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2012.10.30

フィナンシャルタイムズが伝える日本の国債発行に対する懸念

去る14日、私は「日本の財政危機は今年度(2012年度)中にやってくるのか」というコラムを書いた。
今の政治情勢を見ているとそれが近いうちに現実化するような気さえしてくる。
そのような中で、昨日、ようやく臨時国会が開かれたが、野田佳彦首相の所信表明演説は衆議院のみで行われるという前代未聞の事態となった。
市場関係者は、特例公債法案の行方に強い危機感を持っているようだが、当の国会議員たちは衆議院の解散後にいかに当選確率の高い新党へ潜り込むかということで頭がいっぱいのように見える。
このままいけば、何の法案も成立しないまま年末の総選挙に突入し、来年の初めに政府が資金ショートを起こす可能性すらある。
いっそのこと、そうなってしまえば、来る審判の日の予行演習になっていいではないかという意見もチラホラ聞える。

一方で、今は欧州危機への懸念の方が国際ニュースバリューがあるために、ちょっとしたことで為替は円高に振れる。
ところが、資金逃避先とされている日本の政治が全く機能しないことが世界的に注目を浴びれば、一気にそれは逆流しかねない。
今年になって野党である自民党は参議院での多数を利用して、少しでも気に入らない民主党内閣の閣僚を辞任させるために、問責決議を乱用し過ぎているように見える。
いくら問責決議に法的拘束力はないと言えども、問責決議が可決されれば、当人が辞任するまでは国会審議に応じない、法案も通さないとしているのだから、実質的には不信任決議と同じだ。
このことは衆参で多数派が異なる、いわゆるねじれ国会になっている限り続く政治的セレモニーとなる。
仮に、今度の総選挙で日本維新の会が比較第一党、あるいはイニシアティブを握る立場になってもそれは変わらないように見える。

ただでさえ金利に魅力がない日本国債が、価格の安定感も失うようなことがあれば、それを引き金として日本の財政危機が世界的な注目を浴びるようになるだろう。
「政府が物事をうまく回し続ける方法は、誰も立ち止まってこの状況について考えないようにすることだ。(The way the state keeps the show on the road is by making sure no one stops to think about it.)」
これが真理ならば、誰かが立ち止まって考え始めた途端に日本の国債は暴落することになる。
市井の本などには、日本の国債はほとんどが国内で消化されているから安定度は抜群である、との主張がされていることも多い。
しかし、それが空虚な期待に過ぎないことは、今回の債券ディーラーの慌てぶりからも窺える。
今や企業の資金需要の低下で融資が減少し、その分、国債の保有で収益を得ている日系金融機関にとって、ババを引きかねない状況になれば、我先に国債の投売りに走ることは容易に想像できるからだ。
「東京で広がる不安は、世界最大の債券マシンがガタピシいう音に関心を引き付けることによって、政府が外国人投資家を追い払ってしまう恐れだ。(The fear in Tokyo is that, by drawing attention to the clankings and the whirrings of the world's biggest debt machine, the government risks scaring them away.)」
果たして追い払われるのは外国人投資家だけで済むのだろうか。

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Cracks in Japanese bonds merry-go-round (Financial Times By Ben McLannahan October 25, 2012)
日本国債の回転木馬に現れた亀裂 (2012.10.29 Japan Business Press)

Japan's government debt is pretty terrifying, if you stop to think about it. Gross borrowings and guarantees in excess of one quadrillion (thousand trillion) yen amount to about Yen 8m ($100,000) for every man, woman and child.

ふと立ち止まって考えると、日本の政府債務はかなり恐ろしいものだ。
1000兆円を超える政府の債務と保証債務の残高は、国民1人当たり約800万円にもなる。

The sum, which amounts to 235 per cent of GDP, also keeps growing. For each of the past four fiscal years, the Ministry of Finance has collected more money by selling bonds than through taxes. It will probably do so again next year. The way the state keeps the show on the road is by making sure no one stops to think about it. Every auction of every bond happens exactly when the MOF says it will happen, up to a year in advance, in the quantities and maturities advertised. Once every couple of months, the biggest 25 bond dealers, obliged to bid at debt sales, are invited into the MOF to discuss how the process can be polished.

しかも、国内総生産(GDP)比235%に相当する残高は増え続けている。
過去4年間、財務省は毎年、税収よりも多くの金額を国債発行で集めてきた。
恐らく来年度もそうするだろう。
政府が物事をうまく回し続ける方法は、誰も立ち止まってこの状況について考えないようにすることだ。
すべての国債入札は毎回、財務省が実施されると言った時に必ず行われる。
2~3カ月に1度、国債の発行で入札を義務付けられている有力債券ディーラー25社が財務省に招かれ、どうすれば発行プロセスを円滑に進められるか話し合う。

But this time the dealers have invited themselves and that could be very worrying for the government.
だが今回は、ディーラー側が自分の方から押しかけてきた。
これは政府にとって非常に憂慮すべきことかもしれない。

No one seriously expects the political stand-off over the deficit-financing bill - which would allow the government to raise about 40 per cent of its Yen 92tn budget for the year to March 2013 - to result in anything other than a compromise. Prime minister Yoshihiko Noda will honour his late-summer promise to call an election, and opposition parties will wave the bill through before the end of the extraordinary parliamentary session in November.

