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2010.03.28

訪日外国人旅行者を困惑させる銀行ATMのバリア

観光庁のウェブサイトには訪日外国人旅行者数を年間1,000万人にすることが目標として掲げられている。
しかしながら、同庁の現状分析として、「平成20年に我が国を訪れた外国人旅行者は約835.1万人であり、海外を訪れた日本人旅行者約1,599万人と比較して少なく、外国人旅行者受入数では、諸外国と比較しても、世界で第28位、アジアで第6位(平成20年)と低い水準にある。」と書かれている。
要は800万人からさらに200万人を上積みしようというのが政府の目標というわけだ。
そして、鳩山内閣は「観光は6つの成長戦略分野の1つとして位置付け、国をあげて観光立国に取り組む。」とし、溝畑宏観光庁長官は「訪日外国人旅行者を2016年までに2,000万人、2019年までに2,500万人、将来的には3,000万人」に目標を前倒しすると言っている。

外国人観光客を呼び込むことを日本の経済成長のエンジンにするという目標は決して間違いではないと思う。
このまま日本の一般庶民の可処分所得が減り続ければ、国内需要だけに頼る産業は確実にお陀仏だからだ。
ところが、今の海外旅行者の3種の神器とも言える、銀行ATMカード、携帯電話、格安航空路線に対して、日本は極めて閉鎖的とも言える状態にある。
携帯電話に関しては本日付けの読売新聞の記事「携帯端末、全社対応型に・・・総務省が制限解除要請へ」と、訪日外国人向けのウェブサイトJapan-Guide.ComのCell Phones in Japanを、格安航空路線については2007年2月末に朝日新聞で連載された「アジアズームイン-空飛ぶバス上陸へ」を読んでもらうとして、ここでは日本の銀行ATMについて触れてみたいと思う。

実のところ、日本の銀行ATMに関しては橘玲氏のコラム「金融サービスも『ガラパゴス』」という中に書かれているのだが、外国の銀行に口座を開いた日本国内の居住者が、わざわざそのATMカードを使って日本で金を下ろすことなどほとんどないだろう。
従って、外国の銀行で発行されたATMカードが日本で使えるかなどということを検証する人もごく少数ということになる。
しかし、日本から海外へ行く旅行者は、よほど辺鄙なところへ行かなければ自分の銀行口座のキャッシュカードを使って現地通貨を下ろすことができる。
この矛盾に気付く日本人は、外国在住者か、訪日外国人を銀行へ案内した人でなければいないのではないか。

そこで、私も自分自身が持っているHSBC香港のATMカードが使えるか横浜駅周辺の銀行を回ってみた。

銀行名英語のウェブ英語のATM操作案内外国銀行ATMカードの可否
Citibank銀行ありあり
新生銀行ありあり
セブン銀行(セブンイレブン)ありあり
みずほ銀行ありあり
三井住友銀行ありあり
三菱東京UFJ銀行ありあり
ゆうちょ銀行ありあり制限付きで可
横浜銀行ありなし
りそな銀行ありなし

調査の結果は橘玲氏のコラムの通りとなったが、一点だけ新しくわかったことが、ゆうちょ銀行のATMのことだ。
これは、私がゆうちょ銀行のATMを使ってみたところ、ATMの前には国際カードが受け入れ可能なPlusのステッカーが貼ってあるにもかかわらず、「このカードは受け付けられないので窓口へ来てください」とのメッセージが出て、どうなっているのか明日にでも聞いてみようと思った矢先に、上記のウェブが見つかったというわけだ。
もちろん、日曜日の夜にカードが使えないなんてことは、ゆうちょ銀行のATMの周辺にはどこにも書いていないし、操作ガイダンスにも出てこない。
念のために英語だけでなく日本語でも操作したが結果は同じだった。
時折、海外投資を楽しむ会の掲示板で、郵便局で外国銀行のカードが使えなかったという投稿があった理由がこれでわかったのだ。

