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2006.11.23

夕張市破綻は日本破産の序曲か

財政再建団体となる北海道夕張市の住民説明会で、市側の提案に対し、市民たちは「話にならない。みんな帰ろう」と、次々に会場を立ち去ったという。(2006.11.20 読売新聞-夕張、嘆きの山・・・市で事実上の解雇通告も
気持ちはわからないでもない。
何せ、小泉インチキ構造改革の総仕上げで今年度から実施された年金生活者の住民税と、それにスライドする国民健康保険料、介護保険料のトリプル負担増は、夕張市民ならずとも彼らのサイフを直撃していたのだ。
そして、私の予想では2010年代にはこういう光景が至るところで見られ、下手をすれば、いわゆるババを引いた首長と職員が市民のリンチに遭うことになるだろう。

さて、ここで冷静に考えて欲しいのは、財政破綻の原因を作ったのは、そのババを引いた首長や職員だけなのだろうか、ということだ。
彼らに全く責任がないというわけではない。
しかし、バブル経済期から数えて約20年間、その間の歴代の首長、議員、幹部公務員、そして彼らとつるんで税金を食い物にした業者や闇の世界の住人の方がはるかに大きな責任があると言ってもいい。
そして、その悪の連鎖を断ち切ろうともせず、漫然と与党に投票し、あるいは棄権を続けた選挙民もだ。
それは夕張市のみならず、国や他の自治体にも言えることなのだ。

いざとなれば、マスコミや一般市民は、現職だけを吊るし上げ、溜飲を下げたような気になるだろうが、そんなことをしても何の解決策も教訓も見出せないであろう。
かつて、悪の連鎖に立ち向かった民主党衆議院議員の石井紘基氏や、小さなところでは産廃業者に厳格なことで知られた栃木県鹿沼市環境対策部参事(部長級)、小佐々守氏はいずれも殺されている。
また、産廃処分場建設に反対し、瀕死(ひんし)の重傷を負った岐阜県御嵩町長、柳川喜郎氏の例もあり、全国紙の記事にならないようなところで変死している人もいると聞く。
「仕事をする公務員」が殺される世の中では誰がその役目を買って出るだろうか。

昨日のテレビであるコメンテイターが「なぜ夕張市は市民に負担を強いる前に国や北海道へ支援をお願いしないのか?」と言っていた。
トンチンカンなセリフもたいがいにしろと言いたい。
第一、北海道は2003年の段階で、三菱東京UFJ(当時の東京三菱)銀行や三井住友銀行が道債の引受銀行から手を引いたほどの財政状況なのだ。(2004年2月26日付朝日新聞「日の丸ファイナンス-巨大化の果てに」
とても夕張市の支援どころではないだろうし、さらに北海道の政財界の勘違い甚だしいのは、このような中でさえ、北海道新幹線の建設を続行しているということだ。

1999年4月21日号のNewsweek Japanには「地方自治体が破産するとき」という記事が掲載されていた。
その中の「ニューヨークの経験に学べ」に、「市当局と労組と財界は互いに協力することの大切さを学んだ。わがままなことで知られるニューヨーク市民も協力した。自分の町をののしってきたニューヨーカーたちも、共有するものの大きさを思い知らされたのだ。」という一節がある。
かつて財政再建団体に転落した福岡県赤池町(現・福智町)でも同様のことが言われた。

しかし、当時と今とでは根本的に違うことが2つある。
一つは夕張市の少子高齢化が究極のレベルに達しており、勤労者(納税者)世帯が町を見捨てる可能性が高いこと。
もう一つは国全体から再起へのエネルギーが喪失していることだ。
なぜなら、バブル崩壊後の日本は、ほとんどすべてにおいて、「逃げるが勝ち」という風潮があるからだ。
これは、誰かがババを引いてスケープゴート(scapegoat)となるまで続く。
たとえ、誰かが勇気を持って現実に立ち向かったとしても、それが全くと言っていいほど評価されないのが日本の社会システムだからだ。
事実、自ら率先して事実を明らかにした者と、バレて仕方なく釈明した者とどれほどの差があるのだろうか。
下手をすれば前者の方がひどい仕打ちを受けることさえある。
牛肉産地偽装事件における西宮冷蔵の水谷洋一社長と、耐震強度偽装事件におけるイーホームズの藤田東吾社長のケースはこのことを雄弁に物語る。