赤字国債法案-2012年度(2013年3月までの会計年度)予算92兆円の約40%の資金を政府が調達することを認めるもの-を巡る政治的な行き詰まりが妥協以外のもので終わるとは誰も思っていない。
野田佳彦首相は総選挙を行うという今夏の約束を守るだろうし、野党は11月に臨時国会が閉会するまでに赤字国債発行法案を通過させるだろう。

When it comes down to it, no one wants to be seen to be threatening the state's ability to pay pensions. "Politicians aren't that stupid," says one rates trader.

結局のところ、誰も国の年金支払い能力を脅かしていると見られることは望んでいない。
「政治家はそれほど馬鹿ではない」とある債券トレーダーは言う。

But the spotlight on Japan's finances is hot and uncomfortable. Even if they do not really believe it will happen, dealers in Tokyo are being forced to work through scenarios in which debt sales are put on hold until the new ordinary Diet session in January.

だが、日本の財政に当てられたスポットライトは熱くて不快なものだ。
東京のディーラーは、それが本当に起きると思っていないとしても、来年1月に次の通常国会が開かれるまで国債発行が停止されるというシナリオと向き合わざるを得なくなっている。

One outcome might be that bond prices soar as the big Japanese banks, insurers and pension funds which are the mainstay of the market chase a suddenly-limited pool of assets. Alternatively, prices plunge, prompted by fears that huge issuance after the bill's eventual passage will result in failed auctions.

1つの結果は、市場の頼みの綱である日本の大手銀行、生命保険会社、年金基金が、急激に限られたものになる資産のプールを追いかけることによって、国債価格が急騰することかもしれない。
逆に、赤字国債発行法案が最終的に成立した後の大量発行で入札が失敗に終わるのではないかという不安に駆られて、国債価格が暴落することかもしれない。

Either way, it would hurt. And it might not be long before the realisation dawns that spending freezes will inflict further damage on Japan's fragile economy - perhaps three times as severe as the impact of last year's earthquake and tsunami, according to Nomura estimates. That, in itself, could trigger a sell-off.

どちらにしても、打撃は避けられない。だが、支出の凍結が日本の不安定な経済にさらなるダメージを与える-野村証券の試算では、場合によっては昨年の地震と津波の影響の3倍も厳しい打撃になる恐れがある-との理解が広がる日はそう遠くないかもしれない。
このような事態になれば、それ自体が相場急落の引き金になる恐れがある。

That is to say nothing of the role of foreign investors. For most of the past couple of decades, they have played a walk-on part in Japan's bond market. Now, thanks largely to flows seeking havens from the eurozone crisis, they hold almost a tenth of it.

外国人投資家の役割については言うまでもない。
過去数十年間の大半の期間、外国人投資家は、日本の債券市場で通行人の役を演じてきた。
今は、もっぱらユーロ圏危機からの安全な避難先を求めて資金が流れ込んでいるおかげで、外国人が日本国債のほぼ10分の1を保有している。

Although much of that cash is simply sheltering in short-term bills, awaiting some kind of resolution in Europe, a lot of it has been spilling into longer-term bonds too, which are prized for their low volatility, relative to German or US equivalents. A big withdrawal of that foreign money - whether prompted by falling prices, or just the fear of falling prices - could cause friction.

その資金の多くは、ただ短期国債に逃げ込んで、欧州で何らかの解決が見られるのを待っているだけだが、ボラティリティーが低いために珍重されている長期国債に流れ込んでいる資金もかなりある。
価格下落に促されるにせよ、ただ価格下落への不安に促されるにせよ、そうした外国人投資家の資金が大量に引き揚げられれば、摩擦を起こす可能性がある。

Nobuyuki Hirano, president of Bank of Tokyo-Mitsubishi, put it nicely at an International Monetary Fund event this month in Tokyo. Foreigners are not buying Japanese bonds because they think they are a good investment, he said, but because of "expectations of a stable economy and, probably, a stable society in the future".

三菱東京UFJ銀行の平野信行頭取は、今月東京で行われた国際通貨基金(IMF)のイベントでうまいことを言った。外国人が日本国債を買っているのは、日本国債が良い投資先だと思っているからではなく、「将来の安定した経済と恐らく安定した社会への期待」からだ、と述べたのだ。

The fear in Tokyo is that, by drawing attention to the clankings and the whirrings of the world's biggest debt machine, the government risks scaring them away.

東京で広がる不安は、世界最大の債券マシンがガタピシいう音に関心を引き付けることによって、政府が外国人投資家を追い払ってしまう恐れだ。

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2012.10.15

TD Ameritradeの口座閉鎖に伴いFirstradeに口座を開設

去る9月15日、台湾・香港旅行に行っていた私はTD Ameritradeから送られてきたAction Required: Business Policy Impacting Your Account(必要な対策:貴方の口座に影響を与える経営方針)というメールを見た。
このときは何やら面倒なものが送られてきたな、ということで帰国してからゆっくりと読もうと思い、そのまま観光に出かけた。
そして、9月19日、今度はImportant: Corrected information on foreign policy email sent last week(重要:先週のe-mailにおける対外政策の情報訂正)というもので、その内容については弊サイトに9月29日付で「TD Ameritradeが2012年10月末で日本を含む特定国の居住者の口座を強制閉鎖へ」ということで掲載した。
そして、私はそこで書いたようにHSBC香港の米国株口座Firstradeの双方に口座を持つことにして手続きを開始した。

