネット銀行や証券会社、オンライン送金業者などの非対面取引業者にアカウントを登録するためには、私がペイパルから要求されたように、本人確認書類のコピーの提出と、業者から書留郵便で送られてくる書類が到着したことをもって登録が完了するという手筈になるようだ。
要は、双方にとって今まで以上に手間とコストがかかるようになるわけで、安価に海外送金できる銀行として人気のあったロイズ銀行(Lloyds TSB Bank)が、3月4日付で海外送金サービスを、新生銀行のGoレミットとして事業譲渡するのもこのあたりに事情がありそうだ。
もしかすると、私が2011年2月13日に紹介した小口の海外送金業者は今後数年間に事業から撤退する可能性があるとも言えまいか。

さて、この記事に関連して、香港マイタン日記に「海外送金の手続きが難しくなって来た??」という記事が掲載されていて、「最近、海外送金をしようとした人から、銀行に送金を拒否されたなどという話を時々聞く。銀行の窓口で海外送金しようとしたら、目的をいろいろと聞かれ、投資であるならその投資商品の詳細や契約書などの資料提出を求められたりするそうだ。そして資料を提出するまでは海外送金に応じてくれないという事態も起きている。」とあった。
ワールドインベスターズの友人であるKさんからは、某日系大手銀行では海外在住の親族(外国人)に送金しようとしたところ断られた人がいる、という話をされた。

マネー・ロンダリング防止法(犯罪収益移転防止法/犯罪による収益の移転防止に関する法律)の改正法の施行後は、国内の金融機関に新規に口座を開いたり、為替の取引をするのは「特定取引」になり、従来の本人確認に加え、取引を行う目的や職業(法人の場合は事業内容)まで申告しないとならなくなる。(改正後の犯罪による収益の移転防止に関する法律第4条第1項)
現役世代で無職の者、例えば私が数年後に早期退職した後は、国内で銀行や証券会社に口座を開いたり、外貨の両替やトラベラーズチェックの作成ですら、銀行員に訝られることになるのだろうか。
もしかして、それが嵩じて銀行によっては嫌がらせのようなことが起きているのだろうか。

また、私が推測するに、取引(口座)のない銀行に現金を持ち込んで海外送金しようとすると、今後はますます断られることになることも予想される。
改正法の施行後は、過去に本人確認が十分にできていない顧客の取引は、本人へのなりすましが疑われる「ハイリスク取引」になる可能性もあるからだ。
そういった場合、顧客の資産や収入の証明も必要になり(改正後の犯罪による収益の移転防止に関する法律第4条第2項)、窓口でトラブルになることもあるだろう。
結局のところ、口座を持たない人は金額にかかわらず、海外送金を受け付けない、となる可能性があるからだ。
でも、簡単に海外送金ができる銀行と、難癖付けているのか、と怒鳴りたくなる銀行と、これだけ差があるのはどういうことなのだろうか。
このあたりのことも、4月以降に海外送金手続きに変化が出てくれば、体験談がネット上で報告されることだろう。
いずれにしろ、日本がますます金融鎖国への道を歩んでいるという感じがするのは私だけだろうか。

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受信: 2014.08.07 21:11

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