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2007.07.28

狼はやってきたか?

今年の2月27日の上海市場の暴落から始まった世界同時株安から約5ヶ月もの間、アメリカのサブプライム問題や、中国政府の取る投機抑制策がクローズアップされるたびに起こる一時的な株の下落と、その理由を検証し、そろそろ調整があるのかと推測する経済アナリストの記事のことを私は去る8日に「狼少年」と揶揄した。
株価の下落が、調整という言葉を使うレベルどころか、1日か2日で終わりということも珍しくなかったからだ。
その主な理由は、中国市場を中心とするBRICs市場に流入する膨大な資金と、欧米で発表が相次いだ大型の企業買収(takeover)による株価の上昇が、市場の下落要因を補って余りあるものとなっていたからだ。

しかしながら、私が6月7日に指摘したように、アメリカのダウジョーンズ不動産指数(Dow Jones U.S. Real Estate Index)は、今年に入ってずっと調整局面にあるのだ。
事実、この指数に連動するiShares Dow Jones US Real Estate (IYR)の株価は右肩下がりだ。
(私が投資しているのは、ダウジョーンズ不動産指数の2倍の動きに反比例するUltraShort Real Estate ProShares ETF (SRS)、レバレッジがかかる分だけ一般のETFに比べて利益も損失も大きい)
この間、ダウ平均(Dow Jones Industrial Average)を始めとする各国の株価指数は連日高値を更新していたにもかかわらずだ。
要するに、アメリカの金融関係者がいくら事実を糊塗しようとしても、まさに市場は知っていたということなのだ。

ところで、アメリカの金融関連株はどうであろうか。
銀行株というのは、その国の経済がどうなるかの指標とも言えるからだ。
実際、詳細な市場環境のわからない外国市場で個別株(ADRも含む)を買うなら、投資したい国の代表的な銀行株を買うのが最も手軽だ。
そういった意味でもアメリカの金融関連株の動きが今後の指標ともなろうが、個別の銀行株を当たっても意味がないので、ダウジョーンズ金融指数(Dow Jones U.S. Financials Index)に連動するiShares Dow Jones US Financial Sector (IYF)が目安となろうか。<これの逆のETFはUltraShort Financials ProShares (SKF)
このETF、ここ1年の動きを見ると、5月末になって2月の同時株安の痛手はリカバリーできたものの、そこをダブルトップとして、6月に入ってから下落傾向にあるようだ。
どうやら、今日のブルームバーグニュース(米国株(27日):続落、S&Pは週間ベースで2002年以来の大幅安)にあるように、「世界的な企業買収ブームが終わりを迎えている (The global boom in takeovers is ending.)」ということなのだろう。

今回の株安も一時的であり、優良株の買い場であるという見方は根強い。
来る30日、朝寄りで一段安となった後の反騰狙いで買いを入れようという人も多いだろう。
しかしながら、欧米で発表が相次いだ大型の企業買収(takeover)によってアメリカの株式市場は支えられていたと言っても過言ではない。
今までは、聞き飽きたサブプライム問題が株価の下落要因だった。
今回の下落要因はそれだけではなかった。
ただ一つ、世界同時株安に動じなかった中国市場がせめてもの救いだ。
今のところ、IYR(米国不動産ETF)は時間外取引で反騰しているが、IYF(米国金融ETF)は時間外取引でさらに下落した。
どちらの流れが月曜のアメリカ市場を引っ張るか、あるいは世界市場の動きとは無縁な中国人投資家がすべての懸念を消し去るか。
それによって、今年後半の世界市場の動向が左右されることになるかもしれない。

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2007.07.23

アメリカのベアファンドに配当金

世界の新興市場に投資している人の間では、中国株やタイ株の配当金(dividend)の高さについてはご存知の通りだが、私がTD Ameritradeを通じて投資しているベアファンド(株価や指数が下落すれば儲かる)の1つ、住宅関連株の売建ての上場投信(ETF=Exchange Trade Fund)、UltraShort Real Estate ProShares ETF (SRS)に配当金が出ていることがわかった。
私の証券口座には今月の2日付で入金されていたわけだが、私の持っているイメージでは売建ての商品に配当金が付くとは思っていなかったのでビックリである。
冷静に考えればファンドに利益が生まれれば配当が出ることもあるのだろうが、売建てと言えば、株の空売りとオプションのショートのイメージしかなかったので、あまりこういったシチュエーションは考えていなかったのだ。