Firstradeの口座開設については、極めて簡単で、ウェブサイトの右上にある「OPEN AN ACCOUNT(口座開設)」のロゴをクリックすると、It only takes 10 minutes to open an account(口座開設にはわずか10分しかかかりません)という表示が出る。
その下に、If you have a referral code please enter it here.(紹介番号をお持ちの方は、それを入力してください)と書かれたところがあるが、もし、貴方の知り合いにFirstradeの口座保有者がいるようなら、referral code(紹介番号)を送ってもらい、それを入力することにより、口座開設後に優待サービスが受けられる。(紹介者はUS$50の報奨金をもらえる
紹介番号を入力後(それがない人は何もせずに)、Are you a United States citizen or greencard holder?(貴方は米国の市民権あるいは永住権を持っていますか)の質問に答えると、次に進むことができる。
次の質問はDo you currently reside in the United States?(現在、米国に居住していますか)で、いずれもNoと答えると、以下のメッセージが出るので、英語表記での回答を準備して次の画面に進めばいい。

Please have the following information on hand for each applicant before proceeding.(次に進む前にそれぞれの申請者について以下の情報を準備してください)

・Official name(公式の氏名) これはパスポートに記載された氏名という意味だ。
・Date of Birth(生年月日)
・Permanent address of residence(現住所)
・Employer's name and address (if applicable) (職業を持っている人は勤務先の名称と所在地)
・Valid passport or government-issued photo identification(有効な旅券又は政府が発行した写真付きIDカード)

その後は画面に沿って個人情報を入力していくことになるが、この先のことについては、Let's Firstrade!(レッツ・ファーストレード)といった親切な個人サイトが存在するので、これに沿って手続きすれば、多少画面が違っていても何の問題もないだろう。
もし、ここで躓くような、先々でTD Ameritradeのように規則(regulation)が変わった場合に、対応が困難になるので、米国での口座開設はやめておいた方がいい。
蛇足ながら、口座開設の際はMargin(信用口座)はチェックを入れておくといい。
海外投資実践マニュアル アメリカ2」にあるように、日本の信用取引とは若干システムが異なるが、最初に追加しておいた方が後々面倒がなくていい。

オンライン申請が終わると、Welcome to Firstrade!という件名のメールが送られてくるので、サイン(日本語でも可)をした口座開設申請書とW-8BEN(書類の書き方は2011年5月18日「IRS Form W-8BENの更新」を参照)、それにパスポートのコピーを添えて郵送すればいいことになっている。
私は10月1日に書類をEMSで発送して、先方からは10月6日(現地時間で10月5日)にYour Firstrade Account is Approved & Ready for Funding and Trading!(口座開設書類の承認及び資金提供と取引の準備完了)のメールが来たので、かなりスムーズに口座開設ができるようだ。

ちなみに私はTD Ameritradeから口座移管をするので、その書類も合わせて出した。
詳しくは海外投資を楽しむ会のウェブサイトにTD AmeritradeからFirstradeへの口座の移管方法についてという記事が掲載されているが、意外と忘れやすいのは元の証券会社のstatement(口座明細書)で、私もそれを付け忘れたためにメールで督促が来た。
口座移管の手続きは開設の同日でなく、翌営業日になるようで、Account Transfer in Progress(口座移管手続き中)のメールが来たのは10月9日(現地時間で10月8日)になっていた。
This transfer request will be processed on 10/09/12. Please be aware that an account transfer generally takes up to 10 business days to process.Once this transfer is completed, we will inform you immediately.(口座移管の手続きは10月9日に進めます。一般的に口座移管には10営業日ほどかかりますのでご承知おきください。一度で手続きは完了し、終了後は速やかにお知らせいたします。)

そして、10月15日(現地時間も同日)、TD AmeritradeからYour outbound transfer request has been initiated(貴方の出庫手続きに着手)というメールが届いた。
We want to let you know that we have received your request to transfer assets from your TD Ameritrade account ending in 0957. Your outbound transfer request has been initiated. (私たちは貴方の口座移管の依頼を受け、出庫手続きに着手したことをお知らせしたいと思います。)
私がFirstradeに口座を開設してからちょうど2週間で口座移管の依頼がTD Ameritradeに届いたということだ。
これであと1週間もあれば、Firstradeでの取引を開始できるだろう。
ちなみに、TD Ameritradeで保有している株やETFに関して、ウェブ上で保管されているconfirmation(売買報告書)やstatement(口座明細書)は、移管手続き前にダウンロードしておいた方がいい。
移管手続きが始まると元の口座(TD Ameritrade)にはログインできなくなるからだ。

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2012.10.14

日本の財政危機は今年度(2012年度)中にやってくるのか

政府・民主党と自民・公明両党の政争(国会議員のお遊び)の度が過ぎて今年度は「平成24年度における公債の発行の特例に関する法律案(旧称)/財政運営に必要な財源の確保を図るための公債の発行の特例に関する法律案」が7月31日に衆議院を通過したまま宙に浮いている。
国会は先月8日に第180回国会(常会)が閉会となったまま、与野党の政争が続いて臨時国会がいつ開かれるのかさえ決まっていない。
政府・与党が臨時国会を開こうとしないのであれば、野党が日本国憲法第53条、国会法第3条の規定に従って、衆参両院のいずれかで総議員の4分の1以上が賛成すれば、臨時国会を召集させるように内閣(首相)に要求できるものを、それをやろうとすらせず、マスコミはそれを指摘すらしない。
私に言わせれば、特例公債法案の重要性がわかっていない今の国会議員やそれを傍観しているマスコミは異常である。

