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2007.05.13

HSBC香港でワラント投資を

相場の格言に「市場は最高に見えるときに最も危険であり、最悪に見える時に最も魅力的である(The market is most dangerous when it looks best; it is most inviting when it looks worst.)」というのがある。
去る5月2日の日経ビジネスには「英エコノミスト誌から」として「バブル崩壊前の日本を思い出させる中国の株式市場」という記事があった。(原文はChina's stockmarket bubble - The people's republic in the grip of popular capitalism on Apr 26th 2007
「急騰する中国株式市場の分け前にあずかろうとする投資家の初心者たちが、口座を新設するために中国招商証券の北京支店に列をなしている。(WOULD-BE share punters, keen for a piece of China's booming stockmarket, are queuing to open accounts at a Beijing branch of China Merchants Securities.)」という出だしで始まる記事は、いつ相場が暴落してもおかしくない危険性をはらんでいる。
また、国際戦略情報研究所の原田武夫氏は「マーケットは今年6月に「瓦落(がら)」となる」とも言っている。
以前から「下げ相場への準備を」と書いている私は現在絶好調な海外市場を見ながらHSBC香港の口座を使ってワラント(warrants)に投資するための勉強を始めた。

ワラントは、オプションを証券化した有価証券で、ワラントの対象銘柄や株価指数(underlying)が上がると思えばコール(call)、下がると思えばプット(put)を買うことになる。
コールワラントは、ある商品(株式や為替など)を満期日に特定の価格(権利行使価格)で買うことができる権利をいい、プットワラントは売ることができる権利で、ワラントの価値に大きな影響を及ぼすのは、原資産価格(Underlying Price/Spot Price)、ボラティリティ(Volatility)、残存期間(Expiry/Maturity)の3つと言われている。
要するに、ワラント価格は実態価値(Intrinsic Value)と、時間的価値(Time Value)で構成されているので、原資産に値動きがないと儲けることができないし、時間が経過するごとに価値が少なくなっていくからだ。

ワラントの魅力は「元手は小額で予想が当たれば大きい」というものだ。
これは新たにできた小口投資家用の口座、SmartVantegeの人にとっても有力な投資方法である。
一方のリスクは、ワラントに投資した元本に限定される(株式の信用取引のように追証がない)が、予想が外れた場合に損切りが速やかにできないと、全額を失う場合も多いと言う。
こうしたリスク回避には、Two-Way Limit Order(W指値=売値の上限と下限を双方指定する注文)が有効だろうか。
私は為替証拠金取引(FX/foreign exchange margin trading)をやっていないので、こうしたものは一からの勉強となるが、すでにFXをやっている人にとってはそれの応用で投資できるのではなかろうか。

現在、好調な香港市場が下げ相場になったときに儲けるための手段は、定期預金(time deposit)にして放置するか、債券(bonds)あるいは金(gold)(これは必ずしも上がるとは限らない)を買うかということになろうが、さらにもう1つのチャンネルがこのワラントというわけだ。
なぜ、慣れないワラントに手を出そうというのかと言うと、HSBCのPowerVantage口座保有者には信用取引(margin trading)のサービスもあるが、これは香港の永住権を持つ18歳以上の者(Securities Margin Trading service is available to HSBC Premier and PowerVantage customers+. +This service is only offered to Hong Kong permanent residents aged 18 or above.)しかできないし、できたとしても買い(purchase)しかできないからだ。

ワラントを勉強するにあたって本を買おうと思ったのだが、今やFX本が花盛りでワラントの本など大きな書店でもほとんど並んでいない。
何軒か本屋をハシゴして見つけたのが「「eワラント」必勝テクニック-フィスコトップアナリストが直伝!」、最初からネット書店で仕入れてもよかったのだが、初心者向きの本かどうか中身を見てから買いたかったからだ。
もちろん、ここで書かれている内容は日本の証券会社で投資するワラントのことであるが、戦略はどこでも同じだから全く問題はないだろう。
とりあえず、英語で書かれている用語を単に和訳したところで、何のことか理解できなければ意味がないので、こうしたところから始めようというわけだ。