さらにビックリなのが、これは今のところ些少な金額ながら投資したことを後悔しているUltraShort QQQ ProShares (QID)、要は、PowerShares QQQ (QQQQ)の逆をいくもので、米国株高の中では成績が冴えなくて当たり前だが、このファンドにも配当金が付いたのだ。
得体の知れない株なら蛸配も考えられるレベルだが、これはいったいどういうことなのだろうか。
損失が出ているファンドの穴埋めができるのはいいことだが、何だか狐につままれたような感じだ。
いずれにしろ、いろいろ言われているアメリカだが、こうしたバラエティに富んだETFに格安で投資できる環境に関しては優れていると言わざるを得ないだろう。
日本のネット証券の中でもこうした海外のETFを扱うところが出てきたようだが、こういう好ましい動きが加速すれば、日本の証券界もまだまだ捨てたものではないかもしれない。
まあ、残るは日本人の多くが持つ投資嫌い(!?)のメンタリティの払拭ということかな。(三原淳雄の言いたい放題-真面目に株を考えたら

関連サイト

Yahoo! Finance - Exchange Traded Funds (ETF) Center
ETFConnect
The Great Bear Funds Page

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2007.07.22

公務員を目指すフリーター

読売新聞によると、「国家公務員中途採用者選考試験(再チャレンジ試験)」の申込者数が、採用予定152人に対し2万5000人を超える大人気となったそうだ。
受験者のターゲットに30代のフリーターを据えたとはいえ、これほどの人気になった裏側には民間企業、特に大企業が彼らをほとんど正規雇用しないという冷酷な現実があるのだろう。
1990年代、若手社員の採用を抑え、その分を非正規雇用を増やすことによって、バブル崩壊後の不況期を乗り切った企業は、その犠牲となった彼らにあまりに冷たいのではないだろうか。

ところで、業績が上向きになってきた企業が彼らを積極的に雇わない理由として、2005年10月4日号の週間SPAで、リクルートワークス研究所所長の大久保幸夫氏は、「景気の回復で人手が足りない企業が増えたが、誰でも彼でも採用するわけではない。企業にとって使えない人を採用することはゼロどころかかえってマイナス。会社の雰囲気を悪化させたり、損害をこうむらせたりするからだ。」と言っている。
また、「そもそも企業の人事は、1年以上のフリーター経験をキャリアのブランクとして見る。”雑用仕事に身を捧げ、成長が止まっている人”と考えられるからだ。20代という一番成長できる時期の多くをフリーターとして過ごしてしまった人などなおさらだ。」とも言う。

SPAの記事によれば、結果的に、フリーターは、社会人として当たり前のビジネスマナーや基本的なスキルがなく、大きな仕事の経験がないので責任感もないなど、どうしても「ないないづくし」の人材に見られるから正社員登用への道が狭き門となっているのだという。
もし、そうならば、「再チャレンジ」公務員試験に合格して採用された彼らを、金(税金)を払って雇う気分はどうなのかと聞きたい。
役所の場合は、正規職員でさえ使えないのが多いのだから元フリーターの方がマシとでも言えるのか。
確かに、私の経験で言っても「社会人として当たり前のビジネスマナーや基本的なスキルがなさそうなフリーター」は多い。
ただ、民間企業の中には彼らを書類選考の段階で門前払いしているところも多いのだ。
その結果が、この「国家公務員中途採用者選考試験(再チャレンジ試験)」の倍率だ。

小泉郵政選挙の直後に掲載された日刊ゲンダイの記事「官僚から東大法卒が消える日」は、今後の日本を示唆しているとも言える。(関連ブログ-官僚神話の崩壊に見るモチベーション理論 by 城繁幸)
私は必ずしも官僚を目指す東大法学部の学生が人間的にも優れているとは思わないが、少なくとも頭はいいだろう。
官僚を目指さなくなった東大生のみならず、近年では、財政破綻した夕張市役所や、不祥事が続き民営化が決まった社会保険庁、そして郵政公社からも続々と沈没船からネズミが逃げるような公務員の退職ラッシュが続いているという。

