« 真の強気相場の始まりか | トップページ | 2009年空港満足度ランキング »

2009.06.14

1000円高速で得をしたのは誰か

麻生内閣が景気対策の目玉の一つと豪語した1000円高速(今年の3月28日から平成22年度までの2年間の期間限定で地方の高速道路を利用した場合の有料道路料金が上限1000円となる割引制度)で得をしたのは誰か。
それはもちろん国民だよ、ドライバーにとって恩恵大じゃねえか、と言う声が聞こえて来そうだが、それはNO税者(所得税・住民税を払ってない人)に限って、というのが正しい。
第一、18歳以上の国民全員がドライバーではないし、非ドライバーの納税者は実は大損である。
要するに、定額給付金と同じで、多くの納税者は麻生首相と金子国交相を始めとする自民・公明連立内閣の面々にバカにされているのだ。

なぜか?
下の記事をよく読んで欲しい。
「2010年3月期の(高速道路各社の決算の)見通しは、地方圏の休日(土日祝日)通行料を上限1000円とする大幅割引が年間を通して反映される。料金収入の増加は見込めず、減収分を国が穴埋めしても、最終利益は東日本が53.9%減の35億円、中日本が54.2%減の37億円、西日本が60.3%減の23億円と、3社とも大幅な減益を見込む。」
「高速道路1000円で苦境に陥った南海フェリー(本社・和歌山市、和歌山港-徳島港)の支援策として、和歌山、徳島両県が自動車運賃割引のために1億円ずつを上限に拠出することを決めた。」

この高速道路各社の減収分の穴埋めというのは誰がするのか、フェリー会社救済のための地方自治体の拠出金というのは最終的に誰が払うのか。
そのうち、高速バス会社や貨物輸送会社にも補助金を出す、となるのは火を見るよりも明らかだ。
それを考えたら、休日に1000円で旅行できる、なんて浮かれていることができるのか。
おまけに1000円高速の恩恵にあずかるためにはETCを搭載しなければならない。
このETCを付けるために払った金は誰にいくのか考えてみるといい。
ETCを推進する財団法人・道路システム高度化推進機構の理事長はトヨタ自動車会長の張富士夫氏、専務理事(筆頭常勤役員)には元国土交通省北海道局長の村岡憲司氏、常務理事として元国土交通省大臣官房総括監察官の石原孝氏が就任している。
ちなみに、平成20年10月1日現在の役員名簿の中で民間出身の非常勤理事の肩書きが今では消えている。
おそらく官民癒着の財団であることが赤裸々になるので、○○会社社長とか顧問とかいう肩書きを消したのだろう。
そして、ETC搭載のために助成金が出ているが、その原資は税金、最終的な受け取り手は誰か併せて考えて見るといいだろう。

景気対策と称して、2年間限定の1000円高速などという姑息な手を使うなら、民主党が主張するように高速道路をフリーウェイにすべきだろう。
もし、そうなれば収益源がなくなるのだから、小泉政権が改革と称して作った天下り官僚救済(マスコミや国民の特殊法人バッシング回避)のための怪しげな国策道路会社など必要ない。
今やこれらの国策民間会社は、直接の国政調査権も及ばず、株主が国だけなので、法的なチェック機能はなきに等しい。
私に言わせれば高速道路政策は国策として最後まで責任を持つのが筋だし、国会で道路建設の必要性を議論されるべきだ。
それに国策として高速道路がフリーウェイということならば、民間交通や地方自治体も、それに即して最初から対応するだろう。
(現行制度の下でも、全国料金プール制により、高速道路ネットワーク全体について償還が完了した時点で、全路線を無料開放することになっているが、実質的に有名無実化している)
少なくとも高速道路政策のせいで高速バス会社や貨物輸送会社が苦境に陥ることにはなるまい。
それに、フリーウェイになれば少なくとも料金徴収所と各種のETC推進財団(官民癒着の温床)は不要になるだろう。

この1000円高速という愚策の意図するところは、昨年のリーマンショック以降、自動車各社が経営危機に陥ったことに対して、国民に無理やり車を買わせるというものが当然にあるだろう。
しかし、こんな形で景気浮揚をはかったところで、その損失は計り知れないほど大きいものになるに違いない。
第一、片方で環境政策(CO2削減)と言いながら、もう片方で渋滞した道路で排ガスを撒き散らすような推進策を取ること自体が笑止千万である。
1000円高速が始まった当初、数人のブロガーが「休日の渋滞も織り込み済み、GWやお盆に比べればなんてことない」などと書いていた。
もし、そんなことを多くのサラリーマンが思っているなら、次の総選挙でどちらの政党が政権を取ろうとも、誰が会社の経営者になろうともサラリーマンがこき使われ、バカにされ、毟り取られ続けることに変わりはないだろう。

*******************************************
南海フェリー:和歌山、徳島県が支援 高速1000円に対抗、各上限1億円 (2009.6.12 毎日新聞)

「高速道路1000円」で苦境に陥った「南海フェリー」(本社・和歌山市、和歌山港-徳島港)の支援策として、和歌山、徳島両県が自動車運賃割引のために1億円ずつを上限に拠出することを決めた。
全国初の取り組みという。
両県は「国策による悪影響は、国が面倒をみるべきだ」と主張しつつ、全国でフェリーの航路廃止が相次ぐ中、予算化に踏み切る。夏休み時期をめどに実施する方針。