これは、今の旅行者にとってはもの凄くストレスになるだろう。
かつてはハードカレンシーと呼ばれる国際通貨(米ドル、英ポンド、ユーロ、円など)の現金やトラベラーズチェックを持って旅行をしたものだが、今やそういったものは補助手段になっているからだ。
少なくとも私が21世紀になってから行った海外渡航先では、英語ガイダンスのある銀行ATMで引き出しができないというのは、稼動を停止していない限り、ほぼあり得ないことだった。
先進国の都市に行ったとして、銀行が軒を並べているところで金が下ろせないなどと誰が考えるだろう。
ATMの故障や金が底をついたというのが珍しくない海外の常識でいけば、店舗のないところのATMだったら許せるだろう。
しかし、銀行の店舗のあるところのATMが軒並み使えないとなれば、私だったら怒りが爆発すると思う。
正直言って、東京で金が下ろせないということは、ニューヨークやロンドンで金が下ろせないのと同じことだ。
こういう実態を私は最近になって知った。
果たして観光立国を推進するという政府閣僚の方々はこうしたことを理解できるだろうか。
もし、理解できるのであれば、亀井金融相が全国銀行協会の会長に対して、少なくとも都市銀行のATM回線を国際回線に繋ぐように指示すべきだろう。
さもなければ、観光立国の推進など絵に描いた餅になることは間違いない。

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コメント

T from London さん

長文のコメントありがとうございます。

>若い外国人が来やすい日本にしない限り、どんどん外国人観光客は減っていくでしょう。若い外国人は、よく海外いきますから。

これは今回のタイ旅行で思いました。あそこは老若男女たくさん来ています。経済危機、ユーロ安の欧州各国からも・・・彼ら曰く、日本は高い(未だに?)と言っています。

投稿: カルロス | 2012.01.09 11:18

日本の鎖国思考は、治らないのでしょうか?携帯電話も昔は、世界一の携帯電話を作っていたのに、鎖国思考のため外に出さず(出せず)、韓国携帯電話に世界シェアを持ってかれ、海外でスマートフォンが流行り始めててからiモードを輸出したが、海外のキャリア(携帯電話会社)に大赤字ださせる始末。日本の携帯電話とiモードを日本国内と同時に輸出しておけば今頃違った展開になっていたかもしれないのに。ノートパソコン(ラップトップ)より、携帯電話の海外戦略にもっと力を入れてれば良かったのに。ノートパソコンは持ってないけど携帯電話は持っている人は多いし。iphoneだって日本の携帯電話参考にして出来上がったみたいなものだし。今の日本スマートフォンは、後追いになってしまって、中途半端な感じだし。そういえばMDにこだわりすぎてて、世界中でMP-3って言ってる時もMP-3に出遅れ後追いになった。
第二次世界大戦時も零戦がトップだった時に、アメリカが日本との戦いから学び、空を制した物が勝つことに気が付き、戦闘機(軍用航空機)の開発に力を入れている時に、やっぱりまだ軍艦が一番でしょって考えでヤマトを頑張って作ってて、戦ってみたら速攻で沈まされてしまったなんて歴史もあるし。
外国の歴史や環境は、多民族同士が交わり、違う考えの人達が共存していくことになれているから、日本人よりかは、いろいろな物がいろいろな考えや見かたができるのかもしれませんね。
日本のコンビニでHSBCのカードが使えなかったは、ビックリしました。日本って進んでようで、進んでないんですよね。日本て協調性がないのかな?ってたまに思ってしまいます。いろいろな面で今は、中国におされてますし、この先いろいろ海外の物におされ、日本の物の価値が落ちてきてる気がします。
国内外に問わず日本の交通機関はすべて高すぎます。高速道路、電車、飛行機すべて。
携帯電話の通話料金も世界の先進国と比べても値段が高すぎです。食べ物は安いけど、もう少し外国人に優しい日本になってもらいたいです。携帯電話のプランもややこしすぎです。
あとは、成田空港は遠すぎでしょ。成田と都心をつなぐ電車も外国人には、高すぎじゃないでしょうか?
都内の電車も外国人にとっては、高すぎるのではないでしょうか?ロンドンみたいにzone1-2とかで値段きめてパス作ればいいのにわかりやすいし。
外国人が言っていたのですが、日本のユースホステルは、ユースホステルのくせに値段が高すぎるみたいです。他の海外のユースホステルと比べて設備も悪いくせに値段だけ高いようです。(すべての日本ユースホステルではないとおもいますが。)若い外国人が来やすい日本にしない限り、どんどん外国人観光客は減っていくでしょう。若い外国人は、よく海外いきますから。
日本の唯一の頼みの綱は、漫画、ゲーム、バイク、ユニクロと無印良品ぐらいでしょうか。
日本のパソコンとかポータブルオーディオプレーヤーとか終わってますし、なんか売るだけって感じです。アップルとかだったらどこで買っても世界中のアップルストアでなおしてもらえるし、海外で買っても日本語にできて日本でも保証がきくというのは、どの国でも安心して使えます。OSの問題もあるので国産OS作らないと未来はないと思いますが、これも世界シェアを考えると完全に出遅れですから、どうにもならない感じがします。
あとは、お酒も日本は、高すぎますね。海外はお酒安いですから。
日本はタバコは、まだ安いのですが、お酒よりタバコの方が体に良くないですからね。
国それぞれ良いとこ悪いとこあるとは思いますが、日本国民が頑張っていても、日本の上に立つ人のやさしさや違った視点から見れて、人に気を使える人でない限り日本の鎖国思考は、止まらないでしょうね。
こういう時代に織田信長や坂本龍馬みたいな人が表れてほしいものです。
そういえば、藻から石油がとれる技術があって採算がとれるのが分かっているにも関わらず日本の政府は、お金を出さないらしい。アメリカでも同じ研究が進んでいて、アメリカは、国のため、国民のためを思い、研究に多額の資金援助をしているらしい。ただ日本のその博士(科学者?教授?)が他の国から誘いはないかと聞かれた時の答えが、良かったのが、「あるのですが、まだ日本を愛してますから」と言っていた。?まだ?…日本を愛してるって言葉は良かったけど。?まだ?ってことは、あまり日本の政府及び政治家がお金出してくれないようだったら、日本を嫌いになってしまう可能性が… 
日本政府よ、もう出遅れ後追いになるのはよそう。今の日本人の性質(性格?)からいって追いぬく力はないと思う… 