「逃げるが勝ち」という風潮はこの先も続くのか。
この夕張市に始まった地方自治体の破綻が、日本破産の序曲とならないことを祈りたい。
しかし、そのために残された時間は限りなく少ないように思える。
2001年12月31日付のFinancial Times "Risky tango in Tokyo"は、「その恐ろしい冗談は、経済界の間で交わされている。(経済破綻した)アルゼンチンと日本の間の差は何か。5年。(A grim joke is doing the rounds in financial circles. What is the difference between Argentina and Japan? Five years.)」と書き出している。
その5年はもうすぐ経つ。
アルゼンチンは国が破綻した。経済規模の大きさで優位にある日本は一地方自治体の破綻で済んだ。
果たして国際経済界で交わされた冗談が現実となる日は来るのだろうか。

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2006.11.19

ダウは最高値更新中だが

1ヶ月ほど前に懸念していたブラックマンデーの再来もなく、11月の第3週のダウ平均(Dow Jones Industrial Average/$INDU)は連日のように最高値を更新している。
ところが、13日付のBusiness Week "Dow 12,000: Whoop-De-Doo"(日本語訳は2006年11月20日号の日経ビジネス「世界鳥瞰」)によれば、2000年1月に高値を付けたときが時代の熱狂を映していたとすれば、今回の高値更新はそのあっけなさが際立ち、このように投資家が関心を示さない理由は、今回の高値更新が指数算出方法のマジックによるもので、株価が高い銘柄の動きが指数に大きく影響しているからだという。(The blue-chip benchmark has indeed surpassed the old record of 11,723 touched in January, 2000. In fact, the Dow is posting new closing highs with regularity -- four days in a row, at one point in October. But if the old record was noteworthy for the way it reflected a national zeitgeist, this one is notable for its sense of anticlimax. The Dow is at a record, but that's thanks largely to its antiquated method of price weighting, which gives high-priced shares more clout in the overall average than low-priced ones.)

20061117_indu

要するに主要銘柄に投資している投資家が必ずしもダウ平均の高値更新による恩恵を受けているわけではないというわけだ。
逆に見れば、その方が朗報かもしれない。
なぜなら、誰もが熱狂しているときは株価がピークアウトする寸前であり、連日の高値更新がビジネスのトップニュースになったりするときは株や投資信託の売り時を考えないといけないからだ。

これは5月以降のスランプを経験したBRICs(ブラジル、ロシア、インド、中国)市場も同じこと。
今や夏の下落相場から回復し、高値更新を窺う株式や投資信託がぞろぞろ出始めた頃だろう。
例え、数字のマジックだとしても米国市場が堅調であることは、ボーナスをこれらの市場への投資に回そうと思っているならいい兆候かもしれない。
シティグループの投資戦略家(ストラテジスト/strategist)、トビアス・レブコビッチ氏(Tobias M. Levkovich)は言う。
「人の関心が向かわないほど、市場にとってはいい。(The less people care, the better it is for the market.)」

ところで、今の日本市場は昨年の今頃とは比べるべくもない状況だが、雰囲気的には21世紀初頭のドン底の状態に近づいているような気がしてならない。
私自身、2003年夏から日本株投資を再開させたが、今年度末を目途に撤退を視野に入れようかと思う。
なぜなら、株式譲渡所得の軽減税率(所得税・住民税の税率20%を10%にするもの)は2007年(平成19年)12月31日までの間に売却したものについてだけ適用されるので、その延長がされないとなれば、それは売り要因の一つとなるし、それに小泉政権が実施した相次ぐ減税措置(定率減税や配偶者控除、老年者控除)の撤廃は提灯マスコミのせいで大きなニュースにはならなかったが、実際にはボディブローのように効いているのだ。

政府は来る22日発表する11月の月例経済報告で、景気が「回復している」との基調判断の表現をやや弱めて、「消費に弱さが見られるものの回復している」と、1年11か月ぶりに下方修正する方向で調整に入った、という報道がされた。
バカ言ってもらっては困る。
個人消費が鈍化して景気が回復するわけないだろう。
ただ政府の大本営発表ですら下方修正せざるを得なくなったということは、日本市場においては年末の節税売りの後の上昇もないかもしれない。