これを見て、チンタラ公務員が民営化された(激務になった)途端に辞め始めている、とか言う人がいるが、おそらく実態は違うだろう。
50代で退職後の生活設計が成り立つ人か、まだ市場価値の残る20代から辞めているのだ。
かつて民間企業で早期退職を募れば優秀な人間から辞めると言われたが、それが役所の世界でも起き始めているのだ。
まして今後、公務員の職歴などフリーター経験以下の扱いしかされないと思った若者が、先行きの暗い公務員になろうと思わないのは至極当然のことだ。

今回の試験で政府当局者は「これだけの倍率なら有能な人材を確保できる」という予測をしているが、もし、そうならなかったとき、今後、役所の前線窓口では、市民の怒号が今以上に増えることだろう。
なぜならば、「社会人として当たり前のビジネスマナーや基本的なスキルがない」職員がより増えることになるからだ。
彼らを教育しろって・・・
それが無理だと、大阪の人材コンサルティング会社のワイキューブは言っている。
大阪市内を走るタクシーに置いてあったこの会社のキャッチコピーは、「育たない人材は、どれだけ時間をかけたところで育ちません。その人材が”できる”かどうかは、採用段階で100%決まっているのです。」と・・・

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「再チャレンジ」公務員試験、152人枠に2万5千人応募 (2007.7.22 読売新聞)

政府が今年度から始めた「国家公務員中途採用者選考試験(再チャレンジ試験)」の申込者数が、採用予定152人に対し2万5000人を超える大人気となった。
再チャレンジ試験は、大学や高校卒業者の就職内定率が低迷した1990年代以降のいわゆる「就職氷河期」に、自分の意に反してフリーターになった人たちに新たな挑戦の機会を与える狙いで、受験資格を4月1日現在で29歳~39歳の人に限った。
難易度は高卒者を念頭においた国家公務員Ⅲ種試験と同程度で、行政事務、税務、刑務官、皇宮護衛官、入国警備官などの職種で採用を予定している。

9月に学科試験を行い、合格者をそれぞれの府省が面接した上で、11月に採用者を決定する。
7月上旬に申し込みを締め切った時点で、約2万5000人の応募があり、競争率は160倍を超える難関となった。人事院では、「もともと公務員希望だった人、今の職業に満足していない人など様々な動機が考えられる」と分析している。

今年度のⅢ種試験の申込者数は約1万7000人と昨年度比約2割減となるなど、若者の「公務員離れ」が懸念されている中、政府内には「これだけの倍率なら有能な人材を確保できる」(政府筋)と、公務員の人材確保策の観点から再チャレンジ試験に期待する声も出ている。

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官僚から東大法卒が消える日 (2005.9.2 日刊ゲンダイ)

■霞が関メルトダウン

霞が関の中央省庁は、選挙が終わるまで開店休業状態が続く。そんななか、各省庁の幹部が集まると決まって話題になるのが、来年度新規採用者のうち農水省が「東大法卒ゼロ」になるという情報である。
農水省といえば、霞が関では財務省と並ぶ東大法卒の牙城。
本省の局長以上8人のうち事務次官、有力局長、官房長など6人が東大法卒だ(7月現在)。
同省は、かねて東大法卒生からの人気が高く、国家公務員Ⅰ種試験トップ合格者とか、「田んぼを見たことがない」というガリ勉タイプなどがこぞって入省したものだ。
それがゼロというのだから、農水省関係者が「歴史的事件」と驚くのも無理はない。

もっとも、これは農水省だけの話じゃない。
宮沢内閣の頃、「事務系キャリアから東大法卒の割合を5割以下にせよ」と、官房長官だった加藤紘一が厳命したのがウソのようだ。
「ここ数年、どの省庁でも東大法卒の割合は3割前後にまで低下しています。この流れは年々加速しています」(関係者)