まずは、HSBC香港のワラント(warrants)検索画面(Warrant Search, Term Sheets)から必要と思われる用語を抜き出してみた。
解説は前出の著書や、よくわかる金融用語辞典eワラント研究室ゴールドマン・サックス・eワラントなどを参考にさせていただいた。
実際の投資はLot Sizeのところに表示された株数単位で行なうが、初めは最小単位でどんなものか試してから本番に入ろうかと思っている。

ちなみに、メールで問い合わせたところ、HSBC香港では現在のところ、株式の空売りとベアファンドの取り扱いはないとのことである。(We currently do not provide securities short selling or bear Mutual Funds services. For information of the investment services we offer, please feel free to visit our website. Should you have further queries, please feel free to contact our PowerVantage Investment Service Hotline on (852) 2996 6000.)

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HSBC香港のワラント投資に必要な用語と解説
用語集のダウンロード(Excel)(19.5K)

Issuer: ワラントの発行会社、検索画面はSG Warrantsの方が秀逸。

Underlying: 日本語では対象銘柄あるいは原資産と呼ばれ、ワラントが対象とする個別銘柄、株価指数などのことを指す。

Warrant Type: 原資産(Underlying)が上がると思えばコール(Call)、下がると思えばプット(Put)を選択する。
コールワラントは、ある商品(株式や為替など)を満期日に特定の価格(権利行使価格)で買うことができる権利をいい、プットワラントは売ることができる権利をいう。

Expiry (Maturity): 満期日。HSBC香港の検索画面では、今から3ヶ月以内、6ヶ月以内、6ヶ月以上先から選ぶ。

Strike: 権利行使価格のことで、Exercise Priceとも言う。

Implied Volatility: インプライド・ボラティリティは、重要な指標の1つで、日本語では予想変動率と呼ばれ、これは歴史的変動率(Historical Volatility=実際の過去の相場の変動率)をもとに、今後の相場動向の予想や需給関係を加味して、今後、原資産がどの程度動くかの予想値を算出したもの。
原資産価格の変動幅が大きいほど、ボラティリティは高くなり、また、ボラティリティが高いほど、プレミアムは高くなり、逆にボラティリティが低いほど、プレミアムは低くなる。

Break Even: 満期日までコールワラントを保有した場合に、原資産が損益分岐点となる価格まで上昇していれば損益ゼロとなる。プットワラントの場合は逆に損益分岐点となる価格まで下落していれば損益ゼロとなる。但し、手数料は考慮されていないと思われるので注意が必要。

Moneyness: 満期日になったときに買ったワラントが実態価値(Intrinsic Value)を持っているかどうかの判定基準で、%表示は、現時点の原資産価格(Underlying Price/Spot Price)と権利行使価格との乖離度を示す。
このMoneynessには、ITM/In the Money、OTM/Out of the Money、ATM/At the Moneyの3つがある。

ITM/In the Money: コールワラントは原資産価格が権利行使価格を上回っている状態、プットワラントは原資産価格が権利行使価格を下回っている状態をいい、損益分岐点(Break Even)を超えてITMの状態にあるワラントは満期日まで持っていても利益が得られる可能性がある。
どのワラントを買うか迷ったときや初級者は、ITMのワラントを選ぶといい。

OTM/Out of the Money: コールワラントは原資産価格が権利行使価格を下回っている状態、プットワラントは原資産価格が権利行使価格を上回っている状態をいう。
OTMのワラントは実態価値(Intrinsic Value)がないため、満期日が近づき、ITMになる可能性が少なくなるにつれて(概ね残存期間が1ヶ月を切ると)急速にワラントの価値が下がり、満期日にはゼロになる。
逆に短期間で原資産が急騰(プットワラントの場合は急落)し、ITMになればギアリング効果が高いのでリターンも大きくなる。

ATM/At the Money: 原資産価格と権利行使価格が同じ状態をいう。
ATMのワラントも実態価値(Intrinsic Value)がないため、満期が近づくにつれてワラントの価値が下がり、満期日にはゼロになる。

Premium: プレミアムとは、損益分岐点(Break Even)となるまでにどれだけ原資産の価格が上昇(コールワラントの場合、プットワラントの場合は下降)する必要があるかを、現時点の原資産価格(Underlying Price/Spot Price)に対する割合で示した指標で、長期保有の場合の判断材料として非常に役立つ。
すなわち、コールワラントを購入して満期日時点の受取りで利益を得るには、原資産価格が購入時のプレミアム分以上に上昇する必要がある。
従って、プレミアムが小さいほど満期日まで保有した場合のリスクは少なくなり、こうしたワラントは長期保有に適しているとも言える。