このまま彼らのお遊びが続くと、12月以降は歳入に大きな穴が開いて行政経費が賄えない非常事態となると言われている。
仮にその責任を取って、国会議員を始めとする全公務員の報酬を数ヶ月間ゼロにしたところで、とうてい賄えない額であり、政府機能の停止は避けられない状況だ。
もしかすると、国会議員もマスコミも最後は財務省が奥の手を捻り出すとでも思っているのか、この法案が宙に浮いていることに怖ろしく冷静である。
それとも膨れ上がる国債残高を見て、いっそのこと法案審議を止めて官公庁の役人に、国債は打ち出の小槌でないことを認識させようということなのか。
それなら一種のショック療法としての価値もあると思うが、自分たちの歳費などを平然と貰い続けている国会議員を見ていると、どう見てもそんな高尚なことを考えているようには見えない。

そもそも日本の歴代政府は、時として法律の本旨を捻じ曲げて特例を作り、それが緊急避難的でなく恒久的に続けていることが多すぎるような気がする。
財政法第4条では、「国の歳出は、公債又は借入金以外の歳入を以て、その財源としなければならない。但し、公共事業費、出資金及び貸付金の財源については、国会の議決を経た金額の範囲内で、公債を発行し又は借入金をなすことができる。」となっているが、財政法の本来の趣旨から言えば、赤字の穴埋めのための国債は発行できないことになっている。
それを特例法を作って出せるようにしているわけで、本当に赤字国債法案が特例だったのは1965年(昭和40年)だけで、1975年(昭和50年)以降は毎年(1990年から1993年は除く)法案が出され、今や赤字国債なしでは財政運営ができないようになっている。

そのような中で財務省は、今年の国会のドタバタ劇を見るにつけ、法案の名称を「平成24年度における公債の発行の特例に関する法律案」から「財政運営に必要な財源の確保を図るための公債の発行の特例に関する法律案」に変え、条文の一部を変更するだけで今後も対応できるよう「特例」という名の恒久法案化をすることに決定したようだ。
しかし、今や数年以内に日本の財政破綻がある、ということが公然と言われるほど日本の財政赤字は酷い状況で、いつまで財務省が意図する延命治療が持つのだろうか。

現在は財務省が主導する国債市場特別参加者制度によって国債の円滑な消化がされているが、原資となる家計貯蓄が下落している状況において、それがいつまで続くか、ということが市場では懸念されている。
日本の財政破綻の引き金になると言われる国債の未達(国債の入札において、募集総額に応札総額が達しない状況、単純に言えば国債が売れ残ること)と、国債の売り出しができずに、歳入に大きな穴が開きかねない状況とは大きく異なるが、政府機能が停止するリスクについては同じであろう。
昨年の4月9日付のロイターは「米予算協議が合意、政府機関の閉鎖は大詰めで回避へ」として米国政府の機能停止リスクについて世界が注視する事態になったが、今のところ日本政府の機能停止リスクについては国内ですら大きな騒ぎになっていない。
しかし、市場関係者の間では、11月末までに特例公債法案が成立しなければ、12月入札予定の国債の一部を売り出すことができない可能性があるため、海外投資家が日本の国債発行に支障が出ることに対して懸念しかねない、と言われている。
ところで、貴方には2011年11月9日に米国市場に上場された日本国債ベアETNの不気味な足音が聞えていないだろうか。(2012年9月12日-日本国債ベアETNは究極の日本国財政破綻対策

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2012.10.13

電車内で不審物(unattended bags)を見かけても

日頃、電車に乗っていると、車内で次のような注意書きを見たり、アナウンスされるのを聞いたことがあるだろう。
「駅構内または車内等で不審なものを発見した場合は、直ちにお近くの駅係員または乗務員にお知らせください。Please inform the station staff or train crew immediately if you notice any suspicious unclaimed objects or persons in the station or on the train. Thank you for your cooperation.(海外ではもっと単純にPlease report any unattended bags to a staff.と書かれることが多い)」
しかし、朝の通勤時間帯にそうすることは現実的には非常に困難だ。

Commuter_train

写真を見てみよう。
これはある日の通勤電車の中の一コマだ。
いったい誰の荷物だと思うだろうか。
初めに断っておくが、これらは私の荷物ではなく、しかも通路を隔てて向かい側に座っていた。
常識的に考えれば、網棚に大きな荷物を上げようとしている乗客がいて、席を取られないために手荷物を一時的に置いている、というシチュエーションだ。
しかし、それだと、人影に邪魔されずに写真を撮ることができない。

幸いにも朝の通勤電車で座れた私は、向かい側の座席に置かれたままのデイバッグと帽子を見つけた。
誰のものかわからなかったが、私を含めて、誰も不審な荷物のことを駅員に伝えようとしている人はいないようだった。
途中で白人男性が乗ってきたが、彼も持ち主のいない荷物(unattended bags)には何の関心も示さなかった。
それも無理からぬことだろう。
日本は世界の主要国の中で最もテロとは無縁な国であり、目の前のバッグに青酸ガスが出るような物体が入っているとか、時限爆弾があるなどとは誰も想像だにしないし、電車内にいるときに「直ちに」かつ「静穏に」通報する手段は極めて限られているからだ。
ましてイスラエルのようにテロが日常的に起こっている国でなければ、ほとんどの人は携帯電話で直ちにセキュリティスタッフを呼ぶようなメンタリティは持ち合わせていない。