いっそのこと、ポストBRICsと言われるタイやベトナムの株式に投資するファンドでも買ってみるか。
HSBC香港から投資できるタイ株ファンド(Thailand Equity Fund)としては、フィディリティ(Fidelity)やJ.P.モルガン・フレミング・アセット・マネジメント(JF Asset Management)、テンプルトン(Franklin Templeton)から出ているが、ベトナムだと組入れ株式があるという意味でインベスコ(INVESCO)から出ているAsean Equity Fundか。
ちなみに、ある投資の掲示板で見た限りだが、三井住友アセットマネジメントキャピタル・パートナーズ証券アイザワ証券からベトナムに特化したファンドを出しているようだ。
海外市場投資に関して日本勢が海外勢に先行したなら嬉しいことだが・・・

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2006.11.13

伊東にゆくならハトヤ

「伊東にゆくならハトヤ、でんわはヨイフロ、伊東でいちばんハトヤ、でんわはヨイフロ・・・」
リタイア世代には懐かしのテレビCMでお馴染みの伊東温泉のサンハトヤ、ここに昨日、今日の1泊2日で宴会旅行をしてきた。
顔ぶれはいつも飲み屋で一緒に飲んでいる連中なんで、わざわざ1泊旅行をする必要もなかったのだが、この企画は「やろう」と言い出してから9年ごしのものだったのだ。
何で実現までに9年もかかったのか、とは言いなさんな。

Hatoya

ところで、私自身、熱海とか伊東なんぞに行ったのは久しぶりのことだが、やはりバブル崩壊によるオヤジたちの宴会旅行が減ったことが、こうした首都圏の近郊温泉地を直撃しているようで、かつての賑わいに比べるとどこか寂しげだ。
伊東駅からの送迎バスに乗り、ホテルを見上げると、何となくレトロな雰囲気が漂う。
通された部屋はオヤジの宴会旅行にはもったいないようなオーシャンビューのところ。
ただ、中の施設で売り物の「海底温泉」は、大浴場の横に嵌め込まれた水槽で魚が泳ぐのを眺めながら温泉に浸かるというもので、できた当初は画期的なアイデアであっただろうが、今では様々なテーマパークなどが出現したために色あせて見える。

日曜の夜の宿泊だったこともあって、宿泊者の主流は昭和時代に社員旅行でここを利用したかと思しきリタイア世代と、最近の日本の著名温泉地では主役に台頭しつつある中国(台湾?)人たちだ。
従って夜のディナーショーの出演歌手もそういったリタイア世代に受ける顔ぶれになっている。
そう、昨夜上演されたディナーショーで歌われた曲で私が知りうる限り、一番新しそうな歌が「いちご白書をもう一度」だった。
まさに「雨に破れかけた街角のポスターに過ぎ去った昔が鮮やかによみがえる」ということなのかな。

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2006.11.11

嫌われたラムズフェルド、米中間選挙で民主党躍進

去る7日(11月の第一火曜日)に行なわれたアメリカの中間選挙(Midterm Elections)で民主党(Democrat)が、1994年以来12年ぶりに上下両院で多数派となることが確定したと報じられた。
この選挙における共和党(Republican)敗北の原因として、ブッシュ政権のイラク政策に対する不満、そして共和党議員による度重なるスキャンダルが挙げられている。
要するに、ブッシュ・ドクトリンを支えてきたイラク戦争自体が意義を失うような事実が次々と発覚するに及んで、911以降、ブッシュ政権を支持してきた米国民が彼らに鉄槌を下したのが今回の結果というわけだ。

一方の共和党陣営は、好調な経済をバックに選挙を戦おうとしたようだが10月8日の「今日の一言」で紹介したブルームバーグの記事「好景気の下で豊かさ実感できない米国民」にあるように、米国民の貧富の差はブッシュ政権下でも拡大し、景気回復の恩恵は低所得者層にまで及んでいないため、逆に、民主党が「ブッシュ政権の減税は富裕層優遇」と攻め立て、「1997年から凍結されている最低賃金の引き上げ」を貧困層対策の最優先課題に掲げたことが、有権者にアピールしたと言われている。
ちなみに、アメリカの貧富の格差は、先のクリントン政権時代に彼の意図する方向とは逆にIT革命によって拡大の一途を辿ったのだが、どうやらそれは民主党の失点にはならなかったようだ。
また、日米に限らず、先進国共通の現象として、経済の二極化が進んでいるようだが、日本ではアメリカとは逆に格差の拡大を促進した与党(小泉政権)を低所得のサラリーマンが支持したというのは政治的には珍しいと言えようか。

