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2007.12.02

株式譲渡所得の軽減税率の再延長はないのか

衆議院は自民党、参議院は民主党が多数を占めるねじれ現象が続く国会で、投資家にとって焦点であった株式譲渡所得の軽減税率の再延長はしない方向で議論がされているようだ。
この税制は、株価がバブル崩壊後の安値を更新している最中に、個人投資家の比率を高めようと時限立法として打ち出されたもので、昨今は日本の証券会社が海外株式やETFの取り扱いを格段に増やしたことと相俟って、無理して海外口座を開いて投資をしなくても国内証券だけでも十分であるという風潮も感じられるようになってきた。

ところが、海外投資家を国内証券に踏みとどまらせている理由の一つ、株式譲渡所得の軽減税率の再延長がどうやらなくなるようだ。
これによってサブプライム問題の余波を受けてぐらぐらしている日本の株式市場はますます不安定なものとなるだろう。
この税制を巡る議論には、日本市場に投資をさせるためにはどうしたらいいか、という視点が全くないように思える。
まして東京証券取引所に上場している外国企業など微々たるものだし、彼らはなぜ香港やシンガポールがアジアで有数の金融都市となっているのか考えたこともないのだろう。

キャピタルゲインをギャンブルと同じで額に汗して働かないで得た収入などと揶揄して、その所得に軽減税率を適用するなどもってのほか、などという暴論を吐く者がその典型である。
投資で儲けるのは容易なことではない。
周到なリサーチも必要だし将来を見据える先見の明も求められる。
投資が嫌いなら嫌いで結構だが、それでいて投資で成功した人を妬むなと言いたい。
今や世界的に格差社会が進んでいるようだが、少なくとも成功者(金持ち)を妬む風土がある限り、ダイナミックな経済発展など覚束ないだろう。
なぜなら、そのような国では常におねだり君に足を引っ張られることを気にしながら生きていかなくてはならないからだ。
言うなれば、3年前に書いた「ピーター・タスカの予言が現実となる日」がまさに具現化しつつあるのかもしれない。

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財務省:証券優遇税制は2009年から原則廃止、小額配当は継続-同省案 (2007.11.30 ブルームバーグ)

財務省は30日、自民党税制調査会(津島雄二会長)に、2008年度税制改正の焦点の1つとなっている証券優遇税制の見直し案を提示した。
それによると、金融所得一体課税に向けて2009年度から株式譲渡益や配当にかかる軽減税率10%を本則の20%に原則的に戻す一方で、少額配当の場合は軽減税率を一定期間維持するほか、譲渡損失と配当との損益通算も限度額を設けたうえで可能にする。
同案では、税率を引き上げる一方で、中低所得者の株式や投信への投資促進を支援するため、一定額の株式・投信から生じる配当について、一定期間10%の軽減税率を継続する方針を示している。
また、軽減税率廃止に伴う市場の不安や変動を回避するための特例措置として、2008年末までに取得した株式を2009年以降の一定期間内に譲渡する場合にも軽減税率10%の適用を認める。
投資リスク軽減のための損益通算は限度額を設ける。
また、投資家の申告を必要とするが、2010年からは特定口座の活用によって申告不要となるよう証券会社のシステムの見直しを行うとしている。

■証券優遇税制の継続求める声相次ぐ

この日の会合では、米サブプライム(信用力の低い個人向け)住宅ローン問題の余波を受けた不安定な株価動向などを理由に軽減税率の延長・恒久化を求める声が相次いだ。
与謝野馨小委員長は同省案を「非常に軟弱な着地」と指摘。
同案をたたき台に、12月中旬の来年度税制改正大綱のとりまとめに向けて詳細を詰める方針を明らかにした。
津島会長は27日、証券優遇税制について「損益通算ができるようにしてほしいとの声を否定できない」とした上で、軽減税率について「単純に延ばすようなことはしたくない」と発言していた。
同税制は2003年度税制改正で、2007年度末までの時限措置として導入されたが、今年度税制改正で1年延長されたため、適用期限は株式譲渡益が2008年末、配当が2009年3月末となった。
これに対し、金融庁は株式譲渡益の軽減税率の再延長と配当課税の軽減税率の恒久化を求めている。

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株配当の税軽減措置-民主、延長認める-証券優遇税制 (2007.11.30 朝日新聞)

民主党税制調査会は29日、2008年度税制改正の焦点の一つになっている証券優遇税制をめぐり、株式の配当に対する軽減措置は延長を認める方針を決めた。
参院選の政権公約では、1年を超える長期保有に限定して軽減措置を維持する考えだったが、「安定的な個人株主を育成する観点などから、長期保有に限らず、軽減措置の維持を考える」(古川元久・税調副会長)という。
株式の売却益に対する軽減措置は廃止を主張している。
軽減措置の延長の是非をめぐっては、株価の下落などを受け、与党内でも延長論が高まるなど賛否が分かれている。
民主党の方針変更は、与党内の議論の行方にも影響しそうだ。
証券優遇税制は、上場株式の売却益や配当にかかる税率を本来の20%から10%に軽減するもの。
民主党は預貯金の利子所得など、ほかの金融所得と同じ税率に戻すべきだとして、軽減措置の廃止を主張。
長期保有の株式の配当に限って軽減措置を続ける考えだった。
だが、法人の株式持ち合いの解消などで株式市場の不安定化が進んだことなどを背景に、 (1)個人の安定株主の育成、(2)法人段階と配当段階の「二重課税」の是正-などが必要と判断。また「長期保有」をどのように特定するかという実務上の課題も浮上したという。
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コメント

HALさん、えんさん、こんばんは

コメントありがとうございます。

>例えばアメリカの投資家は日本では課税されませんし。

そうですね。我々もW-8BENを出すと、キャピタルゲインは非課税ですからね、米国では・・・

>株価下がったら年金の運用も大変でしょうに・・・

それはいい見方ですね。
金持ち優遇という方々に説得力ある意見ですね。

投稿: カルロス | 2007.12.04 00:42

一つ付け加えると、日本と租税条約が結ばれてる国でしたら、日本でキャピタルゲイン課税されないですね。
租税条約は国内法に優先するので、例えばアメリカの投資家は日本では課税されませんし。

アラブとか租税条約が締結されてない国の投資家は影響受けますが。

投稿: HAL | 2007.12.03 14:53

全く同感です。
廃止論者曰く、「金持ち優遇税制」だそうです。
株価下がったら年金の運用も大変でしょうに・・・

キャピタルゲインはけしからん、リアルな労働での報酬こそ
まっとうで清いものだ!という論調と裏腹に増加している
ワーキングプアの存在を考えると、空論もいいところですね。

投稿: えん | 2007.12.03 12:56

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受信: 2007.12.20 18:36

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