そのうち寝不足から私は電車の中で熟睡していた。
もし、目の前の荷物が本当に危険な物だったら、私は今頃こんなコラムを書いていないだろう。
私が眠り込んでいる間に、件のバッグと帽子はいつの間にか網棚に乗せられ、それらがあったところには何事もなかったように女性が2人座っていた。
さすがに混み合ってきていた通勤電車で荷物に座席を占領させるほど寛容ではなかったようだ。
いずれにせよ、「駅構内または車内等で不審なものを発見した場合は、直ちにお近くの駅係員または乗務員にお知らせください。」とあっても、ほとんどの人にとって、それは「痴漢に注意」などといった路上の看板か標語の類にしか映らなかったということだ。
それにしても日本の町中にはこうした実効性に乏しい標語みたいなものが多すぎるような気がするが、いかがなものだろうか。

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2012.10.11

厳戒態勢?実はザルかもしれないアメリカの空港セキュリティチェック

アメリカの空港は911以降、世界で最も厳戒態勢を取っているイメージがある。
事実、空港のセキュリティチェックでは、たいていの場合、ズボンのベルトを外し、靴も脱ぐことを要求されることが多い。
アメリカ国外の空港で、セキュリティチェックの際に、何も言われないうちから、ごく自然にベルトを外し、靴を脱いでいるのはアメリカ人に間違いないと言われるくらい、アメリカ国外でそこまで要求されることはあまりない。
それに加え、ホールドアップの体勢を取らされたまま全身スキャナー(full-body X-ray scanners)によるチェックが行われる。
2010年4月27日付のニューズウイークの記事「GW、空港全身スキャンの心構え」によれば、この全身スキャナーによるチェックは、ほとんどの場合、アメリカ国内の空港か、アメリカへ向かうフライトに搭乗する際に行われると書かれている。

しかし、いくらハイテク機器を導入し、規則を強化しても、最後はスタッフのモチベーション次第だというのが、よくわかるのが今回のCNNの記事だ。
今はどうかわからないが、国際ジャーナリストの田中宇氏は2003年9月14日付のコラム、「911事件と空港セキュリティ」の中で「乗客たちが長蛇の列を堪え忍んでいる一方で、空港を出入りする従業員や業者などに対する安全検査が非常に甘いままだと指摘されている。」と書いている。

私が知る限り、アメリカは管理者側に立つ人は高給で優遇される一方、単純労働のスタッフは低賃金のまま働かされることが多く、それがモチベーションの低下に繋がっていると聞く。
事実、私の数少ない渡航経験でも、ファーストフードや地下鉄の駅構内にいるスタッフのモチベーションは低く、日本はもとより、せめて東南アジアを見習えと言うくらいに酷く、空港職員(公務員)でもそれは変わらないのだろう。
何しろアメリカの下級公務員はフードスタンプ受給者(生活保護)だというメディア記事もあったくらいだ。(2007年3月11日-食事も買えない?ニューヨーク市の下級公務員
こうなると、いくら彼らの賃金が労働に見合った対価とはいえ、過ぎたるは及ばざるが如しと言えるだろう。
表向きは常に厳戒態勢のアメリカの空港、裏へ回れば穴の開いたザルで水をすくうが如きなのだろうか。

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乗客荷物調べず検査済み装った36人解雇、ホノルル国際空港 (2012.10.11 CNN Japan)

ワシントン(CNN) 米国土安全保障省の監査当局は11日までに、ハワイのホノルル国際空港の荷物検査係36人が昨年、一斉に解雇された問題に関連し、中身も調べず検査終了のラベルを貼っていたことが原因だったと報告した。
この問題は内部通報者が逸脱行為の証拠となるビデオ画像を提供すると共に発覚。
同省の報告書は、一部係員の職務怠慢により数千個規模の乗客荷物が調べられることなく旅客機に運ばれ、空の旅の安全性が損なわれたと指摘した。
米空港での荷物検査は通常、同省管轄の運輸保安庁(TSA)が担当する。

ビデオ画像は2010年12月、ホノルル空港の国際線ターミナル内で撮影されていた。
この後、TSAの監査部門が調査を開始し、同年9~12月に数千個規模の荷物が規定の検査から漏れていたと報告。
調査結果を受け、同空港のTSA最高責任者を含む36人を解雇し、10人以上を処罰していた。

また、連邦議会の議員がホノルル空港以外にも同様の問題が存在することを懸念し、国土安全保障省監査当局による調査も要請していた。
同省の監査当局は今回の報告書で、ホノルル空港での不手際は検査係員に問題があったとしながらも、TSAの管理が行き届き、人員の手当てや検査機器が十分で、手順の検証も徹底すれば不祥事は起きなかっただろうなどと指摘した。

英文記事

TSA screeners put inspection notices in bags they didn't inspect (October 9, 2012)
TSA proposes firing Honolulu workers (June 10, 2011)

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2012.10.10

冬の海外旅行時のコート預かりサービス利用の裏技

年末年始に海外旅行を予定している人の中には、東南アジアや南国のビーチで過ごす予定を立てている人も多いだろう。
こういうときに何かと面倒なのは、自宅などから空港へ行くときに着込んでいるコート類をどうするかということだ。
いくら大きなバッグを持っていてもコート類を収納して旅行するには嵩張るし、第一、日本を出たら一度も着ない可能性が高いので、一ヶ所のホテルに滞在する人以外はそのまま海外へ持ち出すには抵抗があるだろう。
そこで便利なのが、空港の中にある「コート預かりサービス」で、仮に12月29日から1月6日まで9日間旅行したとすると、JAL ABCを利用した場合、成田空港は1,500円、羽田空港国際線ターミナルは1日当たり200円という料金設定になっている。

