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2005.09.28

あまりに好対照なニュース

私が旅行に行っている間に小泉自民党は予想外の大勝を演じ、東証1部の株価は棒上げの様相を呈したようだ。

かねてより私は投票へ行くべきこと、そして「心の底から誰が(政治家)をやっても同じと思うならそうしろ、棄権するな!」という主張をしてきた。
実際に今度の選挙結果はそうなった。
夕刊紙などではいろいろ書かれているが、常日頃より「誰がやっても同じ」と言っていた人が、自民党とマスコミの作り上げたイメージ戦略に乗って、「郵政民営化」を唱えさえすれば、どんなメチャクチャな候補者でもでもどんどん票を入れて、こいつがなれるなら俺でも政治家ができるレベルの人を量産した。
まあ、私が考えていた方向とは全く次元が違うが、全国の有権者が選択したことだ。
しかも私のかねてからの主張の一つ(誰でもいいと思うなら本当にそうしろ)を十分に満たした結果だ。
素直におめでとう、日本の有権者たち!と言っておこう。

ここからが本題だが、上段の記事はまさに「俗にいう勝ち組」にとってのいいニュースだ。
貯蓄から投資へ・・・実行した貴方は小泉勝利によって美酒を煽っていることだろう。
金持ちはますます金持ちに・・・
私に言わせれば、小泉政権の政策は究極の Winner takes all. のアメリカ流資本主義の追随だから、そうなるのは必然である。
最近の投資セミナーでも高齢者やサラリーマンの夫婦が熱心に聞いている。
そういった駆け出しの投資家でも儲かったかい?
おめでとう。
小泉自民党の勝利のおかげだね。

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東京株全面高、TOPIXは4年5か月ぶり1400台 (2005.9.28 読売新聞)

28日の東京株式市場は、ほぼ全面高となり、東証株価指数(TOPIX)の終値は前日比24.77ポイント高い1401.47で、2001年5月以来、約4年5か月ぶりに1400台を回復した。
日経平均株価(225種)の終値も、同125円87銭高の1万3435円91銭と、2001年6月以来、約4年3か月ぶりに1万3400円台に乗せ、今年の最高値を更新した。

第1部の売買代金は概算で2兆6915億円と、7営業日連続で2兆円を上回り、バブル期の1989年2月に記録した5営業日連続を2日上回る記録となった。出来高も概算で33億2200万株で、3営業日連続で30億株を超えた。

市場では、景気回復期待を背景に「海外投資家による日本株買いが続いている」(大手証券)ことが、株価上昇と売買の活況をもたらしているとの見方が多い。

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民間の平均給与439万円、7年連続でダウン (2005.9.28 読売新聞)

民間企業に勤める人が昨年1年間に得た平均給与は438万8000円で、前年を5万1000円(1.1%)下回り、7年連続で減少したことが28日、国税庁がまとめた民間給与実態統計調査で分かった。
景気は回復傾向が続いているが、サラリーマンらの給与には、まだ反映されていない。

昨年1年間を通じて民間企業に勤めた給与所得者は、前年比13万人(0.3%)減の4453万人。給与総額は前年比2兆8529億円(1.4%)減の195兆4110億円で、こちらも7年連続で減少した。
転職者が増加し、正社員からパートやアルバイトに切り替える企業が増えるなどの雇用形態の変化が、主な減少要因と見られる。

平均給与の内訳は、給料・手当が370万1000円(1.0%減)で、賞与は68万7000円(2.0%減)だった。
男女別では、男性が540万9000円で、前年より3万3000円(0.6%)減少。女性は273万6000円で、前年を1万2000円(0.4%)下回った。

一方、源泉徴収による所得税額は8兆7988億円。前年比3339億円(3.9%)増で、4年ぶりに増加に転じた。
これは、昨年から所得税の配偶者特別控除(最大38万円)の一部が廃止されたことが要因とみられる。
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で、小泉自民党の勝利の余韻に浸り、資産家、ビジネスオーナーや投資家でもなくても、つまりサラリーマンや自営業者でも何かいいことが起こるかという期待をしている人も多いと思う。
そうした人に突きつけられた現実が下段の記事だ。
エコノミストの森永卓郎氏に言われなくとも、3割、4割、場合によっては半数近くが「俗にいう勝ち組」になれるなんていうのは幻想に過ぎないのだ。
株式投資で一部の人しか儲からないのと同じで、そうなれるのもごく一部だ。
「金持ち父さん、貧乏父さん」の著者、ロバート・キヨサキ流に言えば、アメリカ流資本主義でいい目を見られるのは「投資家とビジネスオーナー」で、サラリーマンや自営業者は割を食う側になるのだ。
それを加速させたのは小泉政権であるにもかかわらず、それを二度、三度にわたって支持し、今度は衆議院で三分の二の議席を与えたのだ。
もし、彼を支持した貴方が「割を食う」側に回されても私は何の同情もしない。
それが彼を支持した者の責任だからだ。