最大の理由は、学生の間でも「官僚神話」が完全に崩壊したこと。
10年ほど前、Ⅰ種試験の面接会場で東大法学部の受験者10人ほどの話を聞いたとき、彼らは志望理由を「カッコいい」「尊敬されるから」「試験が難しい」などと言っていた。
ところが最近は、「官僚=ダサイ」のイメージが定着してしまったようだ。
代わりに司法(弁護士、検事、裁判官)が人気になり、優秀な人材は外資系、ベンチャー企業に流れていく。

さて、当の官僚たちはどう思っているのか。
局長クラス数人に尋ねたところ、農水省の「東大法卒ゼロ」に驚きながらも、おしなべて「当然」と答えた。
さらに全員が「いま私が学生なら、官僚を志望しないでしょうね」と言うのである。
テクノクラート集団などと呼ばれ、東大法卒が支配してきた霞が関は急速に変貌(へんぼう)している。
「並の組織」になる霞が関がこれからの日本社会において、どのような役割を果たしていくのか。
それを決めるのは「政治」である。
官僚たちが霞が関改革を最大争点にみているのは間違いない。【生田忠秀】
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2007.07.08

中国市場はまたもやアナリストの読みを外すか?

中国市場を巡って証券アナリストが経済紙や雑誌に掲載する記事の内容のほとんどは、いつ急騰相場の調整が来るかの一点と言っても構わない。
ところが、中国政府があまりに過熱する市場の熱気を冷やそうと抑制策を取るたびに、株価はほんの一時的に下落するが、中国株のアナリストが理由を詮索しているうちに、「そんなことは我々(中国人)に関係ない」とばかりに急騰し、わずか1週間前の記事ですら陳腐化させてしまっている。
もしかすると、今年は8年前の1999年に起きたITバブル相場と同じ様相を全世界的に(残念ながら日本市場を除いて)演じているような気もする。
そういった意味では新たな投資に慎重になり過ぎている私はとんだピエロなのかもしれない。
8年前に何も考えずにIT関連株に投資した人と同じように、今年は何も考えずに中国株に投資すればものすごい好成績を上げられるかもしれないからだ。

ところが、6日付のFinancial Timesの記事「Beijing's cooling process begins(中国政府の景気過熱抑制策の始まり)」は、少々気になる部分があった。
それは上海市場での出来高がピークアウトしつつあるということだ。
株式投資の定石からいけば、出来高の減少は、先行き株価下落が予想されるので、売りの準備をすべし、ということだから、今までの記事に比べれば多少は注視した方がいいように思われる。

有料会員向けに中国株通信を発行しているグローバルリンクアドバイザーズは、7月4日のレポートで今月の見通しとして、「チャート的には調整局面が示唆されつつある状況といえる。上海A株のチャートを見てみると4500ポイントを頂点としたダブルトップ(長期的な下落傾向への変化)を描きつつある状況で、一目均衡表では遅行線が売転換となり、株価は雲の中に入っている。目安として現在4093ポイントの指数が3850ポイントを割ると雲も売転換となり、一目均衡表でも長期調整入りが示唆されたことになる。」と書いているが、それは短期的なもので、一時的な急落はあるものの、長期的には上昇トレンドに変更はないだろう、とも述べている。

結果的には「急落に注意しながら保有継続」というスタンスというわけだが、今から買いに入るのは急落したときのショックに耐えられる精神力があるかどうかで決めた方がいいように思う。
中国人の個人投資家の多くが証券会社に長蛇の列をなし、自分の預金を引き出すばかりでなく、借金までして株を買っているという現状は明らかに異常だ。
彼らは買値よりも株価が下がれば明らかにパニック売りに走るだろう。

ただ、これらの懸念の中にも安心できる材料が一つある。
このFinancial Timesの記事が出たその日には中国株はあざ笑うかのような急騰を見せたからだ。
私も含めてまたもや「狼少年」かと思ったことだろう。
それに中国では多くの上場企業が国有で、政府自身が大株主という事情があり、個人投資家の多くは政府の株価下支えに信頼を寄せているという。
そこで儲けた資金を元に規制緩和された海外市場、つまりは香港H株へ投資する。
海外のアナリストが何を言おうが、馬耳東風の中国人たちによって明日も中国や香港市場は爆上げするというわけだ。