ところが、これで困るのが往路と復路の発着空港が違う場合で、例えば、往路が羽田発で復路が成田着というスケジュールになっていると、そのまま「コート預かりサービス」を使うことができない。
事実、昨年の年末年始旅行(香港・シンガポール・タイ)と、今年の2月のタイ旅行は、そういうスケジュールとなったため、冬物のコートを出発地の空港から帰着地の空港へ宅配便で送ることにしたのだ。
宅配料金は2,000円程度、きめ細かな日本のサービスなので、これでも十分なのだが、難点は、送り先で荷物が保管されるところが出発ロビー階になるので、特に日本に夜着のフライトの場合、コート類を回収している間に、自宅へ向かう最終列車に乗り遅れる可能性があることだ。
それと、北東アジア(北京や上海、ソウル、台北など)を経由するフライトで東南アジア方面に向かう場合に、往復のどちらかで経由地でトランジットが可能な場合は、現地でコートが必要になるので、日本で預けるわけにはいかない。

Suvarnabhumi04

Bangkok_luggage_counter

それを避ける一つの方法が、最終目的地の空港の荷物預かりサービスを使うことだ。
例えば、バンコクのスワンナプーム空港(Bangkok Suvarnabhumi International Airport)の場合、最初の3ヶ月間(92日間)は、24時間当たり100バーツ(260円)、その後、12時間を経過するごとに50バーツ(130円)加算される。
これだと、同じ9日間預けた場合、900バーツ(2,340円)で、若干バンコクの方が割高になるが、日本以外でも冬物が必要な旅程になっているときは重宝するだろう。
例えば、チェンマイ(Chiang Mai)から1泊2日で山岳民族村トレッキングに行く場合などは、昼と夜の寒暖の差が大きく、夜は冬物の衣類が必需品になるほどだ。

ところで、「サバイバル時代の海外旅行術」の著者である高城剛氏は、21世紀のニュー・トラベルスタイルが、「ハブ&スポーク」モデルであり、航空会社が集結するハブ機能を持つ都市まで荷物をすべて持って行き、そこで空港や駅、もしくはホテルなどに荷物を預け、その後は手荷物だけで旅行するスタイルが主流になっている、と言う。
彼はさらに、「ハブ&スポーク」モデルは航空業界の基本運営モデルとなっていて、旅行者が安く旅行しようと思えば、このモデルに忠実に従えば従うほど効率的に、かつ安い料金で旅行ができる仕組みになっていると言う。
そういった意味でも現地空港の荷物預かりサービスをうまく使えば、東南アジアを縦横無尽に飛ぶLCC(格安航空=Low Cost Carrier)をうまく使ったショート・エクスカーションを楽しむことができるだろう。

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2012.10.08

2015年10月から公的年金の受給資格期間が最低25年から10年に短縮の予定

先月閉会した第180回国会(常会:2012年1月24日から9月8日まで)において、社会保障・税一体改革関連法の一環として、年金機能強化法(公的年金制度の財政基盤及び最低保障機能の強化等のための国民年金法等の一部を改正する法律)が成立した。
この国会は、まるで戦前の大政翼賛会を思い出させるような民主党、自民党、公明党の野合による消費税増税法(社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本的な改革を行うための消費税法等の一部を改正する等の法律)のことばかりがクローズアップされ、それにも増して、ロンドン五輪の日本人選手の活躍のニュースで、そのほかのことがメディア報道から吹き飛んでしまったために、おそらくほとんどの人が年金関係の法律が改正されたことを知らないだろう。

今回の年金関連法改正の最重要項目は、現在公的年金の受給資格期間が、原則として最低25年必要なものを、2015年(平成27年)10月以降は10年に短縮されることと、この制度は、現在、無年金の高齢者も救済対象となることだ。
それと、今月から3年間に限り、申し出て承認を受けることにより、過去10年までの未納保険料を納付できる国民年金保険料の後納制度ができたことだ。
しかしながら、金融広報中央委員会が2011年11月に実施した金融力調査におけるアンケート回答者の8割が、年金で老後の資金を賄う自信がない、と回答しているのだから、10年分の年金保険料を払い込んだだけの公的年金支給額で老後資金が賄えるはずがない。
それでも、受給資格期間を25年から10年に短縮したことで、年金受給をあきらめていた中高年の人が、会社勤め(厚生年金)の期間が少しでもあれば、納付意欲(保険料の免除申請を含む)を持つことも考えられるので、そちらに期待するという向きもあるのだろう。

あるいは、地方財政の中で膨れ上がる生活保護費を抑制するための対症療法なのか。
年金機能強化法の概要によれば、現在、65歳以上の無年金者(約42万人)のうち、受給資格期間が10年に短縮されれば、単純に8割の人は何らかの年金が支給されるようになる。
そうなれば、原則として、生活保護費は満額でなく、公的年金による収入を差し引いて支給するので、地方自治体にとっては少しでも財政的に救われることになる。(公的年金収入が保護基準を上回れば生活保護費は支給されない)
何しろ、無年金高齢者が生活保護の適用を受けなくなるときは本人が死亡したときだけだからだ。