Effective Gearing Ratio: ギアリングとは、ワラント投資の効率性を示すもので、普通株式に投資するのに比べて何倍のリターン(又はリスク)があるかを指標化したもの。
ギアリング=原資産の価格×1ワラント当たり原資産数(Conversion Ratio)÷ワラント価格
これにデルタ(Delta)をかけたものが実効ギアリング(Effective Gearing Ratio)である。
短期で勝負しようという場合は、実行ギアリングが高いワラントを選ぶといいが、時間的価値(Time Value)減少のリスクが大きく、満期日までの残存期間に注意する必要がある。
デイトレードから数日間の短期トレードの場合、ワラントの価格変化率は原資産の変化率に実効ギアリングをかけたものが目安となる。

Delta: コールワラントのデルタは、原資産の価格の上昇に対して、ワラントの価格が何%上昇するかを示す。逆にプットワラントのデルタはマイナス表示され、原資産の価格の下落に対して、ワラントの価格が何%上昇するかを示す。
例えば、デルタが80%の原資産の価格が1香港ドル上昇した場合、コールワラントの価格は0.8香港ドル上昇すると予想される。逆にデルタが-30%の原資産の価格が1香港ドル下落した場合、プットワラントの価格は0.3香港ドル上昇すると予想される。
デルタが50%(プットワラントは-50%)を超えているものはITMである可能性が高く、原資産の上下によってワラント価格も連動する可能性が高い。

Conversion Ratio: 日本語では1ワラント当たり原資産数と呼ばれ、ワラントがどれだけの原資産を対象としているかをあらわす。例えば、この数値が0.1になっていると、1ワラント当たり0.1株が対象となっていることを示している。
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コメント

Cocomiさん、初めまして

>何か運用をしたいと思っています。お勧めのプロダクトはありますか?

中長期で考えているならいろいろあると思います。
今、アジア市場も底値から回復基調(予断は許さない状況ですが)にあるようだし、いろいろファンドを検索して、これは、と思うものに投資されたらどうでしょう。
やはり資源物やエネルギー関連などが手堅いように思いますが、勇気を出してドバイ方面に目を向けるのもいいかもしれません。

投稿: カルロス | 2008.02.28 23:40

はじめまして。
HSBC香港のPowerVantage口座を何年か前に開いたのはいいのですが、全く使っておりません。今年1月より口座維持手数料が変わった関係もあり、何か運用をしたいと思っています。お勧めのプロダクトはありますか?もしご存じでしたらお教え頂けたら幸いです。

投稿: Cocomi | 2008.02.28 08:15

>今日の一言を楽しみにしています。

ありがとうございます。
これでまた一人読者が増えたかな(笑)

投稿: カルロス | 2007.05.27 15:15

カルロスさんお返事有難うございました。
香港株とワラントの事は自力でやってみる事にします。
SAT隊員死亡の記事は私も同じ意見です。
私はグアムで拳銃による格闘射撃を練習していますが、撃ってはいけないならどうしようもないですからね。
今日の一言を楽しみにしています。
では。

投稿: ジョニー | 2007.05.24 11:40

ジョニーさん初めまして

>私の頭が悪いせいかイマイチ理解できませんでした。何度か読んで
理解したいと思います。

私自体が理解できてないからでしょう。
だって日本のeワラントもFXもやったことないのですから(爆)
ただオプション自体は昔、昔やったことあって、大負けしたので何となくそのときの教訓を生かして、一番大事なのは早めの利益確定とストップロスということだけは理解してます。
何回か試しているうちに覚えるでしょう。
今は日本株の空売りが好調なのでそっちまで手が回りません。(笑)

投稿: カルロス | 2007.05.23 00:40

コメントをたどってきました。
私の頭が悪いせいかイマイチ理解できませんでした。何度か読んで
理解したいと思います。
よろしかったら続きを書いて欲しいです。
ありがとうございました。

投稿: ジョニー | 2007.05.22 23:27

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