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Beijing's cooling process begins(中国政府の景気過熱抑制策の始まり)
(Financial Times By Geoff Dyer in Shanghai, July 6 2007)

Chinese stocks fell 5.25 per cent on Thursday as investors continued to fret about the large volume of new share and bond issues that the mainland markets will have to absorb over the next few months.
Mainland share prices have now fallen 12 per cent in the last two weeks at a time when trading volumes have also dropped to levels well below those seen in May.
The share price decline and more modest trading are a further indication that the authorities have managed to take the steam out of the stock market without causing a dramatic correction.

中国株は木曜日(7月5日)に前日比で5.25%下落した。本土市場がここ数ヶ月の間に吸収しなければならない大量の新株と起債に関して投資家たちが懸念したからだ。
本土市場の株価は、出来高が5月に見られたものよりもはるかに下回った水準に落ちたとき、過去2週間内で一時12%下落した。
株価の下落と出来高の縮小は、中国政府当局が劇的な軌道修正をすることなしに、過熱する株式市場の抑制を図れることをさらに暗示している。

In the first few months of this year, mainland China witnessed an unprecedented fervour for investing in the stock market. Long queues were seen outside brokerage houses in the main cities, as a new generation of investors rushed to put some of their savings into equities.
But in May, although about 300,000 new share trading accounts were being opened each day in China, the average figure over the last two weeks has been just over 100,000. Daily trading volumes for the Shanghai composite index, which includes most of the main listed companies, have fallen from a peak of Rmb257.2bn ($33.8bn) in early May to an average of Rmb82bn so far this week.

今年の最初の数ヶ月間、中国はかつてない株式投資熱を経験した。主要都市の証券会社の外側には貯金を下ろして株を買おうと殺到する人たちの長蛇の列が見られた。
しかし5月に中国ではおよそ30万もの新規証券投資口座が日ごとに開かれていたにもかかわらず、最後の2週間の平均値は10万を超えるくらいであった。
大部分の主要上場企業が含まれる上海総合指数の日々の出来高はピークを付けた5月上旬の2572億元(338億ドル)から今週は現時点までで平均820億元に下落した。

Facing a potential bubble in the market, the first reaction of the authorities was to use tax policy to try and damp speculation. In late May, the government tripled the tax on share trading to 0.3 per cent per trade.
The response from investors was near panic. The market fell 15 per cent in four days as investors worried about further tax increases aimed at squeezing them out of the market.
Fearing a collapse in confidence among the new share-buyers, the government appeared to backtrack and state newspapers published prominent editorials about the promising long-term future of the market.

潜在的なバブルに直面している市場に対し、政府当局の最初の対応は、税制を使うことにより投機熱を冷ますことだった。
5月下旬、政府は証券取引印紙税率(証券交易印花税)をこれまでの3倍の0.3%に引き上げた。
投資家の反応はパニックに近かった。更なる増税を心配した投資家が市場から資金を引き上げにかかったことにより、株価は4日間で15%下落した。
最近になって株を買った人たちの間の内心のバブル崩壊の懸念に対し、政府は反対の政策を取っているように見えた。さらに、政府の新聞は市場の長期的な将来が有望であるとの顕著な論説を発表した。

The authorities' second strategy has been more subtle and apparently more effective. In recent weeks, a series of state-owned companies have come forward with plans to launch large, new share offers in the Shanghai market. Shenhua Energy, a leading coal miner, plans to raise up to $6.3bn through an initial public offering, while PetroChina is looking to do a $6bn listing. China Construction Bank and China Mobile could also come to the market this year.