それでも結局、現行制度下では国民年金を納めるより生活保護の方が得ではないか、という人は気をつけた方がいい。
今や勤労世代まで就職難で生活保護を受給する時代、今後は地方財政の悪化とともに、自助努力を怠ったとみなされた人はますます納税者からの風当たりが強くなるだろう。
要は、ナマポの受給法などというものを鵜呑みにして自堕落に生きている人たちだ。
兵庫県立大学大学院教授の中野雅至氏は、その著書「これから20年、三極化する衰退日本人 ~依存する人・搾取される人・脱出する人~」の中でこう言う。
「1990年代後半以降、日本人は経済成長などのパイを拡大するという自信や発想をなくしている。これが衰退現象の一つ目の大きな特徴だ。二つ目は縮小するパイを配分・シェアできないということだ。簡単に言えば、同質性が高く、互助の精神があると言われているにもかかわらず、日本人は互いに少なくなるパイを分け合うという発想がなく、あいつがもらいすぎている、こいつが楽をしている、と文句ばかりを言っている。衰退社会の三つ目の特徴は、衰退する中で先細るパイを巡って醜い争いを繰り広げていることだ。」
その一端は昨今の生活保護制度のあり方に激高した世論にも垣間見える。

政府当局者からすれば、年金保険料の免除制度も充実させ、様々なお知らせもしている、受給資格期間も短縮させた、それでも何の公的年金も受給できないというのは、何もしなかった貴方の責任、という時代は確実にやってくる。
そうなれば、自助努力を怠ったとみなされる分は生活保護費が差し引かれるということになるかもしれない。
年金不信や生活苦から年金関係の手続きなどやりたくない、面倒だ、というのは理解できる。
それでも年金受給資格期間が25年が10年に縮まったならば、少なくとも障害保障のつもりで、受給権だけは確保するように努力した方がいいだろう。
それと、配偶者(主に夫)が結婚後に転職していたり、共稼ぎの時代があったりするような女性は「国民年金第3号不整合記録をお持ちの方」に該当する可能性がある。
お知らせが来ないといって安心しないで、自分で年金の記録を確認する方がいい。
これからはすべてのことに関して人任せにしてはならない時代なのだ。

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(注)本件記載の無年金者救済法は、「消費税増税法の人質になっている老齢年金の受給資格期間短縮(25年→10年)政策」に掲載したとおり、実施が凍結されておりましたが、第192回国会(臨時会)に提出された「公的年金制度の財政基盤及び最低保障機能の強化等のための国民年金法等の一部を改正する法律の一部を改正する法律案(改正年金機能強化法案)」が2016年11月16日に可決成立したことにより実施される予定です。(2016年11月16日 時事ドットコムニュース-受給資格を10年に短縮=改正年金機能強化法が成立
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2012.10.07

半年後に迫る東急東横線と東京メトロ副都心線の相互直通運転

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3ヶ月ほど前に、横浜のキニナル情報が見つかるWebマガジンと銘打った「はまれぽ.com」の記者の方から「横須賀線ホームから見えるドアの謎」というコラムを執筆するにあたって、弊サイトに掲載してある東急東横線の写真を使いたいというオファーがあった。
その写真とは、2004年1月2日に掲載した廃線となった東急東横線(桜木町-横浜)の風景のところにあるものだ。
東急東横線は大学時代以降、前職のときの数年間を除いて、今でも通勤路線として使っていて、前述の廃線となった光景を見ると何となく懐かしいものがある。

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その東急東横線、2004年2月のみなとみらい線の開業に伴って、東急東横線の横浜駅と反町駅が地下化され、相互に直通運転されているが、2013年3月16日からは、東急東横線と東京メトロ副都心線が相互に直通運転をし、渋谷駅と代官山駅も地下化されるという。
私にしてみれば、現在は帰宅時に渋谷駅から特急や急行でも座って(寝て?)行けるのが大きなメリットであるが、相互直通運転することによって、そのメリットが(おそらく)消滅するのが残念だ。
それにも増して渋谷駅での乗り換え時間がどう変わるのか、朝の時間帯はそちらの方が問題なだけに今から憂鬱である。

ところで、渋谷駅と代官山駅が地下化されるということは、今の光景は見られなくなるということで、来年3月になれば撮り鉄(お前もだろ、とは言わないように!)が殺到しそうなので、今のうちに撮っておくといいだろう。
これから天気がいい日は散歩するにもいい季節だし、今度は、柄にもなく代官山なんぞで下りて見ようかと思っている。(追記:このコラムを書いた翌日、私は代官山駅の周辺を散策したついでに駅舎などの写真を撮った

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2012.10.05

HSBC香港の投資口座保有者は米国株口座の追加は郵送でOK

去る9月29日、「TD Ameritradeが2012年10月末で日本を含む特定国の居住者の口座を強制閉鎖へ」というコラムを書いたとき、私はHSBC香港の米国株口座と米国証券のFirstradeに口座を開くことにしたことも合わせて書いた。
Firstradeの方は、もともと郵送での手続きが可能で、口座開設申請書とW-8BEN、それにパスポートのコピーを添えて送ればいいことになっている。
海外の金融機関に口座を開いた経験のある人にとっては極めて簡単で、たとえそういうことに慣れていない人でも、Let's Firstrade!(レッツ・ファーストレード)といった親切な個人サイトが存在するので、これに沿って手続きすれば、何の問題もないだろう。
おまけに、海外投資を楽しむ会では、TD AmeritradeからFirstradeへの口座の移管方法についてという記事を掲載しているので参考にするといい。
私も現在、Firstradeに口座開設手続き中で、10月1日にEMSで発送した書類が昨日到着しているので、何事もなければ、今月中旬には口座の移管が完了するだろう。