ところで、ブッシュ政権のイラク政策だが、去る2003年4月6日の「今日の一言」でも紹介したように、ラムズフェルド前国防長官(former US Defence Secretary, Donald Rumsfeld)は、兵員を減らして、精密誘導兵器に重点的に予算を配分するという軍改革を行なったが、どうやらその「少数精鋭、高度な連携を持つ、ハイテク軍隊」というのは机上の空論に終り、結果的には無用な死傷者を増やすことになった。
こういうことばかりをやっているせいか、半年ほど前には退役将校が彼の傲慢(ごうまん)さを非難し、公然と辞任要求を出した(将官たちがラムズフェルド辞任を要求Generals demand Rumsfeld's resignation)とも報じられた。
要するに、愚かな上司のせいで仲間が犬死させられるのは耐えられない、ということだったのだろう。
それが、現役の将兵の家族や友人を持つ人の共和党批判票にも繋がったことは想像に難くない。

これは、彼の辞任が決まった後の、英BBCのウェブサイトの読者投稿欄(Have Your Say)の"What should Bush do in his remaining two years?"のスレッドの中で100人以上の賛同を得た意見投稿の一つだ。

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What should Bush do in his remaining two years? (by Richard Akron, Ohio)

The military hates him (Rumsfeld). The intelligence services hate him. Congress hates him, and most citizens hate him even more than they hate Congress. Why? Because he is a bad defense secretary. A very, very bad defense secretary. This is far too little, far too late. The damage he has done to America's military and reputation cannot be fixed. So long, Rummy. Hope you're proud of yourself...and by the way, I'm a conservative!

軍隊は彼(ラムズフェルド)を嫌っている。諜報機関(CIA)も、連邦議会もだ。多くの国民は議会を嫌うよりもさらに彼を嫌っている。
なぜか?彼はひどい国防長官だからだ。とても、とてもひどいヤツだ。
これ(辞任)は実に取るに足らないことであり、しかも遅すぎた。
彼が米軍とアメリカの名声に対して与えたダメージを回復することはできない。
バイバイ、ラミー。
自分自身を誇りに思ってくれ・・・
それはそうとして、オレは保守的な人間なんだよ。
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ブッシュ大統領は中間選挙での敗北を機に、イラク政策の責任者であるラムズフェルド氏を辞任させ、後任にはロバート・ゲイツ元中央情報局(CIA)長官(former CIA Director, Robert Gates)を任命することによって、少しでも政権のダメージを和らげようとしている。
ところが、イラク戦争の是非はともかく、国際社会から見ればアメリカは極めて独善的で世界の平和をかき乱しているように映る。
このオハイオ州のリチャード氏が書いているように、アメリカが国際社会から再び敬意を持って迎えられる日は当分来ないかもしれない。

このような情勢下で中間選挙は民主党の地すべり的勝利に終わった。
イラクにおける米軍の失態も、ラムズフェルド前国防長官の傲慢さも、不十分ながらも米国のメディアが機能しているからこそ報じられたことだ。
また、JanJanに書かれた「いまこそイラクから撤退するときだ」の記事の中にある、軍内部告発者保護法(Military Whistle-Blower Protection Act)は、報復人事を恐れることなしに連邦議会へ内部告発をできるようになっているようだ。
このような権力を牽制できる装置が働いていることは、外からボロクソに言われていても、まだ民主主義国家として救いがあるということだ。

これらのことは、メディアが権力を恐れて口を噤み、せっかくできた内部告発制度は実質的に空文化し、イラクに残された航空自衛隊の消息がどうなっているのかさえまともに報じられない日本とは大違いだ。
果たして、日本の野党がまともな政策を掲げ、自民党にとって代われる政党になるのはいつのことか。
国民やメディアが民主主義国の担い手であることを認識するのはいつのことか。
それともこのままロシアみたいな半独裁国家として朽ち果てるのであろうか。

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ラムズフェルド米国防長官が辞任 大統領が発表 (2006.11.9 CNN Japan)