政府当局の二度目の策略はさらに巧妙で明らかに効果的である。ここ数週間、一連の国有企業は上海市場で大規模の新規株式の売り出しに着手する計画を進んで提供した。
国内最大の炭鉱を持つ中国神華能源(シェンファエナジー/China Shenhua Energy: 1088.HK)は、新規株式公開(IPO=initial public offering)を通じて63億ドルを調達する計画、一方の中国石油天然気(ペトロチャイナ/PetroChina: 0857.HK)は60億ドルの上場に期待を寄せる。
中国建設銀行(China Construction Bank: 0939.HK)と中国移動(チャイナモバイル/China Mobile: 0941.HK)も年内に上場予定だ。

"It looks as if in July and August, we will see a sharp acceleration of IPOs in the mainland market, which is one reason for the drop in prices in the market," said Lu Xinwen, strategic analyst of Merchants Securities in Shenzhen.
Such is the long list of companies waiting to sell shares in Shanghai that consultants PwC predicted this week that new listings on the mainland markets would exceed $52bn this year, double the prediction at the start of the year. Liquidity is also likely to be drawn out of the mainland capital markets in other directions. Over the last month, the government has relaxed some of the restrictions on taking capital overseas that will make it easier for domestic mutual funds and brokerages to invest abroad.

「それはあたかも7月と8月に、株価が下落する一つの理由となる本土市場での新規株式公開(IPO=initial public offering)の急な前倒しがされるかのように見える」と深センにある中国招商證券(China Merchants Securities)の戦略アナリストは述べた。
このように上海市場で売り出しを待つ企業は多いが、投資顧問であるプライス・ウォーターハウス・クーパース(PwC=Price Waterhouse Coopers)は今週、年内に本土市場の新規上場企業の総額は、年初に予測されていた2倍の52億ドルを突破するかもしれないと予測した。
これらの流動資産はまた別の方向性によって本土の資本市場から引く可能性も高い。
先月中、政府は国内の投資信託及び証券業者が海外投資をしやすくするために、いくつかの制限を緩和した。

As part of the process of setting up a new investment company to diversify the country's vast foreign exchange reserves, the government said last week that it would issue up to $200bn in bonds to finance the purchase of foreign exchange. That money will be raised in the inter-bank market.
The bond issues were one of the main factors behind Thursday's sell-off.

国の巨額の外貨準備高の多様化を図るために、新しい投資会社を設立するプロセスの一環として、政府は先週、外貨購入の資金を調達するため特別国債を最高2000億ドルまで発行するつもりであり、その資金は銀行間短期資金市場(inter-bank market)で調達される予定だと述べた。
その債券の発行は木曜日(7月5日)の急落の主要因の1つであった。

"Among investors, the concerns about liquidity in the market have been enhanced by the news of the treasury bills and the likely flows of overseas investment," said Zhang Yidong, analyst at Industrial Securities in Shanghai.
Yet, in a market in which new retail investors play such a large role, analysts say the authorities cannot afford to be too relaxed about the present situation.
"When a market like this enters a phase of adjustment, we can also see some irrational panic," said Mr Zhang. "We cannot rule out the possibility that it will fall further in the coming days."

「投資家の間では、市場における流動性の懸念は、特別国債のニュース、そして海外投資に関して起こり得る流れによって増幅された」と上海にある興業證券(Industrial Securities)のアナリストは述べた。
けれども、新たな一般投資家がこのような大きな役割を果たす市場においてアナリストたちは政府当局は現状について規制をこれ以上緩める余裕はないと言う。
また前出のアナリストは、「市場がこのような調整局面に入ったとき、私たちは不合理なパニックを目撃する可能性もある。また、数日中に株価が一段安になる可能性があり得ないとは言えない。」と述べた。
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2007.07.06

スタグフレーションの足音が聞こえる

原油高、原材料(素材)費高、円安のトリプルパンチに、小泉政権が決めた2年連続の実質増税、さらに安倍首相が仄めかす参議院選挙後の消費税率アップときているのにもかかわらず、日本のメディアは庶民のパニックを恐れているのか、安倍政権におもねっているのか、日本経済のおかれている状況をまともに報道しているとはとても思えない。
それにも増して、私は特に原油高が国民生活に与える影響(2006年7月30日2005年12月23日)については、首相が先頭に立って対処すべき問題だと思っているが、これについてもそう考えているようには見えない。
おそらく、今のままいけば、近いうちに日本にとって最悪のシチュエーションであるスタグフレーション(stagflation=不況下のインフレ)に突入するだろう。