投稿: T from London | 2012.01.07 11:18

>いまどき、日本以外のどのアジアの国に行ってもATMでキャッシュ出せるのに。

まったくです。
今プーケットにいますが、金を下ろすことでストレスがたまるなんて考えられないですよ。
経済危機の欧州各国からの観光客もたくさん来ています。
日本はどうなっているのか、と思います。

投稿: カルロス | 2012.01.06 22:14

いまどき、日本以外のどのアジアの国に行ってもATMでキャッシュ出せるのに。
私自身海外渡航が多いので、日本に観光に来た外国人がどれだけフラストレーションたまるか痛いほどわかります。
外国人連れて歩いても、観光どころか滞在に必要な金も出せず恥ずかしいことしきりです。
あまりにひどいので、観光庁に直接抗議の電話を入れました。
上まで伝わっていくうちに、どこか行っちゃってどうせ何も変わらんでしょうけど。

投稿: 通りすがり | 2012.01.05 18:48

>インターナショナルキャッシュカードを除いて、一般的には海外のATMでは使えません。(新生銀行等を除く)
クレジットカードのキャッシングは、海外のATMでたいてい利用できます。

ふくさん、初めまして

情報ありがとうございます。
私の場合、海外ではcitibankかHSBC HKのカードしか使わないので知りませんでした。
その国内銀行のインターナショナルキャッシュカードというのは今では新規発行を停止しているようですね。
何だかな~っていう感じですね。
要は日本で外貨のキャッシュを両替せえ、という戦略ですかね。

投稿: カルロス | 2010.10.16 19:49

>しかし、日本から海外へ行く旅行者は、よほど辺鄙なところへ行かなければ自分の銀行口座のキャッシュカードを使って現地通貨を下ろすことができる。

日本の場合、クレジットカードと銀行のキャッシュカードの仕様が異なるため、インターナショナルキャッシュカードを除いて、一般的には海外のATMでは使えません。(新生銀行等を除く)
クレジットカードのキャッシングは、海外のATMでたいてい利用できます。

投稿: ふく | 2010.10.16 12:41

toraさん、何とかしないと、ということで観光庁にメールでもしてみますかね。

投稿: カルロス | 2010.04.04 22:52

これはひどいね。
これでは先進国とは言えないね。

投稿: tora | 2010.04.03 22:01

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