当面、米国株の投資口座についてはFirstradeだけでも十分だが、ここも将来的にTD Ameritradeのように口座を閉鎖させられることになった場合、保険的な意味合いで複数の口座を持っていた方がいい。
そういった意味と、やはり米国株口座はショート戦略が取りやすいので、HSBC香港にも米国株口座を開くことにした。
そこで、ネックになるのが、submit documents at any HSBC branch(書類を本支店に提出)ということなのだが、すでに投資口座を持っている人まで香港に行かないといけないのか、と問い合わせた結果が以下の通りだ。
HSBC香港で投資口座を開くときに現地まで行かないといけないのは、Risk Profiling Questionnaire(日本語訳付:HSBC香港ラクラク口座開設キット)に沿って英語で質問され、その回答を録音されることになっているからだ。
つまり、この儀式(!?)を通過した人が米国株口座を追加する場合は、郵送でも構わないだろうと思って質問したのだ。
結果は予想通り、投資口座をすでに持っている人は、所定の申請書類(一般の投資口座がジョイント口座の場合は2人分の書類が必要)を郵送すれば、先方に到着後3営業日以内に米国株口座が追加されるようだ。
ちなみに、ここの口座に株式を移管するときの書類はUS Securities Receipt/Delivery Free of Payment Form(HSBC香港から取り寄せ)、必要ならば、合わせて郵送するといい。

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Re: Investment Services

Thank you for your e-mail regarding our US stock trading service.

I am pleased to learn of your interest in our US stock trading service.
Our US stock trading service is offered to our customers who:

- are not US citizens; and
- are not professional market data subscribers; and
- maintain an HSBC Premier, HSBC Advance or SmartVantage Investment Services account; and
- maintain a valid identification document complying with US tax requirements, eg Hong Kong Identity card (for investment services accounts opened before 1 January 2001 only), Hong Kong Permanent Identity card or passport.

To enjoy our service, you required to complete a 'W-8BEN form' and an 'NYSE Market Data Agreement' respectively, which you can download via HSBC Internet Banking by following the steps below.

- Click 'Investments' tab
- Click 'U.S. Stocks' on the left navigation menu
- Click 'W-8BEN form' and 'NYSE Market Data Agreement'

You can mail the completed forms bearing your account signatures to The Hong Kong and Shanghai Banking Corporation Limited, GPO Box 64, Hong Kong. We will update our records within three business days after we have received your forms.

You can appreciate that the Bank is pleased to consider customers' new account applications at our discretion and after assessment in compliance with our internal guidelines.

If you have any other questions, please call our HSBC Advance Hotline on +852 2748 8333.

Yours sincerely

Customer Communication Officer
Retail Banking and Wealth Management

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2012.10.02

HSBC香港からクレジットカード(Advance Visa Platinum Card)が送られてきた

Hsbc_advance_platinum

先月の台湾・香港旅行の際、HSBC Global High Yield Bond(毎月分配型)を買ってみたことはすでに書いた通りだが、このときに、ジョン万次郎ことジョン・ラウ氏(John Lau)が申請をしてみますか?と私に言った年会費無料(no annual fee)のクレジットカード(HSBC Advance Visa Platinum Card)が昨日送られてきた。
申請からわずか1週間余りで、HSBC welcomes you as our HSBC Advance Visa Platinum Card cardholder!という書き出しのeWelcome Pack and related terms and conditions(これの8ページ目がIndormation on your HSBC Advance Visa Platinum Cardという案内ページになっている)がメールで送られてきたので、クレジットカードの審査に通ったことはすでに知っていた。

私のような香港の非居住者の場合、原則として最低50,000香港ドル(約50万円)の定期預金を積まないといけないことになっているのだが、9年近くの取引履歴があるのに加え、このところ毎月のように、ジョン万次郎の成績に貢献している(!?)ので、香港ドルの定期預金がなくとも審査に通ったのかもしれない。
逆に、HSBC香港に銀行口座を開設してすぐにクレジットカードの申し込みをした場合、規定額以上の香港ドル定期預金を積んでも審査が通りずらくなったという記事もあるので、香港非居住者の場合、クレジットカードの審査が通るか否かは担当者次第と言えよう。(2012年4月12日-Mr.Gのきまぐれ投資コラム-HSBC香港のクレジットカード申請が通りにくくなっています

そして、このたび送られてきたクレジットカードに貼ってあったシールに、「For your protection, this card is suspendeded until you confirm receipt. Please call our activation hotline to confirm receipt and activate your new card immediatery.(貴方の保護のため、受取確認が済むまではカードの使用を停止しています。クレジットカードを使えるようにするために+852-3163-0688に電話してください。)」と書いてあったので、先ほど指定された電話番号にかけてみた。

この電話は先方のスタッフが出て応答するのでなく、自動音声によるサービスで、まず最初に広東語と英語でアナウンスが流れるので、そこで2を押すと英語でガイダンスが流れるようになる。
聞かれる項目は次の4つで、それぞれ入力が終わった後でハッシュキー(hash key=#)を押すように言われる。

1.16桁のクレジットカード番号
2.パスポート番号の下7桁(最初の英文字を除いた数字を入力)
3.生年月日(ddmmyyyyの形式で1990年3月8日は08031990と入力)
4.クレジットカード申請書に書いた携帯電話の番号(日本の携帯は8190********という形式で入力)

最後のアナウンスが流れたところで、9を押すとアクティベートが終了し、クレジットカードが使えるようになる。

カナコの海外投資体験記によれば、アクティベートが終わったらHSBC香港のインターネットバンキングにアクセスし、CardsのページのCard ManagementからAdd a card to account overviewでクレジットカード番号を登録すればいいようだ。
私の場合、電話での英語のヒアリングには少々不安があるので、今週末にでもクレジットカードを使ってみて、本当にアクティベートが完了しているか確認してみることにするか。

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