3月から高速道で和歌山市-徳島市間は、最安ルートで2700円になった。
これに対し、同区間のフェリーの普通車料金は9300円がかかる。
南海フェリーによると、今年4~5月の土日・祝日は、対前年比30%の減収。
経費減などで黒字は維持してきたが、「航路存続の危機」と訴える。

両県は、二酸化炭素排出削減効果や競争条件の平等に加え、災害時の支援ルート確保の観点から航路維持が不可欠とする。
条件として、両県いずれかの宿泊客が割引対象▽期間は夏休みを含む半年間程度▽普通車料金は現在の半額程度以下-などを軸に、両県と南海フェリー、国で詰める。

和歌山県の仁坂吉伸知事は「国がすべきだと抗議してきたが放置できない」、徳島県の飯泉嘉門知事は「フェリーの維持で(防災など)多くの目標が達成でき、国にも対策を要望する」と話している。
国交省内航課は「今回自治体に出した交付金の使途として、フェリー支援を推奨している。国も省エネ策などに補助する」としている。【最上聡、岸川弘明】

*******************************************
高速道路3社連結 今期も続く2けた最終減益 (2009.6.10 FujiSankei Business i)

高速道路3社の2009年3月期連結決算
会社名営業収益営業利益最終利益単位:億円

カッコ内は前期比増減率%
東日本8,730 (-7.0)103 (-7.7)76 (-11.9)
中日本7,917 (+6.7)117 (-34.5)80 (-25.7)
西日本8,067 (-12.3)78 (-19.2)58 (-24.2)

東日本、中日本、西日本の高速道路3社の2009年3月期連結決算が9日、出そろった。景気低迷やガソリン高騰などによる通行量が減少した上、深夜や早朝割引の実施などで、前期比で3社とも2けたの最終減益となった。
通行量は、東日本が1.9%減、中日本が3.0%減、西日本が1.0%減。料金収入も東日本が4.9%減、中日本が7.7%減、西日本が6.2%減と落ち込んだ。2005年10月に旧道路公団から分割民営化されて以降、各社とも初めての減少。3社の中で唯一、増収となった中日本は、日本高速道路保有・債務返済機構に売却した収入を計上したため。
2010年3月期の見通しは、地方圏の休日(土日祝日)通行料を上限1000円とする大幅割引が年間を通して反映される。
料金収入の増加は見込めず、減収分を国が穴埋めしても、最終利益は東日本が53.9%減の35億円、中日本が54.2%減の37億円、西日本が60.3%減の23億円と、3社とも大幅な減益を見込む。

*******************************************
バス協会「高速千円」拡大に反対 渋滞激しく利用急減 (2009.6.3 朝日新聞)

全国のバス事業者でつくる日本バス協会(会長・堀内光一郎富士急行社長)が3日、国土交通省が検討している高速道路料金「上限1千円」の割引拡大に反対する方針を決めた。
ゴールデンウイークに高速バスが渋滞に巻き込まれて大幅な遅延が相次ぎ、利用客が減少したためだ。

協会は2280事業者が加盟。3日開いた高速バス委員会で決めた。
近く、高速道路割引の拡充中止と渋滞緩和策の検討を求める要望書を同省に提出する。
協会によると、今年4月24日~5月6日の主要路線の高速バス利用者数は前年比で平均6~7%減少。
渋滞では所要時間が2倍以上になる例や到着が10時間遅れた例もある。
協会は「公共交通の機能がマヒし、経営努力の及ばないところで利用者の利便性を損ねている。環境保護にも反する」と訴えている。

割引は3月からETC車を対象に実施し、土日祝日の高速料金を上限千円にしている。政府の景気対策の目玉の一つ。
金子国交相は「経済効果が出ている」として、お盆や年末年始の平日への拡大を検討している。(渡辺淳基)

******************************************

JR西日本の収入大幅減 高速割引や新型インフル影響 (2009.6.2 朝日新聞)

JR西日本は2日、4月1日~5月24日の運賃収入が前年同期比8.5%減になったと発表した。主に新幹線を扱う福岡支社管内は同9.3%減だった。
同支社は「過去にない減少幅。景気低迷に加え、高速道路料金の割引と新型インフルエンザの影響が大きい」と説明している。
期間中の福岡支社管内の輸送人数は、博多-小倉駅間が同7.5%減、小倉-新山口駅間が同7.6%減だった。
政府は高速道路割引を土日祝日だけでなく、8月のお盆や年末年始の平日に拡充することを検討している。
嶋哲久支社長は「影響は大きいが、鉄道の良さ、新幹線の高速性を分かってもらう努力をする」と話した。
*******************************************

|

« 真の強気相場の始まりか | トップページ | 2009年空港満足度ランキング »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/82450/45335093

この記事へのトラックバック一覧です: 1000円高速で得をしたのは誰か:

« 真の強気相場の始まりか | トップページ | 2009年空港満足度ランキング »