果たして貴方は数年後、今回の選択をどう思うだろうか?
小泉自民党が旧勢力を打倒しつつあることは認めよう。
でもそれに代わるのは、旧ノーメンクラトゥーラ(nomenklatura=the ruling elite of communism)が新興財閥となったロシアと同じ、旧官僚なんてことになるのだろうか。

その兆候はすでに出ている。
国家公務員の職を早々に見切りをつけ、在職中のコネクションを生かしてビジネス界にデビューする者は多いという。
元通産官僚でM&Aコンサルティング代表の村上世彰氏は有名だが、今度の選挙で静岡県第7区から立った元財務官僚の片山さつきさん

私は彼女の当選を心の底から笑ったものだ。
彼女や選挙民をバカにしたのではない。
このまま財務省に勤め続ければ、近い将来、日本経済崩壊の戦犯の汚名を着るハメになるところが、今や改革のマドンナだからだ。
彼女の運の強さ、風向きの読み、さすがに頭がいい。(だからといって一緒に仕事はしたくない・・・)
特に数年後の団塊世代の公務員の大量退職で、予想される財政破綻の責任の一端を担う前に逃亡したところが素晴らしい。(笑)
旧官僚候補が改革者と呼ばれるのは21世紀でこれが最初で最後だろう。
これでさっそうと政界を1期でやめ、ビジネス界にデビューしたりでもしたら私は再度笑うかもしれない。
少なくとも彼女は小泉勝利によって美酒を飲めた1人であろうからだ。

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2005.09.06

冷たいビールをピューターで

会社の帰りにセブンイレブンに寄ってみたらキリンビール(2503)から期間限定発売と銘打って缶入りの「ブラウマイスター(Brau Meister)」が売られていた。
このビール、私が時々、喉を潤しに行く横浜のキリンシティで飲むお気に入りのビールだったのでさっそく買ってみた。

pewter

冷蔵庫でキリッと冷やしたビールを、ピューター(Pewter)に注いで飲んでみる。
ピューター(Pewter)とは、今度旅行へ行くマレーシアの代表的な製品(土産物)の1つで、保冷保温性に優れた錫製品なのだ。
写真のものは10年前にクアラルンプールのセントラルマーケットで買ったものだが、未だに愛用している。

このピューター、グラスを冷やしておくよりもよりいっそうビールの冷たさが肌に伝わってくるところが素晴らしい。
ゴクゴクと喉を鳴らしてアッという間に飲み干すと、2本目のビールをトクトクと注ぐ。
この瞬間が何とも言えない。

私の場合、海外旅行先でもビールを飲むのは必須のアイテムなのだが、マレーシアの場合、過去2回の経験でもマレー系のレストランにはイスラム教の影響で酒類は置いてない。
また、華僑系のレストランで頼むビールの値段が現地の食事の値段に比べると割高でもある。
それでも私は言うだろう。"Berikan saya bir." (ブリカヌ・サヤ・ビル=ビールください)と・・・

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2005.09.05

地味な党首討論よりパフォーマンスかい

小泉首相は「郵政民営化」に命をかけているそうだが、彼はその法案作りにどれほど情熱を傾けたのだろうか?
まさか、「公務員はいらないですよね!」と言っている彼が公務員に法案作りを丸投げしたわけではあるまい。
国会答弁は「官製メモ」の棒読みで、突っ込んだ質問をされるとはぐらかしている彼だが、当然の常識として郵政民営化法案ぐらいは自分の目を通していることだろう。
何せ「命を賭けてやる。殺されてもやる」と宣言したくらいなのだから・・・
でも実際はそうではないところが日本の究極の政治家たるゆえんだ。

実際、今日付けの読売新聞でこういう記事があった。

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ベテラン奮戦-与野党構わず“なで切り” (2005.9.5 読売新聞)