ワシントン(CNN) ブッシュ米大統領は8日午後(日本時間9日未明)、ホワイトハウスで記者会見し、ラムズフェルド国防長官(74)の辞任を発表した。大統領は「国防総省に新しいリーダシップをもたらす適切な時期だ」と説明し、後任にはロバート・ゲイツ元中央情報局(CIA)長官を指名した。
7日に投開票された中間選挙の出口調査では、有権者の57パーセントがイラク戦争に不満を示すなど、イラク政策をめぐってラムズフェルド国防長官に対する批判が高まっていた。

ブッシュ大統領は会見で「昨日の投票で、米国人の多くが(イラク国内の)進歩の欠如に不満を示した」との認識を示し、ラムズフェルド長官と進退について対話を重ねていたことを明らかにした。
ゲイツ氏は1991年から1993年にかけてCIA長官をつとめ、現在はテキサス州のテキサスA&M大学の学長。

ラムズフェルド国防長官は、ブッシュ政権1期目の2001年1月20日に就任。同氏はフォード政権時の1975年から1977年にかけても国防長官をつとめた。
ブッシュ大統領は「(ラムズフェルド氏は)変化の時代において素晴らしいリーダーだった。それでも、この戦争の大切な時期に、新しい視点をもたらす重要性について認識していた」と述べて、同長官の決断を評価した。

英文記事: BBC - Rumsfeld exit shakes Bush administration
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2006.11.05

月12万円の手当がもらえるなら

2003年10月27日号のNewsweek "Lost in Translation(通訳に困った)"で、FBIが特に困っているのは、アラビア語やペルシャ語など中東地域の言語専門家で、アラビア語40人、ペルシャ語25人しかいなかった要員をそれぞれ200人と75人に増員したが、テロ情報に関して連日送られてくる盗聴テープなどを翻訳するにはさらに人手が必要、という記事が載っていたが、どうやら国防総省でも事情は同じらしい。
ただ、国防総省が、中東諸国の言語に加え、中国標準語(Chinese Mandarin)をと言っているところを見ると、戦略的に中国を仮想敵国としているとも言える。

こちらは国軍のため英語の話せる外国人(市民権を持つ人を除く)を雇うわけにはいかないだろうから、自前で育てようというわけだ。
ところで、その外国語習熟手当だが、最高で月1,000ドル(約12万円)がプラスしてもらえるらしい。
当然、ネイティブ並みにならないとそれだけもらうことはできないだろうが、そこまでいかなくとも習熟度に応じて手当が出るのだろうから外国語をやろうという動機付けにはなると思う。

日本では特に英語以外の専門家は不足しているし、官民問わずアジア諸国の言語を話せる人は必要なのだから、アメリカのこういった姿勢は日本も見習ったらどうなのだろうか。
特に中国語や韓国語は国防上も必要だし、アジア諸国の言語は司法・警察は言うに及ばず、ポストBRICsと言われるタイやベトナムの言葉は今後ビジネスでも使う機会は多くなるだろう。
とりあえず、こうした制度を自衛隊と警察から導入して、徐々に広げていくのがいいだろう。
また、そうした専門家を民間などから中途採用して処遇していくことも必要だ。

ちなみに、私が今の職場で中国語ができれば最高12万円の手当をプラスすると言われればやるだろう。
ところで、あなたはいくらだったらやる気になるだろうか?

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米軍人よ語学を磨け・・・国防総省が手当増額 (2006.5.12 読売新聞)

【ワシントン=五十嵐文】 米国防総省は10日、外国語を習熟した職員に対する手当を増額する、と発表した。国防総省は2月に発表した「4年ごとの国防計画の見直し」(QDR/Quadrennial Defense Review)で、対テロ戦争や軍事情勢の変化を踏まえ、アラビア語、ペルシャ語、中国語などに通じた要員を育成する必要性を指摘している。今回の手当増額は、こうした言語の習得を促進し、中東・アジア地域で活動できる幹部要員を養成するのが狙いだ。具体的には、これまで月額300ドルを限度にしていた外国語習熟手当を6月から最高額1000ドルに引き上げる。州兵・予備役には年間で最高6000ドルの賞与を支給する。

原文:DoD Increases Foreign Language Pay
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2006.11.04

ユーレイズミーアップ(You raise me up)