その兆候は、ここ数日の経済記事を見てもわかる。
企業間取引のみならず一般消費者向けの製品にも価格転嫁が行なわれ始めているからだ。
これまではデフレ経済下で消費者物価への転嫁を手控えてきた企業側が、今後はそうは言っていられないとばかりに堰を切ったように転嫁を始めたのが背景にあろうが、財界の主流が一つの流れを作ると一気呵成に追随する日本企業の悪弊が出始めているような気がしてならない。

私が「統計で作られた景気回復という虚構が崩壊するのにそれほど時間はかからない(2006年10月8日)」と言ったことはもはや現実化しつつある。
政府とメディアがタッグを組んだ「いざなぎ超え」の提灯報道が春以降はプッツリと見られなくなっているのがその証左だ。
彼らは今、無理に日本株の先高感を演出したいように見えるが、世界同時株高と言える急騰相場(skyrocket)を前にはかすんで見える。
しかも私が思うに証券業界が期待した富裕層の団塊マネーの多くは海外市場へ向かったのだろう。
それがさらなる円安を呼び、場合によっては二度と日本へ還流しない資金となっているに違いない。
結果的に残されるのは負担増に耐え切れなくなった一般庶民の悲鳴だけなのだ。

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2007.07.05

アジア新興国投資ブログ集に登録された

先月28日、もはや年中行事となったそれゆけ個人旅同好会のオフ会から帰宅すると1通のメールが入っていた。
内容は、拙ブログの新着情報をアジア新興国投資ブログ集で紹介してくれるというものだった。
ここは、アジア新興国投資関連のブログ・WEBサイトの新着情報を集めたポータルページで、ベトナム、タイ、中国、インドなど、エマージング市場で活躍する投資家の体験談を紹介しているものだ。
メインサイトが3年前にヤフーのカテゴリー登録されたときもそうだったが、こちらの方も第三者に認知されたということで素直に嬉しかった。
それに、せっかく先方からオファーがあったのなら、新たなネット人脈を切り拓くチャンスという気持ちもあったので掲載依頼を出しておいた。

そのまま1週間がたち、今日になって最近投資仲間となった人から拙ブログが紹介されているとのメールをもらった。
この「アジア新興国投資ブログ集」というものについて何も知らなかった私が初めてアクセスすると、投資のSNS (Social Networking Service)であるWorld Investorsで見知った顔ぶれがずらりといるではないか。
要するに、彼らのブログに混じって私のブログが紹介されているということは、言うことだけは一人前と認められたということなのだろう。(笑)
これで実績もさらに積み上げることができれば名実ともに彼らの域に達することができようか。
それにしても右サイドバーの「投資家のみなさん」のトップに私がいていいのだろうか。

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2007.07.03

香港返還10周年

あまり気にしてなかったが、今年は香港がイギリスから中国に返還されて10周年の年である。
1990年代は日本人が間違いなく訪港客の主役を張っていたように思う。
ところが、香港のホテルがジャパンプレミアムなるぼったくりをしていたことが返還前に発覚、当時のアジア通貨危機、H5N1という新型インフルエンザ騒ぎ、日本経済の凋落の始まりによって日本人観光客は香港から一時期遠のいた。

そして私が2003年12月に5年ぶりに香港(このときにHSBC香港のPowerVantage口座を開いた)を、2004年9月に6年ぶりにマカオを訪れた時、驚いたのはマカオでのタクシーガイドの一言だった。
「今は日本人観光客が少なくなって、大陸からの団体観光客ばかりだ。英語ガイドのオレはほとんど仕事がない」と・・・
それが本当かどうか知らないが、かつて日本人が多かったマカオのカジノは大陸の中国人が多数派になり、リスボアホテルのクロークでは英語が通じない事態になっていた。

そして、今、香港には人も物も金も大陸から怒涛のように流入する。
ここ数年、香港のホテル代は行くたびに上がっているが、かつては日本人、今は中国人が落とす金が目当てのようだ。
一方の株式市場も最近のハンセン指数の動きを見ると、アメリカ市場の影響は薄れ、中国人投資家がどう動くかに左右されているような気がする。
もはや香港にある旧イギリスの面影は英語が通じることだけかもしれない。

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