選挙戦最後の日曜日となる4日、「党の顔」である野党各党の大ベテランも街頭演説やテレビ番組に登場し、熱弁をふるった。
(中略) 小泉首相は4日の昼前、テレビの党首討論番組を突然、途中退席した。首相が向かったのは、東京都北区のJR赤羽駅前。公明党が最重点区と位置づける東京12区の公明党候補の応援に駆けつけたのだ。
「『もっといてくれ』というのを断って、間に合うために出てきたんだよ。申し訳ないけど、テレビよりも大事だと思ってね」
到着後の演説では、選挙戦のパートナーである公明党への気遣いを最大限、アピールして見せた。
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「テレビよりも大事」・・・要するに、彼の頭には野党から突っ込まれて答えられるだけのものがないのだ。
全国ネットで中継される日曜のテレビ党首討論と、一選挙区の候補の応援演説とどっちが有権者にとって重要かという物差しは彼にはないのだろう。
私は昼間は働いているので国会中継など見る時間はないが、あれを見た人は一様に呆れていると言う。
外交評論家の天木直人氏(神奈川11区衆議院議員候補)は、その著書「ウラ読みニッポン」の中でこう言う。

2005年1月24日、始まったばかりの国会の代表質問で噴飯物の事件が起こった。衆議院本会議で小泉首相が、イラクへの自衛隊派遣、年金改革問題など九項目に関する岡田民主党代表の再質問に何も答えなかった、というより答えられなかったのだ。
1年前の代表質問のときもそうだった。小泉首相は官僚が用意した答弁を読み上げるだけで、自分の頭で考えて答えることができない。だから岡田党首が再質問しても、いくら議場から野次が飛んでも、バツが悪そうにニヤニヤするだけで全く応じようとしなかった。答弁不能のなのだ。

そういえばわかるだろう。
今回の民主党の1対1の党首討論にも他党に平等でないという理屈をつけて拒否し続けたことが・・・
そんなことをされたら小泉首相自身が困るからだ。

郵政民営化、意義があるとすれば株式の売却益を国庫に入れられるということだろうか。
総選挙で下馬評通りに郵政民営賛成派が勝ち、法案が可決すれば、見た目は改革が進むということで、株式市場もさらに上向きになり、その勢いがついたところで株を放出すれば、国庫が潤う。
いくら郵政民営化に懐疑的な目で見る私でもそうしたメリットは十分にあると思う。

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NTT株、6日最後の売却…政府保有は33.7%へ (2005.9.5 読売新聞)

政府は5日、保有するNTT株のうち、112万3043株をNTTに売却すると発表した。
NTTが6日午前中に行う自己株買いに応じる。これにより、NTTへの政府の出資比率は、40.8%から33.7%に低下する。

国債の償還に充てるための国債整理基金特別会計で保有していたNTT株はすべて放出され、19年前に始まったNTT株売却は終了する。
1985年の電電民営化以来、今回を含めた売却収入は総額約14兆4800億円にのぼる。
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しかし、小泉・竹中コンビの言う、公務員の人件費が減るという表向きの理由は、官僚に丸投げした法案であれば、下々の兵隊だけが苦い薬を飲まされるようになっているに違いないだろう。
事実、一部の週刊誌では、民営化される郵貯の役員はキャリア公務員の再就職先に・・・という記事が載っていた。
当たり前だ。役員を選出する株主総会を牛耳るのは官僚なんだから・・・
従って私は「重要なのは、郵政民営化のスケジュールの中で、少なくとも政府保有の株式の市場への売却の道筋であり、株式会社の生命線は株主構成であり、それが100%政府所有であれば、今とほとんど変わらない」と言っているのだ。

NTT株は明日、最後の売却が行なわれるらしいが、その後でさえ3分の1以上をギリギリで政府が保有する。
言い換えれば、政府以外の株主が商法上の特別決議(第343条)を要する総会議案(定款の変更など)を可決することはできないということだ。
民営化によって経営の自由度が増すというという人もいたが、NTTでさえこの有様だ。
果たして郵政はどうなるのか?