最近では洋楽を聴くこともあまりなくなってきたが、朝起きるときにFM横浜から流れてくる曲を再度聴いてみようかなと思うときが時々ある。
朝の寝ぼけた状態で、曲名をその場で書きとめておくような器用なことはできないから、どうしてもというときは、ウェブサイトからその日にオンエアーされた曲を探し出して、インターネットやミュージックショップなどで再試聴して、気に入ればCDを買うといった感じだ。
去る8月5日の「今日の一言」で書いたGO! GO! カリート (Carlito - who's that boy)もそうだった。

Celtic_woman

そして、今日、トリノ五輪で金メダルを取ったフィギュアスケートの荒川静香選手のエキシビションで流れていたという、ケルティック・ウーマン(Celtic Woman)のユーレイズミーアップ(You raise me up)もそうしようとして忘れていたのを思い出した。
と、いうよりカバンに入れておいたメモが出てきたのだ。

どこかで再試聴できるかとインターネットを探していたらフルコーラスで聴けるところが見つかった。
Angel Recordsという音楽サイト(英語)の、アルバム名も「Celtic Woman」の16番目の曲に収められていて、ここからWindows Media Playerで再生可能なファイルをダウンロードできる。(リンク先が見つからないときはこちらから、歌詞はEnglish Lyrics Databaseで入手できる。)

再度聴くと、何となく曲調が悲しげに聞こえるが、それゆえブライアン・ケネディ(Brian Kennedy)が歌った原曲がアメリカで、911(米中枢テロ)の追悼として使われた(The song was used for commemorations of the September 11, 2001 terrorist attack on the USA.)のであろうか。
それが、なぜフィギュアスケートのエキシビションに使われるようになったかはわからないが、しっとりとしたケルティック・ウーマンの歌をバックに、秋の夜長を楽しもうではないか。

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2006.11.01

健康保険証の個人カード化

最近になって私の持っている健康保険証が紙からカードになった。
財布に入れることができるサイズ(クレジットカードと同じ大きさ)になったことと、個人単位になったことはいいことだと思うが、この期に及んでなぜ20歳以上の人だけでも顔写真付きにできないのだろうか。
顔写真が付いていないと、紛失したときに悪用される可能性が高いし、そのことは現場レベルでは結構問題になっているのではないかと思う。
少なくとも市町村の国民健康保険証は、顔写真入りの住民基本台帳カードと一緒にすれば、真の意味で公的な証明書になるし、今やほとんど利用者のない税金の無駄の象徴たる住民基本台帳カードの有効利用にもなるだろう。

このことで、総務省の「住民基本台帳カードの利活用手法等に関する検討会」の第5回会合で、「住民基本台帳カード・国民健康保険証等連携検討会」の資料が呈示されたようだが、結局は有効期限(住民基本台帳カードは10年、国民健康保険証は1年ないし2年)の違いと、資格異動データの管理、保険料滞納者対策の点で併用はされないということらしい。
要は、住民基本台帳カードは相変らず利用率が低迷したまま、莫大な税金(維持費)が垂れ流され、国民健康保険証は顔写真がないのにもかかわらず、金融機関などでは公的な本人確認書類(金融機関等による顧客等の本人確認等及び預金口座等の不正な利用の防止に関する法律施行規則第4条)として効力を持ち続けるということだ。

おそらくIDカードのある国の銀行などにおける本人確認書類は大きく分けてIDカード、運転免許証、パスポートの3種類、公共料金の領収書などは住所確認目的といった感じであろう。
日本のように顔写真のない書類だけで本人確認が終わるということはないはずだ。
最近の日本は犯罪のレベルだけは国際化しているのだから、本当に「テロ資金供与やマネー・ロンダリング等に利用されることを防ぐことを目的」に本人確認するのだったら、法的に正当な理由があれば誰でも取れる住民票を証明書類にするとは笑止千万、いかに中央官庁の役人が世間離れしているとも言えるだろう。

また、産経新聞の記事(健康保険証、平成22年度から個人カード化)では、将来的に政府は医療、年金、介護など社会保障全体をカバーするICカードを創設するとのこと。
あれだけ大騒ぎした住民基本台帳カードとは裏腹に、こちらは誰も気にしないのだろうか。
ICカードデータのセキュリティがしっかりしていないとどちらも個人情報漏洩という点では危険なことには違いないのだけどね。

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