私は今週末から旅行に出るため期日前投票をしたが、これをご覧になっている方が郵政民営賛成派議員を選ぶということであれば、これらのことがきちっと行なわれるかどうかも監視して欲しいと思う。
それが有権者の最低限の義務でもあるからだ。

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2005.09.02

衝撃(!?)のニュース

実のところ私以外の人にとっては衝撃でもないのだろうが、2005年10月19日(水)のサイトリニューアルを機に、私のコラムにしばしば活用させてもらったNewsweek Japanのバックナンバー検索サービスが2005年9月27日(火)をもって終了するというメールをもらった。
このバックナンバー検索は、1997年1月1日/8日号以降の記事が無料で見れるので非常に重宝していたのだ。
もっとも日本語メディアのニュースは英語サイトに比べてWEB上で見れる期間が非常に短く、そういった意味でも重要なサイトだった。

私が1998年に定期購読を始めたときは発行元がTBSブリタニカという会社で、メールアドレスを登録するだけで、翌週にはバックナンバーが無料で読むことができた。
さすがにこれで商売が成り立つのかな?と思っていたら、阪急コミュニケーションズという会社に変わってしばらくしたら、バックナンバーを無料で読めるのは1ヵ月後になった。
それでも「将来、有料化も予定して おりますが、有料化の際にはあらためて受付をおこなう予定です。」というアナウンスだったので、定期購読者あるいは所定の手数料を払えばこのサービスを継続して受けられると楽観していたのだ。

要するに興味のある記事の載った号だけとはいえ雑誌そのものを取っておくと、積もり積もれば家の中は雑誌だらけになるし、保管場所も限られているので古いものは捨てざるを得ない。
それが、サービス打ち切りということであれば、今までのようにWEB上で見ればいいということではなくなる。(弊サイトからもリンクを貼っている記事があるが、それは当然のことながら見れなくなる)
私は定期購読者向けサービスとして継続を希望する旨のメールを送ったが、果たして残り1ヶ月で再考してもらうことはできるだろうか。

そして、あと一つは「海外口座情報交換のページ」が、突然見れなくなったことだ。
ここは海外投資をしようという人にとってはバイブルのようなサイトで私にとっても重宝していたところだ。
URLは、http://members.lycos.co.uk/bankabroad/で、よくあるリニューアルあるいはサイトの移転かと思っていたらどうやらそうではないらしい。
ある投資サイトによれば、私がアクセスする1週間ほど前から「見れない」ということを投稿している人もいたので、メールソフト(メーラー)のアドレス帳に記録してあった管理人のメールアドレスを頼りに、どうなっているのか連絡を取ってみた。
しかし、管理人の都合でサイトを閉鎖したのであれば回答が返ってくることも半信半疑だったが、意外にも翌日には回答がきた。

閉鎖の理由は、We had to close your website as it was found abusive. (私たちはあなたのウェブサイトが公序良俗に反すると判断したため閉鎖した)ということらしかった。
管理人曰く、サイトは有無を言わせぬ強制閉鎖だったらしく、今現在問い合わせ中とのこと。
まさか、日本語のサイトの内容をイギリスのサーバー管理者が逐一見て判断したのでなく、ある程度の社会的地位があるか、サーバー管理者に対して力を持つ日本人の誰かが「このサイトはマネーロンダリングやアングラマネーの逃避を促すサイト」だとかいう中傷をしたに違いないというのが巷の憶測として流れている。

私が衝撃を受けているのは、無料ホームページスペース(ブログを含む)というものが、あまりにも脆いということを知ったことだ。
有料のところならもっときめ細かに、サイト管理者に対するケア・サービスもあるだろうが、無料の場合はそういった疑いをかけられただけであっさりと閉鎖に追い込まれる可能性があるようだ。

私が2005年3月1日の「今日の一言」で書いたように、将来の憲法改正で、日本から名実ともに言論の自由が失われるとき、私のような社会評論系の内容を含むサイトは「青少年の健全育成に悪影響を与える可能性のある有害情報を発信するもの」という定義付けがされ、閉鎖に追い込まれるであろう。
たとえ、外国のサーバースペースでやっていたとしても、「海外口座情報交換のページ」の例からすると必ずしも安全とは言えない。
あるとき、ウェブ警察が反政府系の意見を載せたサイトの摘発を始める。
外国のサーバーのサイトも「有害サイト摘発条約(今は実在しない仮想条約)」に基づき閉鎖され始める。
これだけテロリストや犯罪者がネット上を跳梁していれば、将来そういった条約を提唱する国もあるだろう。
その条約に加盟しない国のドメインのサイトは政府が閲覧をシャットアウトするのだ。
外国ドメインのサイトに関しては政府Aは、政府Bに一言伝えればいい。
あいつのサイトは「テロリストを幇助している可能性がある」と・・・
政府Bの当局者がA国語をほとんど理解できなければ、相手方の言い分をあっさりと認めるだろう。
「反テロ」、それだけでお互いの政府の意思疎通は十分なのだ。

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